Photograph reference:LVMH/LVMH Annual Report
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【LVMH】モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン五つの事業セクター
LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン 仏: LVMH Moët Hennessy ‐ Louis Vuitton S.A.は、フランスを本拠地とするコングロマリットである。1987年に、ルイ・ヴィトンとモエ・ヘネシー(モエ・エ・シャンドン、コニャック「ヘネシー」を販売)の両社が合併して誕生した。現在はフランスやイタリア、スペインなどのヨーロッパを中心に60近くの高級ブランドを持つほか、免税店のDFSグループなどを傘下に収めている。 配下の企業の販売品は、ヨーロッパ内生産のほかにアジアへの外注を行っている。米国内で16%のシャンペーンをシェアしている。参照:LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン
1. ワインスピリッツ
ワインスピリッツ事業セクターのアルコール類等は、シャンパンとコニャックの二つの事業から成立。シャンパン事業は、モエ・エ・シャンドン、ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン、クリュッグ、ポメリーなどの企業群が束ねられている。
シャンパンの代名詞、ドンペリは、モエ・エ・シャンドン製である。コニャック事業は、ヘネシーを中心に世界市場占有率は 3割以上。2001年のデータでもシャンパンとコニャックの二つの事業を合わせても、22.32億ユーロの売上となる。まさに安定的な売上と事業の柱である。
2. ファッション・レザーグッズ
ファッション・レザーグッズ事業セクターは、LVを中心に、ロエベ、セリーヌ、クリスチャン・ディオール、ジバンシィ、ケンゾー、クリスチャン・ラクロワなど、大小様々なブランドが束ねられ、LVはグループ内における最大の売上高を誇るスターブランドである。独自にオートクチュール、プレタポルテ、アクセサリー、バッグなどを製造して、顧客の高い支持を集めている。フェンディ、エミリオ・プッチ、ダナ・キャラン、マーク・ジェイコブス、トーマス・ピンク、ステファノ・ビーなど脇を固める衛星ブランドの買収。LVを事業の柱にその他ブランドが生きる大きなツリーのような事業セクター。
3. フレグランス・コスメティックス
フレグランス・コスメティックス事業セクターは、パルファン・クリスチャン・ディオール、ゲラン、パルファム・ジバンシィ、ケンゾー・パルファムから構成。最近では自社系と自社系以外と分けているようだが、主要ブランドを束ねている。グループはさらに積極的な買収を推進。過去に、ベネフィットコスメティックス、ハードキャンディ、ブリス、メイクアップフォーエバー、アーバン・ディケイ、フレッシュといった比較的流行に乗ったブランドを傘下に収め、買収後、再編したり売却したりと比較的入れ替わりの激しい事業セクター。従来の顧客層の拡大とノウハウ取得、ポートフォリオの安定化を図ったと思われる動きのあるセクター。
4. ウォッチ・ジュエリー
従来から、ファッションブランドに力点を置いてきたLVMHは、手薄だった宝飾・時計分野を買収により拡大戦略をとっている成長中のセクターである。タグ・ホイヤー、エベル、ゼニス、ウブロなどの高級ウォッチを加え、老舗ジュエリーブランド、フレッド、ショーメ、オマスなどを擁している。この事業セクターは充実させたいようである。世界のダイアを支配してきた、デビアスとの合弁、LV・ウォッチの登場。最近では、ブルガリを創業家との株式交換によりグループに編入。株を手放す事によりグループ離脱も可能としている事から、買収戦略の途中と見られる。現在動きのある事業セクターである。
5. セレクティブ・リテーリング
世界最大のDFSグループ、世界最初のデパートとして名高いボン・マルシェなどを傘下に有しており、セフォラは欧米で大成功を収めている香水・化粧品流通チェーン。
歴史あるデパートであるサマリテーヌを買収、さらにマイアミ・クルイセリン・サービシズを傘下に収めている。特選小売の販売部門の要であり、製造する部門があれば製造した物を売る分野を抱えるのが、LVMHの大きな特徴である。多くの単一の高級ブランドやブランド複合体企業の弱い分野であり、直営店と併用で捌けるのは大きな利点である。
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ルイ・ヴィトンは、フランスのマルティエである。ルイ・ヴィトン(1821年8月4日 – 1892年2月28日)が創始したファッションブランド。LVMHグループの中核ブランドである。LVが評価されるようになったのは、創始者であるルイが亡くなった後のことである。ヴィトン社はまず「グリ・トリアノン・キャンバス」というトランク工場として創始された。このトランクは灰色のキャンバス地で覆われており、とても軽量なものであった。 1854年、ルイはエミリーと結婚、同年、世界初となる旅行用鞄の専門店をパリに創業。参照:LOUIS VUITTON ルイ・ヴィトン
ブランド帝国の素顔―LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン:7つの考察
多くのブランドは、マーケティングテクニックと流通・メディアなどで説明が出来、約100年から200年以上の歴史や伝統があるわけでなく、流行と新しさを売りにする事で、セールスで押す事が多く散見される。
この場合、二次市場で大きく躓く場合が多く、高価格の割に、転売利ざやは安く、マーケティングテクニックに頼った見せかけの高級ブランドというのが分かってくる。真のブランド力とは何か。
ブランドを購入する際、私たちはどのブランドに投資すればいいのか、皆目検討がつかない場合も多く、もしブランドを選ばないといけない場合、どのようなアプローチから選び購入すればいいのか。そのような視点で以下の内容を取り上げている。
