真贋の方法はまずは本物を手にし経験する事からはじまる
高級ブランドの多くが、模倣されると言うことは、ブランドの知的財産が驚異的な金銭的価値があり、模倣するだけで儲かり、比較的ラクに商売ができるから数多くのコピーが生まれてくる。
模倣品の大半は、現在のところ中国で製造されているが、日本においても偽物を見かける機会が多い。
インターネットによって情報の伝達スピードが飛躍的に向上した事により、偽物を販売する業者は早く捕まる事が多く、出回る頻度も格段に減ってきているが、情報が出回る分、精巧な偽物が多く出回り、プロの業者ですら見極めは難しいと聞く。
個人的に言えば、私はプロではないが、普通の人よりも、多くの高級ブランドを見てきた事から、偽物と本物の明らかな違いを少しづつであるが、見極めることが可能となってきた。
まずは正規店で本物を購入して、いくつか保有してから、本物を経験する事が一番の近道だと思う。私の場合、様々な親族やその知人が、多くの高級ブランドを高度成長期のバブルを通じて購入したことから、多くは古いモデルであるが、良い物も悪い物も、見る経験を買うことができた。
いくつかのモデルを処分したり買い取ってもらう中で、少しの違いや違和感を感じる事がなんとなくだができるようになったのである。
シャネルについては、その製法をチェックし、自分の中で経験値を深める事で、少し見ただけで「コレは怪しいな」という事が明らかになってきた。
あなたが素人で高級品を欲しいと思い、初めてシャネルを購入する場合、その真贋方法も知らず、相場よりも非常に安いからといって、オークションやECに飛びついてはならないし、犯罪者を助ける事となるので、絶対に偽物は買ってはならない。
仮に偽物か本物か分からないまま購入し、現在保有しているモデルが、本物と信じていても、偽物を掴まされている可能性ないとは言えないのである。
そこで今回は、比較的簡易に、本物のシャネルを見分ける 12 つの方法をまとめておこうと思う。海外では様々な人が、シャネルの真贋をわかりやすく取り上げているので、数多くの海外サイトで注意をしているポイントをここら辺でまとめておこうかと思う。
プロの業者であれば当たり前の事柄でも、私たち素人の助けとなればと思い、一人でも多くの人が本物を手にし、偽物をひとつでも無くし、撲滅の一翼を担えれば幸いである。
1. CC (ココマーク) ロック面のつくり
いちばん最初に目が行くのが、金色もしくは銀色のココマーク状のロックになるだろう。ロゴマークが最も分かりやすい確認方法である。
本物のココマークは、必ず右側の「C」のマークが、左側の「C」マークの上に重なり合うデザインとなるからである。
現在保有もしくは購入を検討しているあなたのバッグが、この重なり合いが逆となっている場合は、偽物の可能性が非常に高い。
中古の場合、CCマークの金メッキの消耗度合いで、大よそ偽物か本物かの判断がつく。また「CC 端部面」に、マーク上に刻印を確認しておきたい。
本物は必ず、年代毎にデザインの異なる「CCマーク」上に刻印が打刻されているが、ツルツルで刻印の無い場合は、偽物の可能性は否定できない。
偽物のココマークは「CC」面の表面がザラザラとしていたり、また表面が妙に平坦であったり、コーナー面が面取りをしたように丸みを帯びているモデルも存在する。
巧妙になってくると、ロゴマークの「止め構造が二枚の張り合わせ」で構成されているものもあり、注意が必要である。
ロックの位置に関して言うと、偽物の「CCマーク」は若干上側に位置しており、デザインが破綻していることが分かる。本物のシャネルであれば、生産設備は完璧を期しており、中央の位置のズレは無く、しっかりと綺麗にデザインされていることが分かる。
「CCマーク」裏側を見ると、金具留めねじは必ずマイナスであり、プラスねじは使われることはない。プラスの場合偽物と疑う方が良いだろう。
「CHANEL PARIS」打刻は必ず装備しており、打刻が汚い場合や、打刻面から剥げが出ている場合、文字が歪な場合も偽物の可能性が極めて高い。
2. 純正保存袋 (ダスターバッグ)の質
本物と偽物の純正保存袋は分かりやすい。文字の形と色は写真からでも明らかである。本物は中央に“CHANEL”のロゴが綺麗に配されている。偽物については、生地も荒く、灰色で細めの字体が使われていることが多い。
最近では、オークションで本物の袋を買い、中身は偽物も多いので、一概に袋だけ見て判断は出来ないが、明らかにいえることは、生地の質とその厚みであり、偽物の場合、非常に安く作られており、すぐにほつれ傷みが出ている。
3. シリアル番号の照合
