【ブランディング22の法則】品質の法則：品質は重要だがそれだけでは高級ブランドを築くことは不可能である

 

ブランドを品質だけで築くことが出来たなら世の中はブランドだらけである

 

 

品質とは？ と聞かれて、あなたは何をどのように想像するだろうか。実際、高品質と低品質の区別ができると誰しも出来ると思っているが、そんなに簡単に見分けがつくものではない。

ロレックス は、世界最高級の時計という認識は多くの人々が持っている漠然としたイメージである。ロレックスは、最も時計を多く売っているブランドと言っても過言ではない。

ただ、その成功には品質が関係してくるかと言えば、多分していないであろう。またロレックスは、自社の力を結集して、いつも最高品質のモデルを作っていると言えば、作っていると言えるであろう。

その事について、多くの顧客は、最重要と思っているかと言えば、それは多分重要なことではないのである。そう。高品質だけでブランドを築く事は不可能なのである。

前回 ロレックスの記事でも二次市場から見た内容を取り上げたが、品質に関係なく壊れたロレックスでも良い価格が付けられている事実があるのだ。

ブランドを品質だけで築くことが出来たなら世の中はブランドだらけである。

そのあたりを気づいた賢明なあなたは、個人にしろ、企業経営者にしろ、高級ブランドを築く事ができるセンスと素養がある。

 

伝統工芸で陥る品質の罠、そのことは多くの日本人が陥りやすい罠である

 

高品質というコンセプトで、経営の基本とする多数の信奉者は、特に技術を背景に、商品並びにサービスを作っている人に陥りやすい罠である。優れたブランドを築く方法は、優れた品質の商品をつくることにあると考えている。

たしかに理論的に正しいが、必ずしもビジネスで成功しているかと言えば、その事について関係がない。

例えば、伝統工芸品のお茶碗があったとして、技術的に苦労を重ね、高品質に作り上げ、市場に出したとする。その職人さん及び所属する企業は、長く大企業の下請けをしたりして、ほぼ無名に近い。

もうひとつは、中国製かアジア製の低価格のお茶碗である。見た目的にはあまり変わらず、用途も同じである。職人さんの茶碗が、どう頑張っても約 1,000 円として、安い中国製は、約 100 円程度で売られている。

あなたが顧客の場合、外観を見て同じ用途で、品質を確認してもあまり分からず、ポンと商品棚に置かれたとしていたら、あなたはどちらを選ぶであろうか。多くの人は、価格の安い茶碗を選ぶ事であろう。

この話は実際、伝統工芸品を作っている職人さんから聞いた話である。品質が優っていても、ブランド力がないと、優れた品質を誇っていても、顧客が理解出来なければ、価格だけで判断されるのである。

例えば、三菱自動車 というブランドがあるが、リコール問題で大きくブランドイメージが損なわれ、現在では日産の傘下になったブランドであるが、過去に何度か品質における リコール隠しの問題 で不祥事を犯している。

その不正行為をしてまで守ろうとしたのは、自分たちの企業としての立場であり、一番記憶に新しい 燃費試験の不正問題 は、数字を達成する為の強制的ノルマである。日本人的権力への服従から、組織の慣習に従ったのである。

不正に関わった多くの社員は、世間で言うところの「勤勉で真面目な日本人」が関わっていたということである。

その不正が明るみに出るまで、多くの顧客は、品質について詳しく知っているわけではなかったのである。また過去に購入した多くの顧客の中に、三菱ブランドの関係者や愛好者の人も多くいる。

現在でも、自分が購入したクルマの品質自体に問題が無ければ、三菱の関係者や愛好者である人は、三菱車に乗っている。つまり品質は重要であるが、品質自体が、絶対条件に成りえないのである。

 

あなたが経済的余裕がある場合品質を第一に考えて購入するかどうか

 

もしあなたが、使い切れないほどの経済的成功を収めていたとする。その場合、あなたの購入する商品の品質は大事であろうか。もちろん多くの人は、最高品質の商品を物色するであろう。

