【シェアリングエコノミー】家具業界のレンタル参入とホームステージングによる住宅ブランド戦略とその未来についての考察

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家具業者の相次ぐレンタル参入と買取処分のニーズの高まり

 

【シェアリングエコノミー】家具業界のレンタル参入とホームステージングによる住宅ブランド戦略とその未来についての考察

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シェアリングエコノミーの浸透は、かなり進んできており、身近な話では、カーシェアリング や 自転車等のバイクシェア や 服を借りるメチャカリ や モノの置き場を提供するモノオク【前回記事参照】など。

後にそれらのサービスの中から販売したり購入したりと、多くの人が、他の人が使っていたモノを再利用することが多くなってきたことは、個人的にも良い循環だなと思う。

今回は、家財について考えていきたいと思うわけだが、家財付き住宅については、海外でも人気であり、主に世界の主要都市部の家賃が高騰している場所で、通常の家賃よりも割高で、提供されている案件にも関わらず、借り手が付きやすく、人気物件となっているケースもみられる。

ドイツにある「Nestpick」が、世界の主要都市の物件の情報を掲載しているわけだが、そのなかで「Furnished Apartment Index」指標は個人的にも参考にしている。日本においても今後、家財付き住宅 や オフィスのニーズは高まっていくであろう。

 

【シェアリングエコノミー】家具業界のレンタル参入とホームステージングによる住宅ブランド戦略とその未来についての考察
Reference:Furnished apartments rent index 2017 | Nestpick

 

現在の家財を処分して、シェアリングエコノミーの企業により、レンタルサービスが提供され、時期が来たら、また新しい家財に取り換える。取り換えられた製品は、リビルドして再利用または中古販売される。

家財のすべてをシェアできる企業が登場し、家財は「持つモノではなく借りるモノ」と社会の認識が変われば、大きな社会的変化が生まれる。

現在日本では、遺品整理断捨離減築により、家財の買取処分のニーズが高まるのはある意味当然である。

また少子高齢化と人口減少により、オフィスの閉鎖 や 大量の空き家問題 が発生することが予想されるわけだが、それから考えられるのは、大量に処分される家財などである。

今後業者が取る戦略のひとつは、オフィスの終焉と再生におけるサービスの提供、住宅では、遺品整理 や 空き家物件のソリューションサービスが、成長する可能性が高い。

日本国内のみならず、日本式ソリューションサービスを広く海外への進出も視野に入れて設計することが重要である。

入口はすでに開かれ、買取やレンタルなど、シェアリングエコノミーを求め、大量に顧客が押し寄せることになるが、出口戦略として、資金を回収し、利益を得る方法も企業は考える必要もあり、上記のように海外への輸出戦略も立てた方が良いだろう。

ユーズド・イン・ジャパンは、世界でも質が高いと認識され、ある程度のブランド力がある。また、故障や破損品をそのまま転売するのではなく、リビルドした「質の高い修理品」も合わせて販売することで、さらに他国企業との競争力を高める必要もある。

そこで今回は、オフィス家具を販売している業者が、新しい成長セクターであるレンタル事業へ参入する事例と、住宅業界で成長する可能性のあるホームステージングの手法とその未来について取り上げておきたい。

 

続々と企業が参入してくる 中古家具販売 と 定額レンタル

 

【シェアリングエコノミー】家具業界のレンタル参入とホームステージングによる住宅ブランド戦略とその未来についての考察
参照:新品オフィス家具レンタル Kaggレンタル

 

オフィス家具を取り扱う通販サイト「Kagg.jp」は、去年の8月から家具のレンタル事業を試験的に開始している。月額 990円 (税抜)、送料無料で新品のチェアがレンタルできる。

当初、東京23区内に限定し、1 都 3 県限定 ( 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県 ) にエリアを拡大している。レンタルを 2 年間継続した商品は、そのまま無償で譲渡され、期間中の買取りも可能という。

