いまやブランディングツールと化した巨大ネットメディア ” YouTube “
私たちが日頃から視聴している「YouTube」ですが、いまや高級ブランドにとって、欠かすことのできない新しいブランディングツールとなっている。「YouTube」が台頭する前、私も含めて高級ブランドのプロモーションビデオや、ショートフィルムを視聴する際のメディアといえばテレビであった。
また各ブランドがリリースするプロモーション・ビデオなど、最新の情報を得るには、時間を掛け調べて、海外の知人やニュースなどを元に、カタログなどを取り寄せ、ショーなどの合間などで、はじめて視聴できたものである。
「YouTube」の登場以来、各高級ブランドは、こぞって公式チャンネルを持ち情報の発信を行なっている。
ネットにアクセスすれば、瞬時にプロモーションやショートフィルムなどを簡単に視聴できるようになったわけである。
非常に便利な世の中なったわけだが、それだけ私たちが選ぶべきブランドも数多く「どれを選べば良いかわからない」ようになってきた。
新興ブランドは流行やマーケティング・テクニックで一時的に成長しているように見えるが、大半のブランドが、二次市場では無残な結果となっている。
そこで今回は、二次市場でも強く、個人的に購入の最後の後押しをしてくれたブランドのプロモーション・ビデオをオススメしたい。
主に、舞台裏や製作工程が中心であるが、「何ゆえに高いのか」という理解を深める為と、市場に出されるモデルが、いかなる思想で作り出されるのか、その辺を中心に観ている。
BACCARAT & LOUIS XIII
Crafting the perfect nib for Montblanc’s fountain pen – How is it made? | Behind the scenes
Haute Couture – Inside CHANEL
Super Factories: Breitling – 2 Watch Movement
The Making of the Leica M9-P »Edition Hermès« — Série Limitée Jean-Louis Dumas
製作現場を見せれないようなブランドは、購入の対象にしてはならない
製作現場をイメージできるプロモーションビデオを作ることは、高級ブランドとしては当然となりつつある。低級もしくは新興ブランドの大半は、こうした製作現場を観せる事ができないであろう。
それこそ、中国製であったり、東南アジア製であったり、完全に設備が整えられ、完璧な衛生管理の行き届いた工場やアトリエなどではない場合が多い。
すべての工程と仕事内容が、完全にプレゼンができるレベルまでの「クリーンな環境で仕組みや生産管理の行き届いた仕事場」でない場合が多いからだ。
その段階で「高額な値段」のついている商品を手にするかと言えば明らかにノーである。仮に手に入れたとしても、値段相応のモノしか手に入れない。
つまりラグジュアリーブランドとしての条件のひとつが「完璧に近い製作環境・設備・人材」を掌握し、技術力を最大限発揮できるかどうかという証拠が必要である。
その為には、製造現場さえ、プロモーションできないようなブランドは、基本的に選ぶものではないし、高いお金を払う必要もないのだ。
私たち顧客が安心して、ブランド自体がその信頼に足るかどうかを見極めるひとつの尺度が、こうした製造現場を見せたプロモーションなのである。