ロレックス:中古市場で抜群のリセールを誇るブランド戦略で高値で取引される高級ブランド
創業年=1905年/創業者=ハンス・ウィルスドルフ/創業地=イギリス/ロンドン:腕時計の将来性をいち早く見抜いていたハンス・ウィルスドルフにより、1905年に創業。精度はもちろん、要求される性能を満たすための腕時計開発を積極的に行い、1926年に世界初の完全防水ケース「オイスター」を完成させる。1950年代以降は、プロフェッショナル向けの製品も積極的に開発し、「エクスプローラー」「サブマリーナー」「GMTマスター」「コスモグラフ デイトナ」など、現在でも続く人気ウォッチを展開。参照:腕時計の教科書
ロレックス、多くの人が欲しがり、二の足を踏む高価格という高いハードル
先日、腕時計マニアからある相談を受けた。なんでも、その人は、どのブランドでも好きだが、資産価値のあるブランド、ロレックスのモデルで、本当に投資価値があるのかどうかという事である。
話によると、多くのブランド腕時計を収集していると、コレクションなどを整理して、再びその売却資金で、新しいコレクションを収集するとの事であるが、多くのラグジュアリーブランドは、その高額な価格の壁があり、収集するわけにもいかず、取っ掛かりとして、どのモデルが良いのか見当がつかないという事なのである。
過去、個人的にも多くのラグジュアリーブランドの腕時計を収集していた時期があったが、現在ではこうして多くのブランドを経験し、その経験を通じて、買取というフィルター(客観的な数字に基づく価値)を使い、ブランドの真の価値にフォーカスしてブログを書いている。
そんな中で、ロレックスとの出会いは、私にとって良いブランド経験が出来た最良の腕時計ブランドと言ってもよく、ブランド力、知名度、実用性、換金性において相当バランスが良かった。
実のところ、ラグジュアリーブランドは上手く投資すると、あまり損失もなくトータルで考えれば、プラスに働く場合が多く、損失が出るのは、購入者自身が、目利きが出来ず、ブランド価値を見誤っている場合が多いのである。
そこで今回は、過去ロレックスマニアであった私が、一通りのロレックス・ブランド経験をしてみて、個人的に投資してその効果が高かった 5 つのモデルを取り上げておきたい。
1. Rolex Cosmograph Daytona ロレックス デイトナ ローズゴールド Ref.116505
ロレックスを象徴するフラッグシップモデル、ロレックス コスモグラフデイトナである。これを外すわけにはいかない。
ロレックス悲願の完全自社製クロノグラフ・ムーブを搭載し、スポーツモデルとして絶大な人気があり、正規価格よりもプレミア価格で長く流通している。
すべてにおいてバランスが良く、クロノグラフ機能、ブランド力、ロレックスの高い人気とブランドの高騰要因を作った。投資効果抜群のモデルである。
同モデルは一般モデルの倍近くの価格で流通しており、やはり人気モデルである。オークファンを見ていくと、約 3,300,000円までが最高値である。同種モデルを市場などで安く仕入れ、オーバーホールをして転売する業者も多い。
経験として言えることは、買取に関しても、一般的な業者が判断することもできないこともあり、腕時計専門の富裕層向け店舗か、海外に広くマーケットを持っている販売業者に持ち込んだ方が良いだろう。
2. Rolex Deepsea Seadweller D-Blue ロレックス シードゥエラー ディープシー Ref.116660
飽和潜水に対応したプロ仕様ダイバーズ、シードゥエラー ディープシーである。長年ダイバーズモデルとして高い人気と価格を維持し、見た目も含めて非常にカッコいいモデルである。
極厚サファイアクリスタルとチタン合金のケースバッグを搭載、気密性を守るリングロックシステムを新採用し、3900 m 防水という驚異的な記録を達成している。
なので、非常に重量感と超絶機能を満載したモデルである。スペックからして非常に高く、正規価格では、当時約 1,240,000円程度であったが、現在では高騰している。
同モデルもやはり人気モデルである。オークファンを見ていくと、約 1,640,000円までが最高値である。一般的な美品モデルでも約 1,500,000円前後であり、若干であるがプレミア価格で流通している。
買取に関しても、同モデルで美品であれば、購入した価格とトントンといったところである。何年か楽しんだ後に、正規店でオーバーホールに入れて、買取査定額を引き上げてもらった方がいいだろう。
3. Rolex SUBMARINER ロレックス サブマリーナ コンビ (青サブ) Ref.16613LB
ブルーセラミックベゼルを採用し、09年にモデルチェンジしたコンビ・サブ:通称青サブである。ブルーの文字盤にファンが多く、非常に綺麗なモデルである。
18Kイエローゴールドとブルーセラミックのコンビネーションは、高いデザイン性を発揮しているが、その分素材コストが非常に高く作られている。
約 9 年前までは、あまり人気がなく、結構安く購入 (購入した当時は、並行で約 60 万円前後) することができたのだが、少し前より人気が出て、約 40 万円の正規価格アップとなった新型青サブの影響で、全体的に約 1,300,000円前後まで高騰したが、現在は一服している。
