BREITLING ブライトリング クロノグラフ スーパーオーシャン No : A 13340
創業年=1884年 / 創業者=レオン・ブライトリング / 創業地=スイス/サンティミエ : Breitling Montres S.A. はスイスの腕時計メーカーである。コクピットウォッチ、クロノグラフ、ストップウォッチを主力として来た結果航空業界とのつながりが強く、無着陸世界一周を初めて成功させたブライトリング オービター 3などの航空イベントやイブ・ロッシーら航空関係者を支援する他、自社でも複数の飛行チームを編成している。参照:ブライトリング
1884年の創業当初から精密機器類を製造していた関係から「腕に装着できるクロノグラフがあればパイロットに役立つ」と考え、開発に着手。1915年に世界初の専用プッシュボタン付きクロノグラフ腕時計を完成させ、1934年にはリセット専用プッシュボタンも開発。その後も1952年に航空用回転計算尺を搭載した「ナビタイマー」1984年に新世代の機械式クロノ「クロノマット」など、多くの傑作を輩出した。参照:腕時計の教科書
高機能防水性と伝統的なブライトリングとの融合
今回取り上げるのは、500 m 防水機能を搭載したブライトリング “ダイバーズクロノモデル” である。知人である海の男が保有していたモデルであるが、安価に譲ってもらった内容とその後、何度か使い買取査定を経て売却が完了までである。
知人は、マリンスポーツを得意としていた人であるが、ガンガン海を制覇した同モデルを次のモデルを購入する際に、お願いして譲渡してもらった。
500 m防水機能を搭載しているモデルということで、個人的にも夏を中心に行楽地で試させてもらった。
何度か使用後、若干のメンテナンスを施したわけだが、一切の故障もなく良い具合に時を刻んでくれている。
まったくの新品ではので、セキュリティプッシュボタンの操作面が、若干固くなっていたので、メンテナンスを行い、少し操作性を良くした。
また、若干固くしているあたりも、高機能な防水を主軸と考えているからだろう。説明は次のリンクに詳しいので、ブライトリングを考えている方は参考にして頂きたい。参照 プッシュボタン保持リングについて:ブライトリング・ジャパン株式会社
サファイヤクリスタルは、両面無反射コーティング加工、視認性はすごく良く作られている。ダイバーズモデルと言うことで、肉厚で高級感満載のモデルである。
肉厚なので重量についてはズッシリとしているかと思ったが、比較的軽量なのである。またデイデイト表示、伝統的にセオリーを押さえたメカニカルで、スタイリッシュなデザイン。ダイバーズだけでなくビジネスでも利用可能である。
数も少なく稀少性があり若干価格が上昇していて安定した相場
さっそく「オークファン」で相場を確認していこう。上値が約 250,000円、下値が約 210,000円 ぐらいになる。
ブライトリングのスーパーオーシャンの相場は、数も少なく、稀少性もあるので、比較的安定している相場である。
前回譲ってもらった時の価格は、約 17 万円で譲渡してくれたので、今回の買取査定はいくらぐらいになるのか、若干の不安があった。
現在でも、比較的安心して投資ができる腕時計ブランドであることが二次市場を通じて理解できた。
新品価格が、約 41 万円前後と聞いていたので、リセールバリューは、未使用・美品クラスで、おおむね 約 60 %ぐらいが、マックスとなるようである。
さらに買取査定価格を引き上げるために、若干のメンテナンスを知っている時計屋に依頼してから買取を行いたい。
高級ドレス路線戦略に振られた秀逸なリバイバル戦略モデル
さて、買取査定に向けて付属品などを整理しているのが上記写真である。
純正外箱や保存箱・国際保証書等の付属品一覧を確認した次第だが、結構多く非常に驚かされる。ラグジュアリーブランドの証明を顧客に見せる為の戦略としてよく取り入れられている。
ブライトリング・ダイバーズウォッチの定番シリーズであるスーパーオーシャンは、世界の海を制覇を掛け、最先端の技術を誇るというのが売りである。
ブランドの商品戦略において、ブライトリングは、高利益率である自社製を売り出したが、セールスに伸び悩んだ経験を持ち、他社に流れたユーザーを再び引き戻す為に、復刻シリーズをリリースする。
オーソドックスであるが、定番のブランド戦略は、どのラグジュアリーブランドでも多く取り入れられている。
定番モデルを長く作り続けるという姿勢がないブランドも多数存在するが、一定のコアなファン層に向けたモデルの投入は、新しい顧客も惹きつけ、自社の利益面からも良い戦略である。
