意中の男性の罪滅ぼしだけで選ばれた シャネル ピンク マトラッセ
シャネル・マトラッセ・チェーンショルダー キャビアスキン ダブルフラップ ピンクである。もはや、定番のカタチ定番の人気商品である。
今回は、ある知人女性のマトラッセの売却における内容であるが、奇妙なことに、ほとんど使っていない未使用品同然と言う事なのである。
なぜか新品を購入し、一度使いその後、長い間クローゼットの片隅で、約 10 年以上静かに世に出るのを待っていたのである。
彼女は、このブログの熱心なユーザーであり、私がよく行く「あるお店の超美人の店主」である。といっても、夜の商売をしている人ではない。
雑談の中で聞いていくと、当時、多くの男性の気を引き続けるため、様々な恋の駆け引きをしていたようだが、交際を決めた最も意中の男性に浮気されたようである。
浮気の腹いせに、その男性を引き連れ、ブランド・ブティックで、同モデルを衝動買い同然で購入してもらい「そのまま使わない」という罰を下したというのである。
彼女にとっては「ピンク」という最も選ばない色をあえて選び、当時最も高額モデルを選んで買わせたのである。
結婚まで考えていた彼女は、その後男性と別れ、彼女は自立する道を選び、独立し現在大きな店をもっている。まさにココ・シャネル のようである。
このような案件は、中古市場の中で、最も程度の良い条件と言えるであろう。未使用同然・美品、そして高級ブランド。
業者が喉から手が出るほど欲しいと思わせる買取品のひとつが、シャネル・マトラッセ・チェーンショルダーである。
ひとつひとつの購入した高級ブランド・モデルを購入者がどのような過程で購入したのか、その背景を探るのが個人的には好きである。
では、さっそく相場をチェックし、買取査定内容などを取り上げていこう。
シャネル・ブランドの本当の強さは 中古市場 の相場からみえてくる

今回も、オークファンで相場データを見ていこう。シャネル・マトラッセの未使用・美品の相場は、まだ比較的安定している。
マトラッセの程度の良い中古市場の相場は、下値は 約 200,000円代、上値は 約 360,000 円までといったところである。
このあたりは、最低額であるオークション市場価格なので、ECや店頭であれば、もう少し割高となるであろう。
流行とマーケティング・テクニックだけで、高額な値段をつける三流ブランドで、強気の価格帯のショルダーは多いが、二次市場でも安定して値を付けているブランドもあまりなく、シャネルのブランド力の強さを未だに証明している事になる。
前回も【 シャネルの戦略:高騰するマトラッセ、約 50 万円以上のバッグを売り切るマーケティング戦略とコンセプトと企業哲学 】 で、マトラッセについて商品分析を行ったが、今後どうなっていくのか見ものである。

