高額な二流ブランド の家具を買うぐらいなら 「ヴィトンのトランク」 の方が、実は資産価値がある
世界中を探しても、ルイ・ヴィトンほど、メジャーで不思議なぐらい購買を誘引するパワーのあるブランドもなかなかない。
ルイ・ヴィトンには、そもそもアウトレット市場は、ほぼ存在しない。厳密な生産計画に基づき、市場に投入されるモデルの在庫が、ほとんど余る事がなく、アウトレットをする必要がないからだ。
汽船で各地を6ヶ月間旅をした最後の上陸地で、荷物が甲鈑から船底に落ちた事故があったとき、唯一無傷だったのがヴィトンのトランクだけだったのだ。顧客リストには、一度に68個の鞄の注文をした中近東の石油王や、エジプト王子、マハラジャなどが名を連ね、昭和天皇も皇太子時代の1921年、パリを訪問した際にお忍びでヴィトンの洋服ケースを買っている。
参照:フランスのブランド美学
かつて旅行トランクは、富裕層の旅の必需品として、高価な衣装や帽子、靴などの道具を入れるため、最高の状態を保つ必要があった。
その高い機密性と堅牢さが重要とされたのである。ルイ・ヴィトンはその期待に応え、名声を博し、高級ブランドとしての地位の獲得に成功した。
オークファン を確認していこう。基本的に、中古業者が 高い価格で買取して、ヴィトン を欲しがるのは、アウトレット市場を作らない LVMH の戦略の基本路線の上に成り立つ。
もし仮に、ヴィトンが経営危機に陥り、売上の確保の為に、安売りのアウトレットをはじめたとしたら、現在の中古市場もあっと今に崩壊していくであろう。
個人的にも何度か触れてみて取引をしてみた が、100 年以上前のアンティークトランクが、なぜ数十万円以上の高い値段で取引されているのか、はっきりというと、ただの古いトランクである。
その古いトランクが 「LV」 と名を冠したものが、資産として化けてしまうのである。
ヴィトンの高額を維持する中古価格は、ブランド力もさることながら、その稀少性の高さとアウトレット不在における付加価値が、大きく乗っているのである。
ただ、多くの人が疑問に思ったはずである、ヴィトンの古いトランクをこのような高い値段を買う層においては、一体どのように使うのか疑問が残る。
そこで今回は、定番ブランドである 「ルイ・ヴィトン・アンティーク・トランクケース」 の家具的 有効利用法 9 つの事例を通じて、資産効果の高いルイ・ヴィトンのトランクが、家具として使えるアイデアとその発想を取り入れて頂きたい。
1. 下足収納・細分化して靴箱にしてしまう発想
2. カバン自体を荷物入れとしてインテリア化収納する発想
3. トランクの 積層 と キャビネット収納の発想
4. ベッドサイドチェスト 及び サイドテーブル の発想
5. リビング・ローテーブル の 発想
6. リビング、収納・ローテーブルと天板ガラス仕様による組合わせの発想
7. ローテーブルとソファー横・スツール収納応用への発想
8. 寝具と一体化させるスツール収納の発想
9. 趣味の部屋などコレクション収納箱の発想
Reference 1~9 :Louis Vuitton home furnishings
代々金持ちが金持ちの所以は、換金できるブランドの付加価値を感覚的に把握できているから
古いトランクを購入する多くの人は、家具に転用することが多く、自身の家のインテリアとして重宝するのである。
中途半端なブランドの家具を買うよりも、よっぽど資産的価値がある。全体的に海外の富裕層の利用が多い。
最近の流行しているブランド家具でも、軽く約100万円を超える家具も多く、現時点での 100 万円で買うのであれば、長い歴史の上に立つブランドに出す100 万円の方が、リセールの面でも安心の面でもまったく違ってくる。
多くの富裕層から高い信頼を得ているブランドも少ないわけだが、日本人の舶来品への傾倒は、昔から変わっていないのである。
先日、実物で裏付けられる日本で初めて ルイ・ヴィトン の購入者は、板垣退助 であるという記事が出ていた。やはり良いモノは、昔から信頼を得ていたのである。
仏高級ブランド「ルイ・ヴィトン」のかばんを日本人で初めて購入したのは誰か-。この謎に高知県はこれまで、元土佐藩士で明治新政府では要職を務めた後藤象二郎と紹介してきたが、さらに3週間早く自由民権運動の指導者、板垣退助が購入していたことが分かった。記録によると、1883年1月9日に「Itagaki」という人物が、シリアルナンバー「7720」のトランクをパリで購入していることが判明し、名前とナンバーが、板垣の子孫が保管していたトランクと一致した。
参照:ヴィトン:現存かばん 日本初購入者は板垣退助 – 毎日新聞
私は、長年建築の世界にいたが、高いお金を出して、中途半端なブランドや作り付けの家具を新調しているクライアントを何百人も見てきたが、その時の流れで決めている人の多さには驚いてばかりであった。
多くの購入者が、家具を自動車のオプションのように選ぶ感覚には驚きを隠せない。
比較的富裕層になってくると、調度品の感覚が備わってくる。あなたがよく見るテレビ番組で、富裕層の自宅で、ゴテゴテした 「欧州風高級家具に占領された家」 を見たことがないだろうか。
あれは、全体の住居のバランスを考えず、ひとつひとつの資産に投資しているのである。
実は、あの感覚の方が、お金に換わるという意味で言うと、資産を多く滞留させる役目を果たしている。
つまり、全体的にリセールが比較的高いので、売却する場合においても、通常の作り付け家具が収納された住宅よりも、多くの場合儲かってしまう。
金持ちが金持ちの所以は、資産を高く換金化できるブランドを感覚的に知っている人が多いからである。
適正な価値の把握ができなければ、そもそも金持ちにはなれない。仮になれても、目利きができないと、売買面で大きく失敗してしまう。
個人的に言うと、富裕層よりも、ミニマリスト とかに最適なんじゃないかなと思うのは、古来から、トランクケースに、財産など高価なモノをひとつの収納に収め、持ち運びなどに重宝した歴史がある。
不要なもの、要らないもの整理して、生活用のトランクケースひとつにして 「ルイ・ヴィトンのトランクケース」 を選べば、資産効果の高い移動できる住居を手に入れた事と同じで、結構シンプルな生活が送れるのではないかと思ってしまう。
その際には、引越しもラクで、それひとつで、どこでも生活できるので、シンプルライフ信奉者にとって最適なモデルとなるではないかと思われる。
もちろん富裕層の方にはオススメなのは言うまでもない。付加価値のある家具を探している人で、資産として考えている方は、購入を考えても良いと思う。