シャネルのバッグには、ブティックシールが装備されており、そこにシリアルナンバーが打たれている。シリアルナンバーは、次の方法で示すギャランティカードのシリアルナンバーと同じナンバーが打刻されている。
バッグのモデルと製造年を表しており、基本的にシャネルの製品で 9 桁以上のシリアルナンバーのバッグは製造していないので、明らかに 9 桁以上で、数が多い場合、偽物の可能性は否定できない。
ブティックシール (シリアルシール) はバッグ底コーナー壁面のどこかに貼られている。その他の場所に張られている場合、偽物の可能性が高いので、注意する必要があるだろう。
4. ギャランティーカードの確認
次に重要で調べる必要があるのが、ギャランティカードとバッグのシリアルナンバーが一致しているかである。現在では、偽物が精巧となってきている為、ギャランティカード自体、偽造されている場合が多い。
と言うことは、シリアルナンバーの一致だけで安心できないのである。現在のところ、有効な真贋方法は、ブラックライトを使った真贋である。ギャランティカードにある文字面に、ブラックライトを当てると「ある面」が光り、「ある面」が光らない。
こうして真贋を見極めることが可能である。また、上記で説明したブティックシール (シリアルシール) にブラックライトを当てると、ピンクの線が浮き出てくる。これも現在のところ有効な真贋方法である。
昔に作られた古いギャランティカードにはこの方法は使えないので、本物のカードと偽物のカードの見比べるだけでは判断が難しい。
分かりやすいのが、本物のギャランティカードはクレジットカード程の堅さがあり、偽物は、とても薄く曲がりやすい素材で基本的にはペラペラである。
また情報によると、2005年以降のギャランティカードには、裏面右上部に丸印がデザインされている。ギャランティカードの右上部に丸印がない場合は、2005年以前に製造されたバッグであることを示している。
本物のギャランティカードの情報は、文字がしっかりと整列されて記されていて、偽者は字体におかしなところが見られるカードがある。
全体的にいえることは、本物と偽物を並べてみて、その質の違いを認識できれば、偽物を掴まされる事はない。
5. ジッパー製造年が一致しているか
ジッパーにおいても、必ず確認しておきたい。使われているジッパーで大よその製造年が判断できる。グーグル検索を使えば、大よその製造年が判断でき、現在では非常に便利である。
自分が保有するモデルとそのジッパーの製造年が一致しているか確認しておくことが重要であり、過去に修理していない限り、相違している場合は、偽物の可能性が非常に高い。
6. チェーンストラップの作りと質
チェーン・ストラップの真贋方法としては、大半の場合、重さが関係している。本物の重さを正確に記憶していれば、偽物の重さはすぐに把握できる。多くの場合、偽物のバッグのチェーン・ストラップは重く、ザラついて、質の悪い造りである。
多くの真贋で用いられている方法のひとつに、チェーンの間のレザーの生産方法における「結びの縫い目」である。本物のバッグの縫い目は、綺麗な施工で、途切れる事なく、歪んだ線や凹凸など見られない。
偽物のバッグでは、縫い目に凹凸があり、経年により僅かに縫い目がほどけ傷みが激しさを増す。ありえないほどの劣化を伴い、全体的に歪みが出てきて、肌触りは著しく悪くなる。
また本体もそうだが、チェーン部分にも、本物特有の匂いがあるが、劣化が進むと、まったく違う匂いを発してくる。
偽物は作りが荒く、レザーの表面部分が2層 (張り合わせが目立つような) になっているモデルは偽物の可能性は高い。
一方本物は、途切れのない完璧な縫い目が施工されており、少々劣化しても、使えないほどの劣化まで至らず、大半のモデルで、機能面まで損なわれる事はない。
ただし長期間、メンテナンスをせずに、ほったらかしのままでは劣化する事があるので、合わせて注意が必要である。と言うことで、本物であれば、その質の高さですぐに真贋できるようになる。
7. ステッチ数 (縫い目の数)
本物のシャネルのバッグには、約 2.5 cmごとに10針以上の縫い目があるようだ。生産工程上の最適な縫製なのであろう。
本物のシャネルであれば、縫製の狂いはほぼ見られないが、偽物のシャネルのバッグの場合、少ない縫い目であり、それにより経年も手伝い、全体的に膨れ上がり、外装デザインが破綻することがよく見られる。
縫製が完璧であれば、経年が経とうが、綺麗なカタチを保っている。ただし、凹ましたり、整形を保っていない保管方法であれば、そのカタチで凹んでしまうので、注意が必要である。
8. レザーの質
レザーにおいて一番の真贋方法は、両方のバッグのレザーに触れる事である。本物の場合、様々に加工されたレザー面には特徴があり、その触り心地はまったく異なる。
