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【CHANEL】シャネルの戦略、マトラッセ・マーケティング戦略とコンセプト、企業哲学

【CHANEL】シャネルの戦略、マトラッセ・マーケティング戦略とコンセプト、企業哲学

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チェーンショルダーという「アイコン」の意味

 

シャネルは大小様々なクラッチバッグやショッピングバッグを多く出しているが、大半の人がシャネルバッグと聞いて思い浮かべるのは、キルティング加工に、チェーンのベルトがついた長方形のショルダーバッグである。キルティング・チェーンベルト・長方形と見れば、シャネルのバッグでなくても、シャネル風バッグと想像できる。

このようにデザイン上の特性で特定のブランド象徴する事が可能なのは「アイコン」として地位を不動のものにしているからに他ならない。1929年にシャネルの歴史に登場し、1955年に本格的な生産が開始、現在でもシャネルを象徴するアイテムとして財源の支えとなっている。

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エレガンスと機能性、女性にパワーを与えるシャネルの精神

 

シャネルのチェーンショルダー以前は、女性用バッグは肩紐がないクラッチタイプが主流であり、ショルダーベルトがないバッグは、どちらかの腕で持たねばならず、片手しか使う事ができない。シャネルは、従来の不自由なバッグにチェーンをつける事で、女性の片腕をバッグから解放した。チェーンは彼女が育った孤児院の修道女のベルトからインスパイヤされたものだと言われている。

重い荷物を入れても、紐が切れないようにとの配慮で、チェーンに革紐が組み込んである。単なるデザインではなく使い勝手と耐久性を考えた結果であり、後にこれがアイコンとしてのスタイルになる。

またエレガントと機能性を兼ね備え、雑然としたバッグの中身が見えないようにする為の折り返し、口紅を収納できる内ポケット、左右に2つあるチークと化粧パウダーを入れる為のポケット、バッグ側面に付けられた小さなチップ用ポケット、恋人からのラブレターを忍ばせておく為の秘密のポケットなど、技術と工夫がバッグというカタチに表現されている。

 

参照:face it/Official Michael Kors Handbags Outlet Usa Store Online
参照:face it/Official Michael Kors Handbags Outlet Usa Store Online

 

バッグに込められたココ・シャネルの精神は、随所に散りばめられている。例えばチップ用ポケットは、女性が男性の手を借りることなく、誰でもあげたい相手にいつでも自分の意志でスマートにチップを渡せるようにすることで、女性にもパワーを与える。

との考えから付けられ、機能面から考えると、手紙を忍ばせるポケットはほとんど不要である。現在ではスマートフォンがあり、いつでも連絡可能である。それでも形として残されているのは、主義主張や習慣を含めたココの精神を残しアイコンとして昇華している。

また革にキルティング加工を施したのは、単にデザイン上の理由ではなく、使っても、形崩れしないようにとする配慮である。この定番の形とともに、マトラッセ自体も後にシャネルのアイコンとなり、バッグ以外の様々な商品に用い、シャネルのアイコンとして多用されている。

 

マトラッセ・チェーンバッグの技術・デザイン、企業哲学

 

  • 腕をバッグから解放するための肩掛け機能
  • バッグの中身が見えないようにする為の折返し機能
  • 利便性を考慮した内ポケットと外ポケット
  • バッグを強化し、型崩れを防ぐ為のキルティング加工
  • 重い荷物に耐えられるように革紐に組込まれたチェーン

 

 

大半のバッグには、ブランドの創始者であるココ・シャネルのイニシャルである「C」を二つ組み合わせてつくられたアイコン「CCマーク」が付けられている。これを見れば大半の人々は、シャネルのバッグということがわかる。このバッグで特筆すべきは、ココマークがついていなくても、一目で「シャネルのバッグ」ということがわかる点である。つまり多くの女性、とりわけファンにとっては、強く「シャネルのスタイル」が普遍的なイメージとして人々に認識されている。

 

シャネルコード模倣の起こるべき原因

 

この象徴的スタイルは、一目でシャネルということが分かる。ということは、総じておびただしい数の模倣品がこの事実を裏付けている。シャネルのマークが付いているわけでもなければ、ブランド名が書かれているわけでもない模倣品でも、キルティング加工とチェーンの組合せなど「シャネル独特のスタイル」と認められているデザインを取り入れる事で「シャネル風」に見せようとする例が非常に多い。

また精巧に作られた贋物も多く出回り、最近では本物のパーツを持ってきて、一部を組合せより「本物」に近い贋物も多く、油断がならない。真贋チェック項目も徐々に多くなり、様々な項目を経て本物と認識する事ができる。一部パーツについていえば、古いパーツを組み合わせる場合が多く、整合性の齟齬が出ている。一本 約20~30万円以上するバッグなので、バッグひとつ売れば、大金が手に入るがそれに見合った労力かどうかは非常に疑わしい。

 

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贋物の大半は中国でつくられるが、本物を多く買うもの中国である。二次市場でも多く売れ、送られているのは中国という。中国で多く出回ると言うことは、中国本国で多く作られ売られ、また多く国内外に出回ると言うことになる。個人的にも真贋チェックはよくするが、本物を多く見る事で、真贋チェックをしなくても、一目で本物か贋物かを判断できるようになったが、その贋物のクオリティは年々上がってきているように思う。シャネルについていえば、チェーンバッグのデザインやパーツそのものが、ブランドのアイコン化されている。まさにコード化された琴線をなぞりたくなるデザインなのである。

