ロレックス:既存の常識を打ち破るブランド戦略と驚異的な人気で価格上昇を続ける最も有名になったカリスマブランド
創業年=1905年/創業者=ハンス・ウィルスドルフ/創業地=イギリス/ロンドン:腕時計の将来性をいち早く見抜いていたハンス・ウィルスドルフにより、1905年に創業。精度はもちろん、要求される性能を満たすための腕時計開発を積極的に行い、1926年に世界初の完全防水ケース「オイスター」を完成させる。1931年には360度回転式ローターを採用した自動巻上げ機構「パーペチュアル」を、1945年には午前12時に日付が瞬時に切り替わる「デイジャスト」を開発。腕時計の実用性を飛躍的に高めていった。1950年代以降は、プロフェッショナル向けの製品も積極的に開発し、「エクスプローラー」「サブマリーナー」「GMTマスター」「コスモグラフ デイトナ」など、現在でも続く人気ウォッチを展開。これらはここ数年で目覚ましい進化を果たしており、現在の技術に見合った最高峰の実用時計としての地位を改めて確立している。参照:腕時計の教科書
異常な高騰相場が値崩れする前にコレクションなどを処分
事の始まりは、1987 年に手巻きのデイトナが製造中止になったことにはじまる。
イタリアで空前のブームが起こり、それが世界中に波及し、品薄状態となり「デイトナ・バブル騒動」が起きたという。
翌年の 1988 年 12 月に「オイスター・パペチュアル・コスモグラフ・デイトナ」を市場に投入。
正式なシリーズ「コスモグラフ・デイトナ」となるのは、この時である。
デイトナ・バブルの真っ只中だったため、自動巻きのデイトナは、その影響を受け店頭に並ぶことはなかった。
日本ではバブル直前まで、あまり人気がなかったせいで、中古価格で約 300,000円前後で売られていたが、後の人気で、日本国内でも稀少で数も少なく、アッと言う間に高騰したという。
ご興味のある方は、前回紹介した記事「デイトナ狂騒曲~この高騰はいつまで続くのか」も併せてご一読願いたい。
新型コロナ流行後、昨今は相場が高騰し、私自身もコレクション整理と多数のブランドモデルの入手のため、多くのモデルを処分。
同モデルについても、次の方にお譲り致したいと考え、引き取って頂きたいと考えていて、今回ほどなく完了した次第である。
最近の腕時計市場の高騰は、若干異常で加熱気味なので、相場が崩れる恐れもあり、個人的にしばらく購入を控える事にして、推移を見守りたいと考えている。
抜群の二次市場での評価、数も少なく稀少性があり、驚異的な高騰を続ける
ロレックス コスモグラフ デイトナ 現在の相場はどうなっているのか。さっそく「オークファン 」で取引状況をチェックしていこう。
下記を見ていくと、EC では、約 4,780,000 円~ 5,350,000 円前後で取引が見られる。
また「Kakaku.com, Inc.」を見ていくと、2019年11月前後に価格が下降、2020年2月あたりに一度上昇、その後相場の調整が入っている。
世間はコロナ禍であり、各業者は大幅に価格を下げることが出来ず、若干相場が崩れて狼狽したことであろう。
今年は例年と違い、約半年間の間、価格維持の為、在庫調整を図り、中古市場で供給量を絞る事で、その後上昇局面を作っていった。
ということで、今年の夏頃から再び価格が上昇、その後、約 5,000,000円 のプライスゾーンで推移している。
同モデルについては、前回いくつかのコレクション整理を行い、その売却益で入手したモデルである。
今回のモデルについては、中古モデルであり、約一年近くの保有で、コロナ禍の中でも比較的価格が上昇し、売却益を得られたモデルでもある。
実のところ、今回のコロナ禍で、これほど上昇してくとは予想していなかったわけだが、現在の価格高騰は非常に早く、再び値崩れが予想されるので、安全を見越して売却を済ませた。
当初、約 200,000 円前後の故障したデイトナからスタートしたわけだが、長くブランドを見ている者からすると、もうじき「手の届かないラグジュアリーブランド」となると寂しい気持ちにもなる。
「ロレックス コスモグラフ デイトナ Ref.116509」は、ロレックス悲願の完全自社製クロノグラフ・ムーブを搭載したモデルである。
スポーツモデルとして絶大な人気を誇る投資効果の高いモデルを簡単にではあるが取り上げておきたい。
基本的なエンジニアリングは、多くの人が知るところであり、熟成を重ね、様々なブラッシュアップを行い、その完成度は高い。
同モデルは、豊富なバリエーションのなかで、2004年前後に新たに追加されたシリーズである「オールホワイトゴールド仕様」である。
ゴールドの質感は高くそれなりの重量もある。一般的なモデルと違い、素材が変わるだけで、その高級感は桁違いである。
よりラグジュアリー志向に向けられたモデルであるが、様々なシーンで活躍できる色合いを考えておく必要があるだろう。
個人的なところで言えば、ホワイトゴールド、スチール/ブラックの組み合わせが好きで、同モデルを取り上げている。
デイトナの金無垢のモデルの中で、最大の人気を誇り、ブランドの販売戦略上、スポーツラグジュアリーの方向性で作られ、様々な方法を用いて「売価を引き上げたい」というのがよくわかるモデルといえる。