【GIRARD-PERREGAUX】ジラール・ペルゴ フェラーリ275 ルマンクロノは限定生産された稀少モデル

 

Girard-Perregaux ジラール・ペルゴ：時計製造の伝統を知り尽くす老舗 ケリング下でグローバル展開に邁進

 

 

創業年＝1791年/創業者＝ジャン＝フランソワ・ボット /創業地＝スイス/ジュネーヴ：18世紀末からの長い歴史と伝統を誇る名門。1867年に開発したスリー・ゴールド・ブリッジ付トゥールビヨンのスタイルを現在も継承するなど、伝統的な時計製造を現在に伝えている。トゥールビヨンの他、ミニッツリピーターをはじめとした複雑時計製造の名手として有名。その一方、70年にはスイスで最初にクォーツ時計を発表するなど、新分野の開発にも余念がない。日本の時計業界とも縁が深く、創業者一族のフランソワ・ペルゴは1860年に来日し、スイス時計の普及に尽力した逸話もある。参照：腕時計の教科書

 

 

Pen ペン「特集：こだわりの店主たちが待つ、仮想時計店へ、ようこそ」
腕時計に詳しいジャーナリストや俳優、スタイリストらが、もし自身の時計店をオープンしたら？ある店主は超絶技巧トゥールビヨンを搭載した高級ウォッチばかりを集め、またある店主は、ぱっと見では時刻がわからない不思議な時計だけを扱うなど、ひとクセもふたクセもある10人ならではのこだわりが、思う存分発揮された。

 

数が少なくヴィンテージ系が多いが、比較的リセールの高い名門ブランド

 

さて今回は、ジラール・ペルゴ 世界限定2000本 フェラーリ 275 ルマンクロノグラフを紹介したいと思います。

昨今のジラール・ペルゴについては、積極的な攻勢と意欲的なモデルが見られるわけですが、少し前に市場に投入された同モデルの相場はどうなっているのか。

 

 

さっそく オークファン で国内相場を見ていきたいと思います。

上記データを見ていくと、約 200,000 円前後と比較的リーズナブルな価格で取引されています。

ブランドの知名度の点で言いますと、日本国内では今一つ浸透しているわけではなく、データを見ていくとヴィンテージモデルを中心に取引されているようです。

 

 

次に、WatchCharts で ジラール・ペルゴ の市場指数を見て行きたいと思います。

上記データは、海外市場における ジラール・ペルゴ モデルのパフォーマンスの指標です。これは、取引額の上位 30 のジラール・ペルゴ モデルで構成されています。

そのブランドインデックスは、約 30 モデルの時系列での 平均市場価格 (米ドル) を示しています。

データを見ていきますと、2022年あたりから急激に上昇局面となっており、ロレックス等の有名ブランドと逆の動きとなっています。

そう考えていきますと、有名ブランドのトレンドばかり追っている人々から見ますと、微細な上昇は見えていなかったかもしれません。

 

 

続いて、オークファンプロ で、同ブランドとタグ・ホイヤー と オメガ との国内平均価格との比較データを見ていきます。

比較ブランドを選んだ二社は、レースをビジネスとしているブランドとのコラボレーションモデルを多数出していることから、イメージが比較的近いブランドを選んでいます。

ジラール・ペルゴの平均がアタマひとつ飛び抜けており、2020年のはじめから、平均価格が上昇しています。

ジラール・ペルゴのデータがジグザグとなっているのは、タグ・ホイヤーやオメガほど流通量が多いわけでなく、市場での中古品の数が少ない事から、安定していません。

ですが、市場に良い中古品が出てくると、高値で取引されている形跡が見られ、人気が出てきていることが分かります。

 

GIRARD-PERREGAUX FERRARI CHRONOGRAPH 24 Hours Le Mans Winner 1965 FERRARI 275 Le Mans N.A.R.T Rindt/Gregory

 

 

ジラール・ペルゴ フェラーリ275 ルマンクロノはブランドとのコラボレーションによる巧みな販売戦略

 

 

【ジラール・ペルゴ 世界限定2000本 フェラーリ 275 ルマンクロノグラフ 】

名称：ル・マン クロノグラフ
モデル：フェラーリ 275 世界限定 2000 本
Ref. 80900.O.11.1146
ムーブメント：自動巻き
ケース：約 39 mm
素材：SS /レザーベルト
文字盤：シルバー×ブラック
タイプ：クロノグラフ
ケース：ラウンドフェイス
定価：約 493.000 円前後

 

ジラール・ペルゴ 世界限定2000本 フェラーリ 275 ルマンクロノグラフは、1965年、ルマンで フェラーリ275 が優勝し、それを記念して制作された世界限定 2000 本モデルです。

裏蓋のデザインは、優勝ドライバーの名前である、リント＆グレゴリー ( 1965年のル・マン24時間レース ) が刻まれています。また、彼らの乗っていたフェラーリのデザインが刻印されており、ちょっと洒落ています。

文字盤デザインは、21時の位置に 24 時間表示計がデザインされており、ルマンのレースを彷彿させる演出が取られています。また、レースカーのスピードメーターのようなデザインが全体的に施されています。

ジラール・ペルゴは、クォーツショック で経営危機となり、フィアットの元レーサー、ルイジ・マカルーソがデザインした GP 7000 が、世界的ヒットし、息を吹き返したブランドです。

後に、ジラール・ペルゴの社長に就任し、フェラーリとのブランドライセンス契約を締結したことで、フェラーリとの関係が強化されたことから、フェラーリとのコラボレーションモデルを販売する戦略を展開しています。

それが今回のモデルにも踏襲されています。

ラグジュアリー戦略を考える上で、他の成功しているブランドや著名人などの霊気を使い、自社のブランド力をアップさせる戦略は、洋の東西 枚挙に暇がありません。

ジラール・ペルゴについては、約 30 年前には低迷しておりましたが、フェラーリや BMW の 欧州の自動車ブランドのブランド力を活かす事で復活を遂げました。

その後、PPRグループ傘下 (現： ケリング ) の一ブランドとなり、外部の優秀な人材の採用 や ケリンググループ内の組織力を活かしながら、良質なモデルを多数生み出しています。

上記ブランドもそうですが、コングロマリット ( LVMH、ケリング、リシュモン ) における最近のブランド事業内容については、下記のリンクの書籍を中心に今後軽く取り上げていきたいと思います。

 

ラグジュアリー産業: 急成長の秘密 ピエール=イヴ ・ドンゼ (著)
伝統ある高級品ブランドのイメージが強いラグジュアリー産業は,じつはきわめて現代的な「新しい」産業だった。ヨーロッパのコングロマリット企業は、何を競争優位とし、どのように世界市場を支配したか。市場が急速に拡大した40年のダイナミクスを描き出す。

 

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