シープスキンやカーフギャビア、シープスキンキルティング、シープスキンダブルステッチ、ビニール地にプリントなど、シャネル独特の触り心地が存在しており、それらは全て共通している。
例えば、本物の場合、エンボス加工のザラザラした表面のキャビアレザーを感じる事が出来るが、偽物のバッグのキャビアレザーでは、エンボス加工もなく、あっても変な肌触りで、平たく滑らかな仕上げになっている。
9. 一貫性のあるダイアモンドパターン
シャネルのバッグを見たとき、外装のダイアモンドパターンは、美しく成型され、均一なダイアモンドの模様が施されている。ダイアモンドパターンは、フロントフラップが閉じている時にも、一貫性のあるダイアモンド模様が美しく並んでいるのが本物である。
偽物の場合、このパターンのデザイン面にいくつかの破綻が見られ、ダイアモンドが歪んでいるのは偽物の証拠である。裏面の外ポケットにも同じように一貫性のあるダイアモンドパターンが歪みや狂いもなく規則正しく並んでいるはずである。
10. 総合的な品質と構造
偽物と本物の大きな違いは、経年が経つほど、全体的な品質の違いが明らかになる点である。最適な縫製を施した本物のシャネルは、頑丈でありしっかりとした作りをしており、カタチ崩れも無く、常に直立し自立している。
一方偽物においては、真っ直ぐに自立できず、縫製面の弱い所から、折れ曲がり上部から見ると、湾曲した造形となりやすい。また偽物は、チェーンが重く、本体との重量配分が悪いことから、チェーン面の方向に鞄全体が倒れ、側面が浮き上がり、自立できなくなる。
本物のシャネルは、縫製及びその他素材は、最高の素材を選定しており、非常に悪い環境化で保管していない限り、古いモデルであっても湾曲等は見られない。写真を見ると明らかに分かり、約20年以上前のシャネルであるが、曲がりもなく、空荷でも自立して立っている。
11. 内装裏地の質
内装裏地は、製品の質が最もよく表れる面である。本物のシャネルの場合、凹みやヨレ、タブつきなどなく非常に綺麗にフィットされている。
少しでも内装のヨレやタブつきが出来ているモデルは偽物の可能性を考えたほうが良いであろう。
個人的に経験した内容でいえば、内装表面の素材が外装面から剥がれ、ベタつきが多く出て、ぬかるんだ状態になり、緩みが酷く、内装素材を引っ張り出せたわけだが、今考えると、偽物の可能性が高かったわけである。
12. 内部ロゴ・スタンプ及びブティックシールの有無
バッグの内側の“CHANEL”の刻印とバッグの金具部分の色が一致しているか確認が必要であろう。偽物の場合、スタンプの色が微妙に違い、“CHANEL”の文字の字体も微妙に相違している。
また全国共通の百貨店で売られたモデルには、金色及び銀色のブティックシールがポケットなどの側面に張られている。
例えば、伊勢丹新宿店で売られていたモデルであれば「I.S」また、大阪阪急百貨店であれば「O.H」などアルファベット2文字と、日付が刻印されており、シールの有無で本物か偽物かも判断できる。
様々な専門家の力を結集して「民と官」が連携して、さらなる偽物の撲滅を願いたい
12の真贋方法について取り上げてみたわけだが、そのほかの方法も様々にあり、情報の共有化をすることで、偽物が蔓延る動きが無くなることを願いたい。
現在でも精巧な偽物は、日々作られており、本物との見分けがつかなくなることが、商品力を上げることにつながるがゆえに、差を無くすための悪しき努力を偽物業者に行わせないことが重要である。
残念ながら被害に遭った人のことを考えると、泣き寝入りするしか他なく、胸が詰まる思いなのだが、悪しき努力を行わせないようにするには、国を挙げて水際で防ぐ様々な対策を講じるべきであろう。
政府機関である税関並びに警察においても、さらに一層厳しい取り締まりを行うべきであり、最近では、海外の偽物販売サイトやソーシャルメディアなどで他国から販売勧誘を行い、偽物販売をする手法も横行している。
サイバーセキュリティ面で、セキュリティ企業の力を借りながらでも、警察は大規模な体制を敷いて、他国からの悪しき情報に目を光らせるべきである。
また一方で、国内で一個人においても、ネットオークションなどの個人間取引を用いて、偽物を売る動きもあり、各オークション系サイトにも厳しい基準を敷かせ、警察と企業は目を光らせるべきである。
目を光らせるだけではなく、真贋ができる販売先の高級ブランドとの連携など、多くのノウハウの蓄積をもって、様々な専門家の力を有効に使いながら、偽物の撲滅について早急な解決を願いたい。
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