インフルエンサーとマイクロインフルエンサー
タイトルのとおりである。日本も少し暑くなってきたので、冷やし中華感覚で、少し前に流行ったインスタグラム (Instagram) という SNS をマターリ始めてみた。
実のところあまり興味のなかった SNS だったが、勤めている会社で、SNS チームに関わる事が多くなり、自身の研究目的で始めている。
つまり、前向きな理由ではなく、フォロー・フォロワーに関しては、あまり関心はなく、調査目的で「エンゲージメント率」を調べている。
エンゲージメント率とは、ファンからの信頼と熱量を示す指標である。フォロワーもしくは、予備軍 (いいね 後フォローする) が、どの程度「いいね」をくれるか、その割合を指す。
フォロワーをたくさん抱えるインフルエンサーほど「エンゲージメント率」は低くなる。つまり、コンセプトもなく、やみくもにフォロワーを増やしても、大して意味はないのである。
たまに、何万人もフォロワーを抱えるインフルエンサーを見かけるが、その数に対して「いいね」はあまり多いとは言えず、精鋭でもない士気の低い水膨れの兵力を見せられても、ブランド効果は薄いのである。
彼らは、厳密に言うと、マイクロインフルエンサーとは言えない。残念ながらブランド性は感じられず、一生懸命インスタグラムをやって先行者の特権を得た人という方が正確である。
水膨れの兵力を増やしたアカウントは、フォロワー数が増えれば増えるほど、ファン一人一人にかけられる時間は当然限られてしまう。
マイクロインフルエンサーは、その弱点を補うことがある程度可能である。
私にとってインスタグラムシステム上、投稿の見落としが少ないトップの人気投稿に掲載されやすく、いいねが分散しないので、マイクロ感覚で始めるのが研究としては丁度良い。
つまりこれは、多くのフォローを抱えている人も同様であり、個人的に実はあまり興味がない。
インスタグラムにおけるキービジュアルとトンマナ
一番の間違いは、相互でフォローして、フォロー・フォロワーを同時に増やしていく手法であろうが、これはエンゲージメントを高めることが出来ず、ブランド・ロイヤルティを落とす事となるだろう。
上記のデータからもみえてくるが、大切なのは、数をやみくもに増やすのではなく「ビジュアルイメージで何を伝えるのか」である。
インスタグラムでは「この写真はあのブランド」というトレードマークが重要であり、「キービジュアル」と「トンマナ」でブランドの世界観を作ることが求められている。
インスタ映えという言葉があるが、ブランドの一貫性がなければ、映えるビジュアルをブランド全体から連続して打ち出す事は不可能に近い。
つまり、やみくもに映える事ばかり追うと、節操のないページが出来上がってしまうであろう。
キービジュアルとは、自社のアカウントの世界観であり、トマンナとは画角や構図、色合いなどが挙げられる。
このあたりの感覚が分からない人には、数字だけを追いかけ、フォロー・フォロワーに多くの人間は目がいきがちである。
自身に大して価値のない人が、さも著名人的に、セルフプロデュースを試みているが、身の丈に合っておらず、あちこち齟齬が出てきているのが分かる。
また、ブランドコンセプトもないので、やみくもに日常を取り上げているが、それはすでに著名人であれば意味があるが、一般人の日常では残念ながら「キービジュアル」とはならない。
どの分野で何に絞るかこれが出来ていない人は、インスタグラムのプラットフォームに合っていないので、今すぐ他のプラットフォームで頑張って頂きたいと思う。
インフルエンサーになりたいのは分かるが、順序が逆であろうというのが私の見方である。
一見数字は目に見え分かりやすいが、ビジュアルにおける「見えないロイヤルティ」を全体で醸し出す方が、多くの人々に知られる事よりも重要である。アカウント全体でブランドを表現するのである。
特にビジュアルの SNS であるインスタグラムは、ゆっくりと時間を掛けながら、そのあたりのブランドの世界観、並びに、神話性を大事にしていきたいと思う。
参照:できる100の新法則 Instagram マーケティング 写真1枚で「欲しい」を引き出す技術