フロー及びストック型をバランスよく公開することが運営するひとつの秘訣
今回は、記事の方向性について「どのような種類の記事を扱えばいいのか」という人の相談を受けたので、ブログを運営する前に、どのようなブログを書こうかを考えてきた時の具体的な考え方を少し記しておこうと思う。
ブログの記事形態には、主に二つの種類がある。フロー型とストック型である。
フロー型記事とは、代表的な例として、旬の情報とか様々な話題の情報、流行・トレンド、芸能、新聞やテレビで扱われる時事などである。
ストック型記事とは、長期にわたって必要とされ、普遍的なノウハウなどの記事を意味する。ハウツーやライフハック情報などがこれにあたる。
両方において一長一短であるが、蓄積型メディアであるブログでは、フロー型の記事に比べ、ストック型記事の方が、検索エンジンとの相性が良いのである。
結局どちらがいいのかと言うと、どちらの形態が良い悪いといわけではないが、二つの種類を上手く使い分け、バランスよく使うことが最もメリットが得られやすい。
ブログを運営する場合、注意が必要なのは、どちからに偏ることである。
個人的にこのブログに関しては、フロー型記事を先行させて、記事数を揃え、その後ストック型の記事を積み上げて、徐々に安定させてから、またフロー型を先行して、時期が来たらストック型記事を積み上げていくという流れである。
現在では、アクセスが安定してきたので、フロー型記事を抑え、主にリライトなどを中心に、ストック型記事の比率を上げている最中である。
ブログでは、一方に固辞して、その「型」ばかりに頼る事は避けた方が良いだろう。
なぜなら、考え方に偏りが出て、運営者自身が行き詰まった場合、逃げ場がなくなり、飽きられ放置され、ついには墓場のようなブログに陥りやすいからである。
別に、運営者の自由なので、運営を放棄して逃げても良いのだが、運営を放棄したとしても、上記の種類がどちらの比率が高いかで、資産となるのか、ただの廃棄物となるのか大きな違いが出てくる。
長期的にブログが放置された場合にハッキリと分かってくるのである。
そこで今回は、廃棄物になりやすいフロー型の記事を資産に変えるストック特化型ブログに変える 3 つの方法を取り上げていきたい。
1. 流行や時事などフローをカテゴリーでまとめハウツー・コンテンツとする
新聞やテレビで取り上げられるニュースなどフロー型記事は、話題性やブームがすぎれば、まったくアクセスされなくなるのがこのフロー型の最大の弱点であるが、更新しなければ死んでしまうサメのようなブログで、時事などを扱う場合、そのカテゴリーをうまく利用する。
例えば政治などのニュースであれば、時系列で政治家やその周辺 (政党など) 歴史が理解できてくる。それに応じた特定の政治家の発言や活動などをまとめることができるであろう。
例えるなら、フローなニュースをコンテンツとして、ストック資産として記事 (主に書籍) としているのが、池上彰 氏の手法である。
フローになりやすい時事ニュースを分かりやすくまとめて、ハウツーとして番組を主導しているが、フリーになる前は、記者として取材したフロー記事の内容をまとめた書籍の出版や子供などの質問者に答える「ニュースに詳しい物知りなおじさん」であった。
上記の政治系フロー記事は、まとめていくと、その中で自分自身の考えや方策、選挙に行く際の選び方などハウツー・コンテンツをつくることができるようになる。
フロー型は、その大量の記事をアーカイブ化することで、特集記事などの特化型メディアをつくる土壌が出来上がるのである。
2. 時期を経て、時代に応じ大幅なリライトを行いストックの比率を上げる
フロー型の大量の記事をアーカイブ化することで、特集記事などのカテゴリー特化型メディアを作り続けていくと、刻一刻と時代は変わり、伝えた内容やノウハウに変化が現れる。
その場合に、時事を見ながらアクセスが得られそうなものより順番に、時代に応じた大幅な加筆や修正を行い、記事の質をより硬質なストック型に変化させていく。
フローを扱いながら、ストックの比率を徐々に上げていくのである。個人的に言うと、執筆中の現在この方法を実践中である。
そうなると、アクセスが安定的となり、安定+瞬間的な大量アクセス記事の両面を扱う土台が出来上がってくる。
これらをおおむね網羅してくと、専門としたい分野が、さらに見えてくる人には、最後の手法による自分自身を武器にする、その道の専門家となる土壌が生まれてくる。
3. 上記の内容にさらにノウハウを追加、専門特化した自分メディアをつくる
上記の内容がおおむね網羅したら、本質的に追及しているものはなにかが見えてくるはずである。なぜ、私はこの分野を一生懸命取り上げているのだろうかと、賢明な人であれば、その本質が見えてくるはずである。
まとめた内容に、自分自身が経験し、獲得した本質的なノウハウを追加して、専門特化した自分メディアにスピンアウトさせても良いだろう。
著名人の例で言えば、専門カテゴリーでの芸能を通じた生きがいや趣味趣向などを通し、その内容をまとめた書籍を出版するようなものである。
そこでは、その著名人から見た仕事の流儀や趣味趣向への向き合い方や考え方の本質などが語られるのであるが、専門カテゴリーに特化したストック型を築いた後に得られる専門家による自分型メディアなのである。
こうなると、専門カテゴリーの分野を通じ、記事執筆など活動すべてがノウハウ的なストックとなり、またフロー的な活動に見えていたものをすべてノウハウを入れてストックとし記事化、時代を経ても、ある程度資産としての寿命が長くなってくるのである。
ここまで到達した場合、少々メディアを放置しても、安定的なアクセスを得られ、不動産のような資産を得られるようになる。
資産となるブログを付加価値の高い不動産として考えてみる
個人的には、ブログの運営自体を不動産業と考えることが多く、どのようなビルディングや家づくりをしようかと考えて運営をしている。
私自身、建築の学問を修めた建築士なので、そういう発想から捉えているだけなのだが、分かりやすいのでそうしている。
このブログに関しては、高級ブティックが多く入った「ラグジュアリー リテーラー ビルディング」という基本コンセプトを持って、ブログを運営している。
運営イメージは、上記写真のイメージで取り上げているが、DFSグループ のような「ギャラリアのような商業複合施設」を最初にイメージしたのである。
ただそれだけでは、普通の商業ビルや雑誌メディア・EC となんら変わらないので、自分自身のレビューを通じて、流行や新品ばかり追うのではなく、古くなってもリユースされ、時代を経ても価値のあるラグジュアリーブランドを扱っている。
フロー型記事となりやすいファッション分野をストック型記事として、ハウツーコンテンツを作りながら、自分自身の視点や考察、ノウハウや関心のある分野の書評などもオリジナル要素を入れて運営している。
ビルディングの運営をブログにおきかえ以下のように考えている。
新規記事の執筆 (新規出店や新商品の販売)、既存記事のリライト (商品のテコ入れ・再販売・売り方の見直し)、その他サイトでの付合いや出稿 (広告・宣伝・PR・ロビー活動)、ブログ運営手法や考え方の整理 (ビルディングのポリシーやコンセプト、ブランドの扱い方) など魅力を上げるための商業施設として捉え、不動産運営に置き換えてブログ運営を考えている。
あなたが専門とし、仕事をしていた分野の内容や趣味など、自分が追及したい好きな分野の内容に置き換え、それに応じたコンセプトのお店や家を作り、ストック型の情報の質を高めていけばよい。
そうするとあなた自身の専門を通じた、魅力的なメディアとなり、資産価値の高い特化型メディアとして変貌していくのである。