折る刃式カッターナイフ/岡田良男:文房具としてお馴染みのカッターはオルファ創業者が発明
刃に折り目があり、先端を折る事で切れ味が復活するカッターナイフは、後にオルファを創業する岡田良男が1956年に発明した。当時岡田が勤務していた印刷所では、紙の裁断などで刃物を使う機会が多かった。そうした環境の中で、研ぎ直しの手間がいらない刃物として、板チョコをヒントに考案したのがこの折る刃式カッターナイフであった。現在でもオルファはカッターを専門に扱うメーカーであり、国内で使われるカッターの60%はオルファ製だと言われている。出典 –日本の最先端技術がよくわかる本
【オルファ】誕生秘話
オフィス用品として欠かせないカッターナイフは日本のオリジナル。創業者が昭和31年、ガラスの破片と板チョコからヒントを得て、刃先をポキポキ折ることで最後まで切れ味を持続させる方式を考案、世界初「折る刃式カッターナイフ」が誕生しました。現在、世界百ヶ国以上に輸出するまでになったほか、オルファの刃のサイズ、折れ線の角度が世界標準に。参照:【オルファ】誕生秘話

他の業界の慣習を応用して仕事を革新する
56年、岡田商会創業者・岡田良男氏は、昔の職人が、割ったガラスの破片でモノを切っていた事と進駐軍からもらった板チョコからインスピレーションを受け、進駐軍の板チョコみたいにポキッポキッと折れるカミソリの刃のアイデアを具現化するところからはじまる。
その方法を特許出願し、最初こそ評判は悪かったようだが、徐々に評判となり、人気商品として成長する。自分たちの仕事の問題や課題に新しい発明を以って解決に導く事は発明の王道パターンである。
着想は「切る」ということにフォーカスを当て、「効率を上げる」という方向性を基に、「研ぐ」という重労働の行為を「使い捨てて新しくする」事で革新に導く。単純かつシンプルな行動の中にある発明こそ、最も成功しやすく普及も早い。また誰でも使え安価であればさらにスピードは上がる。
中小・零細・個人の一番の悩みどころは、試作品の品質にはじまり、PR・マーケティングまでの道のりと販路の開拓が喫緊の課題となる。ただオルファの時代よりも、ネットにはじまるソーシャルメディアやクラウドファウンディングの発達によって驚異的な速さで、優れた発明品を知り作る事ができ、現在はかなり短縮が可能になるだろう。
そのような意味で言えば、最も必要とするのは、アイデアとその着眼点、どこに発明のフォーカスを向けるかという事である。今回の事例は、生活の糧を得ている自分の仕事からファーカスを行い、印刷屋という生業から脱皮、発明品の販売が本業となった秀逸な事例である。
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Reference:日本の最先端技術がよくわかる本