【ラグジュアリー戦略】マーケティング逆張りの法則:障害を与え稀少性を引き上げ顧客がなかなか買えないようにする
ラグジュアリーブランドは名声をいかに確立しているかが重要である。この法則は、名声の上にさらに稀少性を与え、障害を与える事で欲望を喚起させる手法である。
ラグジュアリーブランドでは、時間という要素が備え付けになってはじめて真価を発揮するという。
手に入れるまでのプロセスは、少し障害を与えるというさじ加減をいかにコントロールするかが、成否を決める。
従来型のマーケティングでは、セルフサービス方式や自動精算システム、ネット、コールセンターといろいろな提供サービスで、製品が迅速に手に入る為のあらゆる手を尽くさなければならない。
しかし、ラグジュアリーブランドは、欲望を張り詰めさせ、持続させるための必要な障害物を設置するさじ加減を知る必要があり、買えないようにすることが条件なのである。
ラグジュアリーに必要な 4 つの障害
一連の障害物を乗り越え通った後には、ラグジュアリーを心底から享楽させる必要がある。つまり顧客側が障害がある事を当たり前と考え、一種楽しんでもらえるまでに、プロセスを落とし込む事が重要である。
ラグジュアリーで最も重要な障害は、金銭的な障害である。要は高額である事はもちろんであるが、②に教養(ブランドを買うからには、楽しみ方・消費の仕方を知っておかなければならない) ③に入手経路(それを売っている店や流通経路を知る)、④に時間(手に入れるまで何年か要するなど)といった障害である。
そうしてラグジュアリーは稀少性を提供することを実践する事に長けている必要があり、これが出来ない限り、ラグジュアリーには程遠くなってしまう。
稀少性を提供するためにあらゆる手を尽くすこと
売上が急成長している際に、一時的に商品の入手が困難になるが、この本当のモノ不足を解消した後の状況を見れば分かる。
その解消したメーカーなりブランドが、ラグジュアリーというカテゴリーの扱いを受けているかどうかといえば、そういった事にはなっていないことが多い。
一時的なモノ不足では、欲望もすぐに薄れてしまい、ラグジュアリー感は持続しない。
ラグジュアリーは、常に稀少性をいかに作り上げるかを考えておく必要がある。さほど精巧なモノでないにしろ、欲望を喚起させるようにいかに仕掛けるかを考えておく事が、ラグジュアリーの鍵である。
単純なものでさえ、欲しいと思っても、なかなか手に入らないモノは欲しさがますます募るように、時間というのがラグジュアリーでは重要なファクターになるのである。
従来型のマーケティング導入したとしても、いくつかの障害が設置されていることが、ラグジュアリーブランドの共通項になっている。これは今も昔も変わらない普遍的法則である。
参照:ラグジュアリー戦略―真のラグジュアリーブランドをいかに構築しマネジメントするか