HERMES エルメス エブリンGM トゴレザー キャラメル クロスボディバッグ A刻
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- サイズ:縦 約32.0cm 横 約31.0cm 幅 約7.4cm
- 素材:トゴレザー
- タイプ:GM / Ⅰ(アン)
- 刻印:A 97年製
- 参考価格 (当時):約 380,000円前後
高級レザーの定番、エルメス エブリン モデル
エルメスでも定番人気モデルエブリン。エブリンGMはそのデザインと大きさから、男女問わず気軽に持てる数少ないモデルなのである。
全体的に上質なレザーを使い、エルメスのロゴマーク 「H」 のロゴを中心にパンチングされたシンプルなクロスボディバッグである。
落ち着きのあるキャメル色が、オールシーズンで使え、あらゆるシーンで使える実用的かつシンプルなモデルである。
今回は、知人が直営店で購入し、その後、個人的に譲ってもらい、しばらく使用後、買取に出したモデルの簡単な内容を記しておきたい。
エルメス エブリンGMの相場データからブランドの底堅い相場が見える
では、買取査定を検討していくために、現在の取引価格はどうかなっているのか「オークファン」を使って落札相場データを収集、保有する鞄と実際落札された鞄の状態を比較し、より近いモノをピッキングして相場データを作成していく。
約 120,000 円と 90,000 円の落札金額は、同じプレイヤーが出品していると考えられあまり使えないが、上記の2点のみが、大きく取引価格から離れ、約 70,000 円代から下の金額で入札数が多く競り、価格差が小さい。
そのことから、このあたりの平均価格が、大よその取引価格となる。そうなると買取査定額は、業者がここより、何パーセントぐらいを取るかで、査定額が明らかになる。状態は非常に綺麗なので、約 50,000円代を想定できる。
なぜ高額なのか。調べれば調べるほど、エルメスの凄さが分かってくる
相場がある程度分かったところで、メンテナンス作業を軽く行いたいが、全体を検品しても、あまり状態が悪くないので、簡単に清掃程度で終わりたい。
非常にしっかりとした製造技術と素材の選定をされている事から、約20年以上前のモデルとはとても思えないのが正直な感想である。
保有している人に多いのが、レザーは重たいと言う人がいるが、それはラグジュアリーブランドではなかったり、昔のモデルだったり、自分の荷物が鞄に対して多すぎるのであって、ラグジュアリーブランドの多くのモデルにおいては、レザー本体が重たいと言うわけではない。
エルメスのレザー製品は、非常に軽くて丈夫であり、柔らかく軽快に持つことができるモデルが多い。
このエブリンのバッグ、実は正面に見える「H」ロゴのデザインは裏面であるということである。多くの人が裏側と思っていた面が、表面であり、「H」ロゴ面を体の方に付けて持ち運ぶのが正式のようである。
見た目的に「H」ロゴを正面に見せて、持ち運びする方が、一目でエルメスと分かり、注目度は高いが、それはエルメスが望んでいない持ち方となる。
「H」ロゴについては、通気をよくするためであり、空気が通る穴をデザインを用いて取り入れている機能上の手法であり、デザインと融合が図られているのである。
元々は、馬用のブラシや手入れ品などを収納するバッグであり、中に匂いや湿気がこもり易いことから、通気口が取られているのである。
ただ多くの人は、乗馬を行っておらず、また乗馬を詳しく知らないので、ロゴを正面とする方が「ブランドの所有欲」をくすぐり、同時に名誉を守ってくれる優れたデザイン故、ロゴが正面という流れが生まれた。
GMモデルに関しては、一番大きなモデルであり、男女共に持つことができる優れたエルメス入門モデルである。先ほどの「Hロゴ」が大きな特徴で、エレガンスでカジュアルさを上手く引き出すことに成功しているモデルなのである。
女性ユーザーが多いエルメスの中で、GMモデルは男性にも人気であり、シンプルなデザインと手ごろな価格で、定番人気モデルなのである。個人的にも、乗馬を少し習っていたので、その際に譲ってもらい利用していた。