 

チェーンショルダーにおける高付加価値ブランド戦略

 

ラグジュアリーブランドはマスの概念と相反するものだと一般的に理解されているようだが、「シャネル 最強ブランドの秘密 (朝日新書)」では、ココ・シャネルは高級ファッツションにおけるマスの概念を容認し、それを逆手に取る戦略を用いているという。他の高級ブランドと異なり、マスマーケットの存在を容認する事で、かえって少量生産である自分たちの価値を高めるという逆説の戦略に成功したという指摘が妥当であるという。

またジャーナリストのダナ・トーマスは、ほとんどのラグジュアリーブランドでは、バッグの利益幅がおよそ原価の10倍から12倍という驚異的な大きさと考えられると指摘したうえで、90年代後半からハンドバッグや、皮小物製品が、ラグジュアリーブランドの入門商品として香水と同様に重要になってきているとしている。

バッグは、服と異なりサイズも問わなければ試着も要らない。香水よりも簡単につくることができ、最も売りやすいラグジュアリーファッションの製品であるという彼女の指摘は、的確に事実を表している。たしかに、二次市場でも、服が再販されて高値をつけているのはほぼ皆無であり、シャネルやヴィトンのような高級ブランドでようやく値段がつき、市場で取引されている程度である。

またバッグの二次市場での取引は非常に多く、容易であり、また値段も比較的高額に取引されているが、それは限られたブランドのみである。シャネルのチェーンショルダーは現在のところ非常に高額に取引されているが、それはあくまでも一次市場の販売価格が比較的高額であるからだ。平均約20万円からのバッグを多く販売することで、シャネルのブランド力はより強固になり、バッグを商品ラインに持つことが、ビジネス上重要であるのはほぼ間違いはない。

 

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トーマスによれば、バッグの優勢の予兆は、80年代の米国ですでに見られてきているのだという。女性の社会進出が進み、職場に行く時も使える、男性のブリーフケースの役割に相当するようなバッグを、女性たちが必要とすることになった。

派手ではなく、クラシックな感じのものが求められていた。上質な革製バッグは高い投資だと考えられており、すぐに流行遅れになってしまうデザインは敬遠される。そこでシャネル経営陣は、発表してから約30年経た「2.55」を全面的に押し出し、惜しげもなくキャンペーンを行い、それまで香水と化粧品以外に広告を行っていなかった広告を行い、同時に製品ラインの拡充を図る。

カール・ラガーフェルドが「2.55」の本質に新たな解釈とアレンジを加えたデザインは多くのファンを生み出し、シャネルのバッグは急成長した。これらシャネルの主要アイテムがもたらす高い利益は、長期開発案件の資金源となり、シャネルブランドのコア・コンピタンスの一つである技術開発やイメージづくりに投資される。

このサイクルの継続こそが、ブランドづくりにおける確固たる優位性創出の源になっている。高い売価で売ることができれば、開発に時間と手間、品質を向上させる事ができ、さらにブランド力は向上する。短期間で利ざやを上げなければいけない低価格ブランドとはまったく異なる戦略であり、これこそがチェーンショルダーのもっとも大きな強みである。

またシャネルはヴィトンと違い、ラインナップは極力少ない。チェーンショルダー単体のシリーズ群でも多くの利益を上げている事も製品効率から考えても非常に優位である。

 

模倣と本物の違いは創業者の哲学である

 

シャネルのものづくりは、単なるデザイン性だけでなく、技術力と、創業者の持つ革新の哲学から創出されたものであるという。これはある意味正しい。模倣品は単にデザインを真似たに過ぎず本物だけが持ちうる永続性はない。本物は、根底にしっかりとした哲学や技術があり、残るべき要素は継承され、そこに新たな要素を加えつつ進化を続ける事ができる。ゆえに顧客からの支持にも永続性があるという。だからこそカタチを変えても変えなくても、流行を超えて支持され続けるという。なるほど非常によくわかる。

 

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最近思う事だが、これらの言い分はアタマでは分かっていたが、自分の中では腑に落ちない点があった。つまり本物と贋物の違いである。これについては、本物と贋物を両方見て経験する事ではじめて分かった。たしかに本物はすべてにおいて理由を説明する事ができるのである。

贋物であるという事は、その本物の理由を盗み借りているに過ぎず、オリジナルを超えているものを私は見たことがない。個人的に多くのチェーンバッグに触れ見ることにより、哲学を感じるようになってから、真贋のチカラはより向上したからだ。ゆえに贋物がいかに高度化しようが、一度シャネルのコードを覚えてしまえば、そのコードから外れたものは贋物と分かり、真贋を一目で判断できるようになるのである。少なくとも個人的にはそう考えている。

 

 

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About 磯守 航史郎

食べる事と温泉・マッサージが好きな勤め人。過去には大小様々な職業につき、現在は不安定の中の安定を楽しんでいる昔から「変わり者」と言われた中年。 好きな分野は、ブランド戦略/建築・不動産/知的財産権/EC・オークション/金融・投資/カメラ/時計/モデルやアイドルなど、ジャンルは幅広いが、趣味や元家業・知人との関係で関わった事件が中心であり、現在は利害関係もなく、気軽にブログを書いている。テーマは知的財産権とブランドとの関係・市場での価格の関係、偽ブランドの撲滅など、高尚なテーマをより面白くしたいと努めている。

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