同モデルもやはり人気モデルである。オークファンを見ていくと、約 1,180,000円までが最高値付近である。プレミアがつき、円高の時期でも並行相場は上昇していった。
現在は若干価格が落ちて、購入しやすい環境であるが、最も安価に購入した人にとっては、少し売り時が過ぎたモデルともいえる。
4. Rolex SUBMARINER ロレックス サブマリーナ ビッグスイス ファット4 (グリーン・サブ) Ref.16610LV
生誕 50 周年となる 2003 年に発売されたグリーン・サブ。ブランド色の緑をベゼルに配した記念モデルである。個人的には、一番装着しやすく、ブランドカラーも好みで最も楽しんだモデルである。
型番の LV という記号は、フランス語で「ルネット・ベール=緑のベゼル」を意味する。最初に手に入れた時、約 600,000円前後であったが、稀少性が高いゆえに、その期待で価格が高騰したモデルである。
一般的なモデルとほぼ機能面で同じであるが、2010 年にモデルチェンジ。正規価格は、約 300,000円上昇し、円安もあり、その価格高騰は尋常ではないほど値上がりし、相場も約 2,000,000円近くにまで高騰した。
同モデルは異常な人気モデルである。オークファンを見ていくと、約 2,080,000円までが最高値付近である。現在では、約 1,500,000~1,800,000円前後で美品モデルが取引されている。
その価格は、約 2.5倍~3.0倍近くと、投資効果が高いモデルだったのだが、サブマリーナのモデルは全体的に使いやすく、どのモデルも素晴らしいが、特にグリーンはマニアであれば必ず保有しておいた方が良い。
5. Rolex GMT Master GMTマスター Ref.16700
同様の型番 Ref.16700でブラックのベゼルタイプよりも、上記のベゼルのカラーリングが好きで、ブラック文字盤、赤の24時間針、2トーンのベゼルが私の中ではGMTというのは外せない。
国際派ビジネスマン御用達のモデルで、昔叔父さんが高額なブラックのモデルを使用しており、その当時はうらやましいと思っていた。前回このブログでも取り上げたが、個人的には、こちらのヴィンテージモデルの方が今は好きである。
全体的に焼けて少し退色したら、すごくヴィンテージ感の出る味のあるモデルで、精悍さと若々しさを醸し出すことが可能である。
私が購入した時は、まだ人気が無かったので、中古で約 200,000円~程度で普通に売られていたが、人気となり高騰しており、現在では、GMTの方が高値となり、その価格は逆転している。
同モデルについても、新しいモデルよりも異常な人気モデルとなった。私のように、一時的に安価だったヴィンテージ感が出ているモデルの方が好きと言う人が多くなってきている。
オークファンを見ていくと、約 1,014,000円までが最高値付近である。現在では、約 900,000~1,000,000円前後で美品モデルが取引されている。
価格は約 5.0 倍近くと、比較的良い投資効果が得られたモデルだった。約 30 年経っても、価格が高騰し続けているモデルも珍しい。マニアであれば、ヴィンテージ旧式モデルをオススメしたい。
数年以上前までは、価格も安く実用性高いブランドであったが、現在ではバブルのように高騰
上記は、「旧オークデータ (2018.06.30終了) 」で、ロレックス 各種モデルによる 約 5 年間の平均落札額である。約 10 年前後では、あまり高騰しておらず、どちらかと言うと、実用的で価格に関しても、中古市場では、リーズナブルに購入できた。
比較的、良質な実用ブランドであるというブランド・イメージだったが、ここ何年かの高騰は、尋常ではない値上がりで、一気にラグジュアリーのイメージが定着した。
ヴィンテージモデルを中心に安価に購入していたが、ここ数年の異常な高騰で、少しずつであるが、買取査定を行い、売却していった次第である。
抜群の中古市場での評価、定番人気で稀少性高く、高騰に関して言うと、価格はすでに天井近くにまで到達しており、売却に適した環境といえ、転売する人にとっては、高い転売益が得られる優れたブランドであり、未だに高止まりの状態が続いている。
ロレックスの場合、新作よりも旧作の方が高騰しやすく、需要と供給の関係でプレミア化する場合が多く、それは主にスポーツ系の人気モデルの話で、高騰する以前は、新型が高く旧型は価格が下落していく一般的なブランドと変わらなかった。
現在は、高騰の真っただ中であるが、いつその高騰の波が消えるかもしれない。上記のデータで〇で囲ったところが、一時的に平均が大きく下落している時期があるが、このようにいつ相場が崩れ出すかのか誰にも分らない。
個人的には、少ない資金で、大きく利益を得る事が出来たが、現在購入している層は、明らかにバブル傾向のなかで、どのような気持ちで購入しているのか、実のところ分かりにくい。
そのような意味で言えば、ロレックスというブランド価値の凄さを改めて知ったわけであるが、現在の中古品が、当時の新品価格以上で売れるブランドも世界中探しても殆ど見られない。
それだけ、価格が上昇しているわけであるが、多くの人が血眼になり、発売すれば即完売するのも頷ける。
私たち購入するユーザーから見れば、稀少性もあり株式銘柄のように、年々中古価格が上昇していくブランドこそが、真に価値があるブランドとも言えるのである。