財務データ分析することによって事業の過去とこれからの未来が分かる
財務分析といえど、順番に分解し、理解を深め、仕組みを解き明かせば難しい事はないと伝えてくれている。この財務三表一体分析法は非常に面白く、知的好奇心をくすぐる方法である。詳しい内容は、【決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 】を参照してもらいたい。
この手法の応用的な内容は、就職や投資などの面で非常に役に立つことになるだろう。以下の手順にしたがって財務を分析していくと、企業の新たな顔がより分かるようになるだろう。
財務三表一体分析法 基本的分析の 9 つの手順
- 貸借対照表の右側を見て、どのようにお金を集めているか
- 利益剰余金を見て、過去に利益を上げていた会社かどうか
- 貸借対照表の左側を見て、集めてきたお金が何に投資されているか
- 流動比率・固定比率・自己資本比率などを感覚的にイメージで掴む
- 貸借対照表と損益計算書の高さを比べて、資産を効率よく売上高に変えているか
- 売上高から効率よく利益を出しているかどうかをチェックする。利益をどう出しているか
- キャッシュフロー計算書の8つのパターンのうち、どれに当たるか
- レバレッジ比率・総資産回転率・売上高純利益率・ROEはどうか
- 全体像を把握したうえで、実際の財務諸表で細かい数字を確認する
企業における 3 つの活動と基本的な分析をする 3 つのポイント
企業に共通する3つの活動を見て、決算書が有機的につながって見えるようになる。すべての企業に共通するのは、1.お金を集める 2.投資する 3.利益を上げるという3つの活動である。基本的内容をおさえて、活動を見ていけば理解できるようになるという。
財務 3 表に書かれている 1.お金を集める 2.投資する 3.利益を上げるという3つの活動に着目し、その他の要素はいったん置いておき、このプロセスに沿って、4つの指標に沿って計算すれば、ザックリであるが、経営の様子が分かってくるのである。
事業の評価とは「どれだけキャッシュを投じ、どれだけキャッシュを得られるか」ということである。貸借対照表と損益計算書に限った分析だけでなく、企業における「現金の動き」を見ることが極めて重要と著者はアドバイスしてくれている。
左は貸借対照表、右は損益計算書の図になり、それぞれの金額の多寡を直感的に把握できるのが、この図の良いところという。つまり、この図解分析だけで、4つの指標をすべてチェックし分析が可能。過去5年分を図にし比較、同業他社の図も並べて比較すれば、企業の成績が把握できる。
財務を知ること。まずはその用語の意味から。財務分析といえど、順番に分解し、理解を深め、仕組みを解き明かせば難しい事はないと伝えてくれている。この財務三表一体分析法は非常に面白く、知的好奇心をくすぐる方法である。
参照文献:倒産した会社・倒産しない会社の決算書