なかなか面白い取り組みであり、オフィスでは多くの場合、チェアが壊れやすく、取り換えることが多い需要にマッチしたサービスである。

個人的に言えば、今座って書いているチェアのひじ掛けが、両方とも破損しており、折れ曲がってしまっている。

チェアを交換したいが、まず自分にとって、どのチェアが良いのか判断できず、またチェアへの投資は、毎日毎日、何年も使用することから、結構慎重になる。

また、座る機能は失われていないから、交換せずに何年も使用している。ひとつこのようなサービスを行う事業者の人々に、取り入れてもらいたいのが、何度でも試しで使える点を上げておきたい。

人間の身体は人それぞれ違うことから、なかなか自分にフィットするチェアが分からず、服や靴のように試着をなかなかできないものである。

たくさん送られてくるチェアの中から、最適なチェアを選べるサービスがあれば、重宝するのだがと個人的には考えてしまう。

例えば、ロコンドなどをたまにお願い (彼女が使用) するが、自宅で試着、気軽に返品は、うまいサービスである。私は知らないだけかもしれないが、家具業界で、このようなサービスを提供する企業をみたことがない。

 

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参照:月額500円から始めるオフィス家具 | subsclife (サブスクライフ)

 

家具のサブスクリプションサービス「subsclife(サブスクライフ)」の運営している同社は、月額500円から始めるオフィス家具レンタル事業に参入している。

同社の動きは、去年の5月頃に一般向けに家具の定額レンタルをはじめ、7月末頃にオフィス家具レンタルにも参入している。

「レンタル、リース、購入」 のデメリットを潰し、いいとこどりを実現している。いちばんいいのは、開業における初期導入コストを大幅に削減している点である。

取り扱う家具は、41ブランド 38,000種と謳っていることから、おそらくメーカー機能を有していると推測される。

矢継ぎ早に、様々なサービス設計 並びに 企業との提携を結び、第三者割当増資を行い、資本調達をしていることから、強みを活かした経営がなされていると読め、上場も視野に入れていると読める。

家具の製造などは多くの場合、中国や東南アジアに、自社工場を持つ場合が多く、OEM企業が大手を支えている。

入口のサービスだけを持つ事業者と違い、製造から販売レンタル、回収、リビルド、再販売、再利用まで一貫して出来る事は大きな武器であろう。

ごみ問題も考えず、目先の売上や利益だけを追求する「作りっぱなし売りっぱなし」の企業が多いなかで、成長が楽しみな企業のひとつである。

 

住宅ブランド戦略を加速させるホームステージング手法とその未来

 

【シェアリングエコノミー】家具業界のレンタル参入とホームステージングによる住宅ブランド戦略とその未来についての考察

 

日本でも近年、リフォームリノベーション業界において、専門業者の台頭により、比較的手法を導入している物件もあるが、耳慣れない手法と言う方もいるだろう。

ホームステージングは、在宅物件の場合は、ちょっとした模様替えを行ったり、中古物件の場合は、リフォームやリノベーションを行い、それら居住空間を洒落た家財道具などで演出し、顧客である借り手 や 購入予定者に向け、演出された部屋の内覧会やその他販促活動を通じて、住むイメージを持ってもらう手法である。

これを行う事によって、借り手が決まりやすくなったり、購入する人が殺到したりするケースもある。個人的に言うと、似たような手法で、新築住宅を何棟か売ったことがある。

約 15 年以上前、住宅の営業マン時代に、ある地方で、最新で洒落た家具付き新古物件として、アピールを行い客が殺到して、抽選を行った物件もある。

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私は、内覧展示用の新築物件を扱うことが多く、多くは新築の時期が過ぎ、売れ残りの新築物件が出た場合、ホームステージング手法により、新たな顧客を開拓したりしていた。

自身で、インテリアデザイナーを雇うことはもちろん、家具の選定から、ベッド、ソファ、ダイニングセット、寝具、家電、照明器具などをセッティングして、家財を持たなくても、気軽に新築後の生活をすぐに始めることができるようにした。