昔からブライトリング好きなターゲットユーザーである知人は、再びスーパーオーシャンを手に入れたくて、予約して購入したようである。ブライトリングの戦略はうまくいったようである。
- 型番:No:A13340
- ムーブメント:自動巻
- 機能:デイデイト表示/クロノグラフ/逆回転防止ベゼル
- 表示タイプ:アナログ表示
- 文字盤:ホワイト×ネイビー
- 素材:ステンレススチール
- サイズ:ケース幅:約 41.0mm
- 風防:サファイヤクリスタル
- 防水:500m
- 付属品:内外箱/国際保証書/クロノメーター認定証/取説/他リスト
- 定価:410.000円~
今回のモデルをなぜ興味を持ったのかと言えば、搭載されているのが エタ社製 自動巻クロノグラフ・キャリバー7750 を ブラッシュアップした「ブライトリング13 」 を搭載しているからである。
興味が湧いた最大の理由が、知人から聞いたエタ 製の話を以下の話ように熱心にしていたことによる。
ブライトリング、クロノスイス、フランク・ミュラー、フォルティス、ハミルトン、IWC、ロンジン、ミューレ・グラスヒュッテ、モバード、オフィチーネ・パネライ、オメガ、オリス、タグ・ホイヤー、ティソ、スウォッチ、ジン等多数ある。これら全てがエタの機械を全面的に使って来たわけではなく、「以前は自社製機械を採用していた」「高級ラインは自社製機械を採用」「一見ではエタ製と分からない程の改造を加えて搭載」「最近自社製機械を開発」等関わりの濃さはさまざま。Wiki:エタ製機械を採用しているメーカー
また、1974年にバルジュー社が開発、耐久性・保守性・精度のバランスに優れ、ベストセラーモデルと言われた内容だからだ。
参照のリンクを見ていくと、分解を解説しているが、非常に美しい作りである。参照:自動巻きクロノグラフETA バルジュー7750の分解
また、成型された刻みが入れられたベゼルやレリーフ状の文字盤などドレス路線を演出する非常に洗練されたデザインである。
昨今の商品戦略を展開に関しては、ブライトリングは、多くの高級ブランドが採用しているドレス路線戦略を踏襲しているようである。
もっと実用的であったと思ったが、意外と他の高級ブランドと並べて見ても遜色はない。というよりも非常に目立つモデルに入るだろう。
買取査定をしてもらう前に、業者さんに分解掃除を依頼。ドック入りから再帰還し、美しい仕上りになって帰ってきた。
撮影前は、行楽地などで長期間使わせてもらったので、小キズや微細な指跡、ホコリ汚れがあり状態が悪かったが、現在はピカピカである。
ブランドは保有するまでのコストが高いという最初の障壁があり、その後の維持コストもバカにならず、できる限り腕の良く安価ないい職人さんをどれだけ知っているかで、大きく維持コストを削減する事ができる。
メインモデルを保有している方で、セカンドモデルを探している方には最適なモデルである。現在であれば、安価で良質な高級ブランドであり、ブライトリングはその入門には最適、通な時計マニアの方にも十分納得できるモデルである。
手に届くラグジュアリーとして二次市場で年々着実な成長がみられる
上記は、「旧オークデータ (2018.06.30終了) 」でブライトリング スーパーオーシャンのカテゴリーで約 5 年間の総落札額及び平均落札額である。
総落札額は、約 3 年ほどは、約 200~ 400 万円を上下している落札額であったが、最近では、約 400~ 600 万円 と約 2.0倍に落札額が増えてきている。
また、平均落札額は、当初 約 70,000 円~ 高くても、約 150,000円 程度とラグジュアリーブランドとしてリーズナブルで狙い目のブランドであった。
データからみると調整期間を経て現在、概ね 約 15,000~23,000 円と上昇しており、そこから比較的安定した相場となっている。
五年間を通して平均落札額が約 2.0 倍以上となっており、為替やブランド戦略の実施が功を奏し、ユーザーへの浸透がみられる。
今回の買取査定の結果は、約 15 万円前後で買取に応じた。差額は、約 2万円、オーバーホールに約 1 万円ほどである。
悪くはない数字であり、二次市場の大幅な下落もなかったこと、状態を良くして買取査定に出したことで良い経験ができた。
このようにある程度の老舗ブランドを保有することは、上手に使い続け、次の人へ受け渡す手順を滞りなく実践すれば、ブランドとはいいお付き合いができる。
その場合付き合うポイントは、主に 3 つで、1.に相場を知ること、2.にどのようなシーンで使うか想定すること、3.に良い業者を知っている事である。
以上のことを理解しておけば、比較的リーズナブルに、ラグジュアリーブランドと付き合う事ができる。
上昇傾向のブライトリング・ブランドは、まさに今が買い時なのである。