多くの高級ブランドは歴史を通じて内容を吟味し、そのブランドがどこへ向かうのか過去から現在、そして未来を考える必要がある。なぜなら私たち顧客は多くの大金を投じる必要に迫られるからである。そして大金を投じたブランドと何年も何十年も付き合う事になるからに他ならない。その最大の帝国であるLVMHを考察していきたい。
参照書籍:ブランド帝国の素顔―LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン (日経ビジネス人文庫)
1. ライセンスと自前主義との関係
ブランドを保有し運営して経営する事なった場合、ライセンスは魔法であり、劇薬か麻薬のようなものである。ブランド価値があり、高価格で維持できるから、ライセンスが成り立つ。ライセンスに手を染めるという事は、サインひとつで後は、相手が生産・流通・販売までを請負、寝ていてもロイヤリティーが入る仕組みである。
一度始めてしまえばなかなか止める事が出来ず、なかなかやっかいである。まして買収する側として買収した企業がそれを収益の柱にしていれば尚更である。【Read all】
2. タイムレスとモダンの両立
LVMHは現在に出現したブランド共同体のひとつの解である。その総帥、ベルナール・アルノーは、ブサック及びクリスチャン・ディオールというブランドを買収したのを手始めに、他のブランドを矢継ぎ早にM&Aによる買収を仕掛け、拡大戦略を取り続けている。買収したブランドはどうなっているのか。
買収したブランドの成長と発展を図り、グループ内の利益を蓄積し、蓄積された利益をもって財務的に安定性を保ち、それをベースにさらなるブランド企業の買収を加速する事により、グループを一層強固な企業体にする事である。【Read all】
3. 二つのポートフォリオ戦略
LVMHはそれぞれに得意分野を持つブランドを多く集める事で、財務的にも商品的にも安定化を図る戦略が取られている。コングロマリットとしてLVMHを見る際に、ポートフォリオ・マネジメントを取り入れていると言われている。
ポートフォリオ・マネジメントは、全体のバランスを最適に維持する優れたマネジメント方法であり、ワイン・スピリッツ分野は毎年安定した収益を上げ、それをベースにシーズンごとに成績が上下するファッション分野の財務体質を補填して全体的に安定した成長を行う。【Read all】
4. 独立性を保ち比較的緩やかな管理方式
商社を通さずにグループ内で海外進出を果たす優位性:中小のブランド企業では、海外に進出する場合、様々なリソースを持つ企業に委託またはすべてのサポートを一括でサポートしてもうらのが普通である。
商社などの助けを借りずに、自力のみで日本ならびにアジアなどの新しく進出を果たした欧米ファッション企業は少なく、単独の企業は、なしかしらの助けを受ける事になる。ルイ・ヴィトンでは、秦郷次郎などが、ルイ・ヴィトンのLVJグループ代表取締役社長となり、進出を助けたのは非常に有名である。【Read all】
5. セレクティブ・マーケティング手作りの制約が高付加価値を生む
高級ブランド特有の制約は、こうした生産における多くの制約により付加価値を生み、高い売価を維持する事につながっている。たとえば、ルイ・ヴィトンが、発展途上国の大規模工場で、オートメーション化で無機質で大量生産されていたとしたらどうだろうか。東南アジア製のルイ・ヴィトンであれば、数万円以上を支払うかどうかである。
当の東南アジア諸国でも、東南アジアでルイ・ヴィトンが作られた場合でも、そのモデルを疑う事であろう。伝統あるフランス・パリの工房で職人が手作りしたモデルでなければ、一度ルイ・ヴィトンを経験した顧客は購入する事はないのである。【Read all】
6. セレブリティとブランド パブリック・リレーションズ 戦略
高級ブランドはある意味ロマンと夢を売っていると言われているが、夢を売ろうが現実を売ろうが、高級品のイメージ戦略は非常に重要な要素である。老舗ブランドが創立したデザイナーが廃業したり、ブランドのリバイバル戦略や再編が行われる中で、高級ブランドのイメージをいかに売るかが問われる。
高級ブランドは、PRにおける予算は巨額であり、その投資効果を十分に理解しているからこそ、大金を投じるのである。フランスのメゾンにおけるパブリシティの担当者の地位は高く、デザイナーや経営者に匹敵するほど重要な地位を占めている事もあり、役割や影響力は世間一般よりも想像以上に大きい。【Read all】
7. ファミリービジネスの限界を超える
優秀なデザイナーが創業して、ファミリービジネスをはじめる事は、多くの国で行われている商行為である。ファミリービジネスは、メリットもあるがデメリットも大きい。ファミリーではじめて、長年経営し、親族や血族に世襲する場合、ファミリー色が色濃く残り、その独裁を謳歌するが、経営がおかしくなりはじめると、血みどろの争いを起こしてしまうのもファミリービジネスの欠点である。
グッチ一族の骨肉の争いは、非常に有名な象徴的な事件である。現在のグッチ一族はグッチという名前すら使えなくなっているのである。【Read all】
番外:アルノーに代わる者:後継者問題
LVMHのビジネス手法:アルノーあってのLVMH、トップの求心力があるからこそのグループ、大小様々な高級ブランドを傘下に収め、グループは拡大の一途と辿ってきた モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン。一般の企業とは異なり、全体の経営戦略においては、希代の経営者、ベルナールアルノーあっての事である。日々業務を行う中で、平時のブランド戦略は、優秀な人材が揃えばある程度可能であるが、他国に攻め込み、他国を傘下に置く、買収という技は、アルノーでしか出来ないことである。個々の高級ブランド群は、大きく成長を果たす事は難しいが、器であるグループに新しいブランドが入る事で、数字的な成長は一応達成はできる。【Read all】
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