当初、エルメスのエプソンレザーかと思っていたが、A刻印であること、97年製と判別出来る事から 「トゴ・雄仔牛レザー」 と推測される。
エルメス永遠の定番「バーキン」のバッグで使用していて「トゴ」は良い柔らかさが人気となり、エブリンなどにも採用されている。
どの年代でどのレザーを使われているか、製造年月・質感などから、素材辞典などで調べていく。当時のレザー人気順は、「1.トゴ 2.トリヨンクレマンス 3.エプソン」という順となり、調べてみてはじめて分かった次第である。
知人が、エルメス直営店で購入した当時、まさか現在までこうして傷も少なく、耐久性のあるバッグとは思わなかったわけで、さすがエルメスである。
ブランドロゴと A刻印 97年製 及び Rの刻印「アトリエ・ランボルデ」の刻印があるので、どうやら本物に間違いないようである。
前回、【HREMES_HACKS 偽物のエルメスバッグを見つける簡単な 10 の真贋方法 】にも取り上げたので、買取を考えている場合、一度参照してもらっても損ではない。
とても、約 20 年以上のモノとは思えないようなレザーの質感は当時のままであり、買取査定についての予備知識を付けることができた。
長期的に安定し信頼できる最適なブランドそれはエルメス
旧オークデータ (2018.06.30終了) を使い、エルメスのエブリンの約 5 年間の総落札額と平均落札額をみていこう。総落札額は、約 400~800 万円の間を激しく上下している。
数が少ないことと、年式で価格が上下するのだが、出品される数量の割に、非常に高い数字をキープしている。また、平均落札額については、約 7.5~11 万円前後がベースラインとなり、値崩れしておらず、比較的安定した相場を形成している。
これについては、大変興味深い。つまり、年々出品数は減少しているのにも関わらず、総数が上下しており、平均が安定しているということは、需要と供給の関係とはあまり関係なく、コアなファン並びに多くの入門してくるユーザーの底堅い人気に支えられている。
底値が固く、これ以上下がらないことが、ブランド力の高さの証明となっている。
エルメスにおいては、供給量も少なく、二次市場でもあまり出回ることが少ないので、買取査定においても、比較的良い数字を得ることができる信頼性の高いブランドである。
では、結果を見ていきたい。約 52,000円の買取額をつけた業者に買い取って頂いた。今回は、3社ほど査定してもらい、いちばん高くつけた買取額を選ぶこととしたわけだが、最終的に「すでにお客さんがいる業者」が高い買取額をつけてくれた。
次の買い手がすでにいる場合、安心して買取ることが可能となり、買取額を上限まで引き上げて頂けたので、業者には感謝している。聞く話によると、買取査定は販売額の約 85 %前後となるようである。
約 20 年前以上に、約 30 万円以上お金を積んでも、いまだに数万円程度の相場を形成しているブランドもあまりなく、このあたりが高級ブランドという底堅さを証明している。
経営の安定したブランドで、その高価なブランドの手入れを怠らず、ノウハウを蓄積すれば、失敗もなくお金を無駄にする事は少なくなる。
そんなラグジュアリーブランドの中で、エルメスへの投資は、比較的安定した相場を形成していて、値崩れが少ない数少ないブランドである。
ここで「高級ブランドを選ぶ 5 つの注意点」を今一度考えていきたい。それは以下の項目となる。
- 比較的相場が安定しているブランドを選ぶ
- 流行よりも定番モデルを選び長期的人気を重視
- デザインより機能性が高く耐久性のあるモデルを選ぶ
- 経年により古くなったモノの手入れを怠らない
- 高額なブランドは真贋リスクが伴うので専門家の助言を取り入れる
分かったことは、世間一般でいう「エルメスが高価」というイメージは、長期の投資を前提として考えた場合、逆に値上がりするモデルも存在し、リセール・バリューが高く、実は比較的リーズナブルな投資という事である。
それは、保有した人しか分からない境地であり、何百万円のバッグを買うというのは、ブランドの付加価値を感覚的に知っている人が多い。
それが、エルメスの人気を支えており、そのような真価を発揮するのが、本物の高級ブランドの本質と言える。