基本Data:SEIKO セイコーライナー ダイアショック LINER DIASHOCK 23石 GOLD FILLED 14KGF ゴールドフィルド
- ケースサイズ:約 34mm
- ベルトサイズ:約 18cm
- ケース:14K 23石 金張 ゴールドフィルド GOLD FILLED (GF)
- ベルト:ステンレススチール(社外)SS/GP
- 風防:プラスチックガラス
- ムーブメント:手巻
- 防水性:非防水
- 製造:1960年代製
- 重量:約 43.9g
ライナーでライナーを飛ばそう薄型設計の限界を目指した国産アンティーク高級時計
SEIKO LINER セイコーライナー オーバーホール (OH) 済。親父の腕時計を継承した内容であるが、風防と竜頭などを綺麗に研磨を施し、内部機械のメンテナンスを施したモデル。セイコーライナー “SEIKO LINER” 1960年代の薄型設計による国産アンティーク腕時計の高級モデルである。1960年代当時、流行のデザインに乗り、大型かつ薄型化が図られているが、シンプルで高級感がある。
さっそく「オークファン」で相場を確認していこう。上値が約 40,000円、下値が約 30,000円ぐらいになるようだ。これに関しては18金、最上級モデルである。ということはそれよりも安価に買えるようである。アンティークの相場は比較的安価な相場であり、金額的にも余裕のある投資ができるブランドであるのがセイコーである。
市場には、21石及び23石のムーブメントが存在、投入当初は「23石モデル」が投入され、追加投入されたのが「21石モデル」である。第二精工舎亀戸工場で最高級機「ゴールドフェザー」が生産・市場に投入され、その半年後廉価版の「ライナー」が諏訪精工舎で製造、追加投入された。
ケースのラインナップは”18金無垢”は最高級モデル。他のラインナップは、”ステンレススチール(SS)”と”14K金張”が投入されている。今回のモデルは「ライナー 23石・14KGF」というスペックであるが、当時は多く流通していたようである。
ライナーの開発コンセプトは、その薄さであり、機械厚は、わずか3.3ミリの薄型であり、「ライナーでライナーを飛ばそう」というスローガンまで出された。また当時は、ほぼ世界一の薄さを誇りなかなか現在でも軽く使いやすいモデルである。
機械の比較は、ゴールドフェザーモデルは12型という大型な機械を搭載され、ライナーモデルは11.5型と若干小さな機械を搭載している。私の親父は、ゴールドフェザーモデルが好きなようだったが、私はこちらのライナーモデルの方が、多くの日本人に好まれる小さくシンプルなモデルであり、腕の寸法と合ってくるだろうと思う。
ゴールドフェザーモデルは、中国人や東南アジアの金ピカの好きな人々が好みそうなモデルである。ライナーは非常に好きなモデルで、この機械自体も設計が素晴らしい。1963年に投入され、歴代クロノメーター機裏蓋の「獅子の紋章」が付けられている特別モデル「ライナークロノメーター」も存在するが、なかなか素晴らしいモデルであるようだ。”グランドセイコー2匹の獅子の謎“は、非常に面白く読ませてもらった。なるほど奥が深い。
ムーブメントは、名機マーベルのプラットフォームを使い、全パーツの薄型化をクリアーする事で製品化する事に成功したモデルであり、セイコーでも名機の種類に入るようである。裏蓋には鶴のマークがあったようで、刻印は最終に近いモデルであるみたいだ。ベルトは社外品であるが、なかなかチョイスが良く若干成金感は否めないが、シンプルで高級感漂う秀逸なモデルに仕上がっている。
ゴールドのケース及びインデックス・針においては、微細な退色感があり、経年によるアンティーク感が出ている。この古いレアな感じがなんとも趣があり、ある程度の年齢になっても長く使えるモデルである。
実際、約55年程度経過しているが、現在にはない不思議な雰囲気である。国産でかつレアなアンティーク時計は、現在では非常に希少であり、すべて日本製というのも、様々な製品においては、昨今では不可能に近い。戦後日本の時計の歴史を刻み続けた優れた逸品である。