上記は、シャネルのショルダーバッグだけのオークション市場規模のデータである。ひとつのカテゴリーだけで、常に 1 億円を突破しており、一時の高騰などもあり、市場規模は、約 2 億円に届く勢いであった。
現在は減少傾向であるが、平均的な相場に戻ってきており、売るには比較的適した時期であることがデータからみえてくる。
定番スタイル、定番人気、定番のブランド哲学がどこをみても貫徹されている
シャネルは、いつの時代でも、あるところにはあり、比較的手に入れやすい高級ブランドである。
またシャネルは、自立した女性にとって非常に優れたアイコンブランドであって、女性の大半はすでに知っており、一度は憧れるブランドでもある。
どんなに新しい流行ブランドが出てこようが、二次市場になると二束三文になるブランドばかりの中で、不動の人気を誇ってきた。
その原動力となったのが、中国並びにアジア市場であろう。二次市場でのブランドの牽引は、まさにこの市場なのである。
シャネルのモデルで、少しづつ違いはあるが、キャビアスキンでダブルフラップタイプというのは割高になる。
キャビアスキンについては、長期間の保有で明らかになってくるのだが、素材の伸縮を防ぐ効果があり、傷がつきにくいという良い面がある。
これがラムスキンの場合、柔らかく使いやすいが、素材が硬化して型崩れを起こしやすく、傷がつきやすい性質を持っている。
ラムスキンが不利なのは、女性が持つと、身体につけた装飾金具や、爪などで簡単に傷をつけてしまうからである。
キャビアの方が、全体に醸し出す高級感が、ラムと違いまったく異なり非常に良い。どうしてもラム素材では、経年するとキャビアとの違いが大きく出てきやすい。
今回のモデルは、約13年以上前のモデルであるが、まったくと言っていいほど、傷みがなく、当時の品質を守っている。
偽物の場合、数年経つと、ボロボロになってしまい、劣化の進行が急速に進む。
また、シャネルの場合、内側がベトつくタイプのモノが一部含まれてくる。アジア圏では欧州圏と違い、その湿度の違いが影響しているようであり、気候がアジアでは適さない事が往々にある。
カバンなど荒く使われることが多くなると、手垢などが多くついたモデルも多数見られるので、中古品を選ぶ場合注意してもらいたい。
ギャランティーカード・シリアルシール・外箱や布袋なども揃っているモデルを選ぶ方が良いであろう。最低限カードとシールは一体であって、真贋する際の保証となる。必ず揃っているモノを選ぼう。
また、今回は、百貨店で購入したモデルなので、黄金色の百貨店シール付きである。百貨店のシールも併せて付属しているのかどうかも購入する前に確認しておく方が無難である。
次に、現在保有しているモデルの売却する場合については、簡単に清掃やリペアしておくと査定額も引き上げやすい。今回は、リペアをする必要もないぐらい綺麗なモデルである。
一通り状態をチェックして問題がなさそうなので、業者さんにお願いして何社か査定を出してみた。比較的上々な結果を得られたので、買取依頼に応じ、売却が完了した次第である。
知人の女性も比較的満足度が高く、当時購入した価格とさほど変わらない価格だったので、安心できる結果となったようである。
高騰は落ち着き、出品数が減りその分稀少性が上がり、相場は再び高騰時の状況へ

旧オークデータ (2018.06.30終了) を使い、シャネルのショルダーバッグの約 5 年間の総落札数と平均落札額をみていこう。
総落札数は一度大きく上昇し、その後緩やかな右肩下がりの状態となっており、現在は高騰前以下の件数に落ち着いてきている。
また、平均落札額については、約 6 万円前後がベースラインとなり、再び上昇基調に戻りつつある。
出品数が増えると、平均価格は下がり、出品数が減ると、平均価格が上昇する。需要と供給でほぼ説明がついてくるようである。
現在は、高騰時の状況になりつつあり、供給量は少ないので、買取査定においては比較的良い数字を得ることができる。
その分、中古市場で購入を検討している方にとっては、若干高値で購入する必要が生じる。この場合、業者は再びシャネルのバッグが売れていると営業トークを開始する良い頃合いということも分かってくるのである。
では、結果を見ていきたい。約 256,000円の買取額をつけた業者に買い取って頂いた。何社か査定してもらい、いちばん高くつけた買取額を選ぶこととしたわけだが、最終的に「次のお客さんがいる業者」がもっとも高い買取額をつけてくれた。
次の買い手がすでにいる場合、安心して買取ることが可能となり、買取額ギリギリまで引き上げて頂けたので、業者には感謝している。
聞く話によると、約 300,000円前後で販売するようであり、買取査定の約 85 %前後となるようである。
ネットオークションやECなどに出さなければ、手数料は持っていかれることはないので、店頭や紹介であれば、さらに多くの利益を抜くことができるであろう。
このように、相場を知り、ある程度までの買取額を把握できていれば、あまり無理をせずに取引が可能となるのである。
また、高級ブランド品を購入する場合、現在の高級ブランドの立ち位置やどのくらいのブランド価値かを新品並びに中古市場でも同時に把握しておくことは重要である。
上記のような相場グラフを作り、常に視覚的に具体的な数字を把握しておくことは、購入する際の指針となる。
ブランド力の奥深さ、市場での力強さは、現金を受け取るときに初めてブランドの真価を認識できる瞬間でもある。
高いブランドには、高いなりの理由がそれぞれあるが、人の手に渡ったブランドを再び高価格で売れてしまうブランドを賢く選んでおくことも重要なのである。
それが出来るブランドは世界中を探しても限られてくる。そのようなモノを慎重に選び出し手にする方が、結果的にも高い満足度を長期的に得られるのである。
それがラグジュアリーのブランド力であり、信頼の証となるのである。