BVLGARI:一大時計グループを構築するイタリアの巨星ブランド
創業年=1884年/創業者=ソティリオ・ブルガリ /創業地=イタリア/ローマ:イタリアン高級ジュエラーとして世界に名を馳せるブルガリ。その歴史は、1884年に銀細工師だったソティリオ・ブルガリが、ローマに宝飾店を開いた事から始まった。腕時計界への本格進出は1975年発表の「ブルガリ・ブルガリ」から。この時計は、第一弾コレクションながら現在もフラッグシップとして君臨している。2000年代に入ってからは、ハイエンドなコンプリ製造に長けたジェラルド・ジェンタとダニエル・ロートを傘下を収め、時計製造における垂直統合を本格始動。創業130周年にあたる14年には、世界最薄の手巻きトゥールビヨンを搭載した「ブルガリオクト フィニッシモ トゥールビヨン」を初めとして、基幹コレクション「ブルガリ オクト」のバリエーションが広がり、さらなる躍進をみせている。参照:腕時計の教科書
比較的近年に時計分野に参入するも宝飾時計が活況に取引されている
元は高級宝飾店として開業したが、1977年から腕時計の製造も始めた。2000年代以降は、香水やメガネフレーム、レザーアイテム(ハンドバッグや財布)なども取り扱っており、リゾート・ホテルの経営にも乗り出している。宝飾品、時計、バッグなどにみられるヘビの頭部をあしらった意匠などがブランドアイコンとされる。参照:wiki-ブルガリ
時計分野における進出は、1970年後半からという比較的近年の参入である。元は宝石ブランドの宝飾時計の趣が強く、2000年に入ってからコンプリ製造技術系企業を傘下に治めた事からここ最近飛躍的に良くなっているブランド。
最近投入され新作発表された「ブルガリオクト フィニッシモ トゥールビヨン」は、1.95mのムーブという驚異的な極薄構造であり、精密で緻密なフライング・トゥールビヨン機構を組み込み、新設計・世界最薄トゥールビヨンムーブを搭載し市場に投入してきた。
受注生産で、価格は約 1533万6000円というから価格も超高額で、もはや低価格の住宅が買えてしまう。では、さっそく価格を見ていこう。過去3年間で取引された高額なモデルの取引金額の一部である。
中古市場でも、比較的評価を受けているようである。といってもここまで超高級ブランドであれば、それは誤差に過ぎないがリセールは可もなく不可もなくといったところ。
Reference:BVLGARI Official Luxury Brand Site / Pintarest user page:Bulgari-Roma-Finissimo-Tourbillon-40th-Anniversary-Watch
全体的に程度の良い状態のモノ、約100万円代キープしているものは、金や特殊金属などを使ったモデルなどが取引されているようである。
ブランドにおける所有感、優越感などは、時計自体が好きというユーザーからはあまり感じられず、どちらかと言うと宝飾を買っている感覚に近く、ブルガリに関して言うと宝飾のイメージが比較的先行し数字が作られているように見える。
多くの時計ブランドがあって、個人的に好きな方であるが、如何せん新品価格は高額でブランド戦略上致し方ないが、あえて高額を選ぶのなら、ブルガリがよく分かるロゴが前面に打ち出したデザインのモデルであろう。
宝飾をふんだんに使われているモデルを選びたいものであるが、宝飾自体の価値が分かってしまった昨今、豪華な宝飾系時計は、宝飾好きの方に選んで頂き、本来の時計の素性の良さで最終的には選ぶことだろう。
そういう意味でリセールを狙う場合、特別モデル以外は、リセールバリューはあまり高くはない。
【BVLGARI】ブルガリ アショーマ AA48C13GLD 18YG 134万
ブルガリ ディアゴノ カリブロ 303 SS ブレスモデル
比較的シンプルなモデルでブルガリと分かる意匠デザインのモノが好みである。やはり約50~60万円までの程度の良いモノ、値頃感が出てくる。
上記で言えば、約134万円の新品モデルが、約64万円程度で取引され、正味の価格に近いづいてきているし、下記のモデルは約123万円であるが、約59万円で取引されている。
メンテナンス費用が嵩む高級ブランド時計は、その高額さゆえ、一度人の手に渡ったモデルであっても、何度でも楽しめる事のできる優れたツールである。
しっかりと丁寧に使えば、非常に良い買い物であるし、比較的値段が付いているので、また売却してもいくらかの売却資金は得られる。ブルガリについて言えばセカンドモデルとして保有したいブランドである。
ブランドイメージが今後どうなるか分かりにくい複雑なイタリアの巨星
Reference:BVLGARI Official Luxury Brand Site / Pintarest user page:Bulgari AAP31BGD1G Women’s Assioma D White Diamond (0.79 ctw) Black Dial 18k Solid Rose G
11年3月に創業家とLVMHとの株式交換が行われ、会社がLVMH傘下に入ると同時に、ブルガリ創業家がLVMHの株式の一部を保有する形となった。翌2012年2月をもって、創業家以外で初のCEOに就任している。LVMHグループ入りの際には、LVMHによる買収ではなく株式交換の形をとっており、LVMHのブルガリ株式保有分をブルガリ家が株式交換で入手したLVMH株と交換することを申し入れることができるという条項が付けられている。参照:wiki-ブルガリ
この対等合併のような買収は、ブランドのシナジー効果を狙った買収と言われ、ブルガリ保有分 1億5250万株 と LVMHの1650万株を交換する形で行われたようである。
買収額は、約37億ユーロ、日本円で当時約4200億円の買収額である。これだけ巨額な買収が行われていた背景とはもちろんブランドのシナジー効果を狙った経営戦略上の動きであろう。
お互いの弱点分野を補強し、全方位でシェアを獲得する動きは一定の理解はできるが、このあたりで取り上げて頂いている記事は気になるところである。
参照:粉飾決算脱税と倒産/ブルガリ脱税80億円 ヴィトン買収の年/13年1月4日
にあるように課税逃れの買収であれば、ブランドイメージが傷つく事が予想されるが、現在のところ目立った動きが報じられていない。
ただ、このような嫌疑を掛けられた場合、私たちブランド保有ユーザーから考えると、良いブランド品を手に入れたとは思わなくなるだろうし、中古市場でも影響が出てくる事だろう。
仮に出てこなかったとしても、イメージを取り戻すのは容易な事ではない。そのような意味でも言えば、嫌疑が晴れない限り、積極的に触手が伸びることはないだろう。