【ラグジュアリー戦略】マーケティング逆張りの法則:初めて買う人のために、芸術へ接近するように努めること
従来型マーケティングでは、普通のブランドは懇願して情緒的な関係性を創る。そのために、できるだけ人気のある、少なくとも狙った観衆が心地よく味わえるような音楽を宣伝によく使う。
普通のブランドは人々の嗜好を後追いする。ラグジュアリーブランドは、芸術のように趣味を奨励するものである。
営利だけを追求する企業は芸術を遠ざけラグジュアリーは芸術に接近していく
本来芸術に惜しみもなく投資し続けることは、一般的な企業であれば、無駄な行為として投資の対象すら選ばれることはない。営利を追求する企業では芸術ほど程遠いものはない。
また一般的な企業で業績の調子が悪くなると、真っ先に切られるのが投資している団体やスポーツ競技などのスポンサー契約関連であろう。
ラグジュアリーは、芸術と関係が深い。従者ではなく創造的で大胆である。ラグジュアリーは、これから世に出るような、大衆にアピールしそうな、現在人気はないが将来人気の出そうな芸術というよりむしろ、普通の人には知られていない古典的だが時代を経ても革新的な芸術と近しい存在でいることが最善である。
古来価値があったもの多くの日本人が価値を見出さなくなったものを後援する
ルイヴィトンは、長いこと現代音楽のコンサートを後援している。同じように先駆けてカルティエに続き、大きなラグジュアリーグループすべてで、現代芸術財団が隆盛を極めている。
このように、勃興しつつある風潮の後援者になって、彼らの目的に適うような共生する関係性を築いているという。芸術に投資をするという事、また日本であれば独特なアプローチを図る事ができる。
例えば、多くの日本人がそこまでのお金を払っても価値を感じない伝統工芸品のような一種の芸術・美術品への投資やその職人などの後援や育成にも尽力することも良い事である。
ラグジュアリーブランドを構築したいのであれば、美術館・ビエンナーレや現代美術展・伝統工芸の見本市などに積極的に足を向け、状況に応じて後援やスポンサーに名乗り出ることが重要なのである。
参照:ラグジュアリー戦略―真のラグジュアリーブランドをいかに構築しマネジメントするか