オシャレな家具付き新築物件を周りの案件よりも、大幅に安価  (何千万もする案件では、少し安価にするだけでも、かなりの金額になる) に提供することを心がけ、圧倒的に早く売る事ができた。

また住宅は、建築家などが入ったオシャレな案件なのではとよく聞かれるわけだが、田舎にあるどこにでもある建売屋である。外装や間取りは一般的な建売である。

ただその中に、家具や家電を入れて洒落たコーディネートを行い、家財代を含めた住宅価格が、家財無し新築住宅価格よりも安いというのがポイントである。

 

【シェアリングエコノミー】家具業界のレンタル参入とホームステージングによる住宅ブランド戦略とその未来についての考察

 

ちなみに、展示会用の家財を流用しているので、展示会用の家財は、未使用に近いが中古品である。中古家具は新品家具に比べて圧倒的に安い。

また、売れ残り案件であるから、新築と言えども新古品と言え、ある程度の割引を行うことは可能であり、大きく割引かれた物件に、家財という付加価値をつけて売り出したわけだ。

かなり昔に行ったことなので、厳密にホームステージング手法かと言われれば、違うかもしれない。ただ、入居者の人々は、初期の生活コストが軽くなり、年々ローンの負担が少なくなることに大きなメリットを感じ、快適に生活していると当時の上司から聞いている。

この手法は、まだまだ開拓する余地が残っており、例えば、ある住宅業者や不動産業者として考えてみよう。

上記のような家具レンタル業者と組み、賃貸物件に、家財のすべてをコーディネートしてレンタルとして提供し、家賃に上乗せして、月額費用を取り、一定の期間が来たら、新品に取り換えや修理保証なども行うことができるようにすればいい。

回収した家財は、リビルドすることで、何度も使用でき、レンタルや中古品として販売することも可能である。

ただし、それらの家財は最新の家電、最新の一流のブランド品などを取り揃えるオプションは用意するべきである。

また、物件の場所や間取りも重要で、都心部の超高級物件に、すべての家財並びに、生活の様々な問題 (家事・育児・医療・健康・服飾など) の解決を支援するコンシェルジュサービス付きの案件をパッケージとして、新興富裕層やリタイヤした裕福な老年層に売り出す。

今後、少子高齢化人口減少により、住宅は大量に余ってくることから、不動産価値を引き上げる手法は、もはや立地や間取り、リフォームやリノベーション、パッケージで家財を売るだけでは、難しくなるであろう。

私たちはもはや最低限のモノだけで生活できる仕組みが整いつつある。近い将来、今持っている家財はすべて処分され、レンタル品となる日も近いのかもしれない。

将来様々に起こりうる問題を認識し、それらすべてを解決できるサービスを提供できる企業が、これからは生き残っていくと考えられる。

参照1週間で8割捨てる技術

内容(「BOOK」データベースより)
「プライムゾーン」とは特にモノを溜め込んでいる場所のこと。ここから片づけはじめればどんな人でも1週間で8割減らすことができます ! 人気ブログ「筆子ジャーナル」初の書籍化 ! カナダ在住ミニマリストが語る、モノの減らし方30年の知恵。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
筆子:カナダ在住、五十路主婦ミニマリスト。ブログ「筆子ジャーナル」主宰。1959年生まれ、愛知県出身。日本での社会人経験を経て、1996年単身カナダへ。現在は、一つ年下の夫、高校生の娘との3人暮らし。2015年2月、ブログ「筆子ジャーナル」を開設。『1週間で8割捨てる技術』が初の著書

■ Reference Image :Pixabay



About PG編集:道長

食べる事と寝る事に一生懸命な旅人。 世界は感染症や戦争で混沌としておりますが、平和になったら平和な国を旅をしたいと準備しております。 先代の管理者様より、サイト管理・記事制作を委任しております。 ※現在は写真提供をして頂いております。

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