しかし考えて見て欲しい。あなたの品質における評価する基準はどこにあるのか。

品質という言葉よりも、あなたのブランドとしてのイメージが先にあり、次にそのイメージの中に品質も大事という認識ぐらいでなかろうか。

 

 

多くの企業は、成長を考えるとき、一般的な大学病院になりたいと考える。ゼネラリストとして、カテゴリーを拡張する動きをすることが多い。専門医的なスペシャリストよりも、商品並びにサービスを市場により多く広げたいと考えるからである。

もしあなたが、経済的成功を収めたが、不幸にも大病を患い、病院を探す場合、最高の品質を誇る医療を提供してもらいたいと考える。

同じ質を誇るサービスを提供する病院が、仮に 2 箇所あり、一方は総合的な大学病院であり、もう一方は、あなたの病気を専門に治療してくれるその病気に精通している最高の専門病院だった場合、どちらに診てもらいたいと思うかである。

もちろん後者の専門病院に診てもらいたいと思うだろう。【 収縮の法則：成功する前のブランドがフォーカスしたときの見られた 5 つのパターン 】 でも取り上げたが、焦点を絞るとはそういうことであり、品質に問題なければ、どちらを選ぶかは、明らかなのである。

 

ブランドを構築したいのであれば、良い名を付け、ステイタスを誇示できる戦略を取ることである

 

品質について、重要な事であるのは、理解していただいたと思うが、もう一つ重要な項目は、良い名前を付けるということである。他の要因はみな同じである場合、良い名前や肩書きなどを持つブランドがトップに君臨しやすくなる。

良い名前や肩書きを持つと、相互に関連ができ、相乗効果が得られやすい。

ロレックスは良い名前である。ロレックスの時計を購入している顧客は、時間的正確さを期するために購入しているのではない。その顧客の多くは、ロレックスを購入できる経済力を他の人々に知らせるために購入して装着しているのである。

 

 

例えば、このブログは、管理人の磯守が、洋の東西大小様々なブランドについての事柄を独自の目線で取り上げている。自分の肩書きは、ラグジュアリーブランド専門のブロガーであり、「ブランド・フォトライター」である。

現在、この概念はどこを探しても存在しない。品質並びに商品・サービスは、このブログのビジュアルな実体がソレだからである。このブログのブランドネームは 「Φ(ファイ)-グリッド」 である。

黄金比の記号としても用いられる 「Φ」 は、多くのラグジュアリーブランドが築いてきた 「黄金比」 の追求と研究いう意味があり 「グリッド」 は、調査をした区域などを区分する場合の方眼と、京町屋の格子の形態などで商売を分類する慣習を掛けて、ビジネス・ブランド・知財等あらゆる情報を網羅するという希望から名づけている。

”ラグジュアリー・ブランドの使用を通じ、独自の目線で取り上げた中古ブランド情報なら 「Φ(ファイ)-グリッド」 で”  というのが、私自身のブランドの切り口である。

同じようなカテゴリーのライバルは、ほぼ皆無で、仮に模倣されても、磯守航史郎の独自の目線までを模倣することは、ほぼ不可能である。

情報をできる限り正確にと心がけているが 「Φ-GRID 」 ブランドを知っている事で、読み手であるあなたが、ラグジュアリー・ブランドの知識を持っていると他の人にステイタスを誇示し、知識を自慢できる事が、私のブランド戦略である。

個人的にライティングをしっかりと勉強して、まさに作家のような文章力があるわけではないが、悪質な品質というわけでもない。

ブランドを築くにあたって、品質のみに頼ってはいけない。あなたがもし、高品質なブランドを構築することを考えるのであれば、焦点を絞り、カテゴリーを定め、カテゴリーに応じた優れた名前を付け、高価格な商品並びにサービスを組み合わせる必要があるのだ。

参照：ブランディング22の法則