モンクレール MONCLER 出発は 登山家向けの防寒 をコンセプトとしてダウンジャケットの名門ブランドへ
ダウンジャケットメーカーとして52年フランスグルノーブル郊外の「モネスティエ・ドゥ・クレルモン(Monestier de Clermont)」で創業され、頭文字を取ってMonclerと名づけられた。アルピニストの要望に応えるために研究を続け、54年イタリア・カラコラム登頂隊、55年フランス・マカル登頂隊、64年アメリカ・アラスカ遠征隊などの装備に採用され、68年のグルノーブルオリンピックでフランス・ナショナルチームの公式ウェアに採用された。参照:モンクレール
モンクレール、ブランドの好きな方は一度は聞いたことのあるブランドであろう。昨今では著名人や様々なファッション誌で取り上げられるようになってきているが、実際保有してみてどうだったのか探っていきたい。
ブランドを調べる際に、まずは高額モデルの取引はどうかと調べることを勧める。さっそく「オークファン」で相場を確認していこう。
ここ約 3 年の最高高値付近は、約 600,000 円程度になるようだ。高額なのは、ドラクロアやマスターマインドなどであろう。ここまでいくと、安価な中古車が買えるレベルとなっており、中古でも非常に高額になってくる。
数十万出せる人は、高額なベストも選択肢として考えておくことも良い事である。昨今では、モンクレールを着ているというだけで、ブランド保有効果もあり、羨望の的である。
ただ多くの人は、高額なモデルを手を出す事も難しいことなので、今回は、前年のシーズンを通じて、購入して使用してみた比較的手に届くモンクレール・ブランドの入門と言えるモデルを探っていきたい。
モンクレール MONCLER ダウンジャケット ブランソン ダークブラウン
安価なモデルを探すのは、比較的面白い調査である。服飾関連は、発売された時に最も高く、シーズン後半から在庫がダブつけば、一気に処分を行う為にセール品として、大幅な値下げを行う事で、将来の負債を減らして売上を維持することに努める。
すべて売り切ることを前提で、価格が下がる方向に動くのが、多くの企業で取られている事である。ある程度のブランド力がある場合は、この動きとはあまり関係なくなるのが良いところである。
中古市場としての価格は、ある程度下落するが、一定の割合で下落が止まり、二次市場の価格が底値と読めれば、それこそセール品よりも、割安で買える事ができる。
また元値が少々張るが、選んだブランドが人気であれば、二次市場の価格は、あまり下落することもあまりなく、大切にすれば、転売する場合でも、あまり損失が出ない。
例えば、中古価格が約 5 万円程度で1.2度着た美品程度のモノを買い、シーズンで着て一度寝し、その後リペア・クリーニングを行い、秋ぐらいに売却をすれば、下落幅は大幅に抑えられる。
前年、個人的な売買としては、約数万円のダウンジャケットを買い、シーズンで売却をしたが、約 35,000 ~ 36,000 円程度で売却 (自分でオークションやメルカリでも出せばもっと取れたかもしれない) ができたぐらいだ。
そうなると、最新モデルからの型落ちでもブランド力で嵩上げされ、下落幅はある程度相殺される。
季節型はシーズンの逆を狙いネット売買の弱みを業者の強みで相殺する
さっそく 「オークファン 」 で調べたのが下記である。約数万程度で良いモノが入手できそうである。買取価格は、新品で購入し状態の良いモノで、約60%~65%ほどの買取査定が付けば良い取引と言える。
実際、中古品を入手してみたのが、今回取り上げているモデルである。なかなか綺麗な美品で大変満足度が高い。その入手方法は少し特殊であるが、季節の反対の売買を行うことで、比較的リーズナブルに手に入れた。
入手方法は、春の前ぐらいから、買取業者に声を掛けておき、仕入(買取)を行ったが、在庫で今年の秋まで残りそうな商品に、在庫が仮に残った場合、購入予約を行い購入した次第である。
少しの間 取り置きしてもらい、シーズンが来たときに、取りに行くといった具合である。買取をして、シーズンを過ぎ、その後在庫となったモデルなので、価格は若干だが安く抑えられている。
そのようなモデルが出れば、すぐに買うことを確約しているので、相場よりも、安く買うことができた。これがオークション代行や、メルカリといった個人間売買ではそうはいかない。
個人間取引並びに店頭取引もそうだが、一般的にはシーズン時期にならないと、仕入れをした商品は出てこないわけであって、ネット売買は、その辺りがいちばんの弱点である。
また、仮にリーズナブルなモデルが出てきたとしても、ブランドの真贋も怪しく、手を出す事はリスクである。売る場合は、ネット販売の方がスピードが早く、時期が最適であれば、価格が高騰しやすい。
売り手にとっては、売るタイミングが図れることができるので、ネットは強みであるが、買い手にとっては不利に働く事が多い。
上記は、「オークデータ 」 のモンクレール・ブランドによる 約 5 年間の総落札数及び総落札額である。モンクレール・ブランドの「 5.6 」サイズを比較している。
実のところ、「 5.6 」に関してはあまりサイズの大小を感じないことから、両方のデータを出している。まさに季節型商品の典型例のデータであるが、約 9 月~ 1 月までの取引が極端に跳ね上がっている。
その他の月はほぼ取引されていない。つまり、この時期に余ってしまったモデルを狙ったわけである。
データから見えることは、全体の件数が、初期年度に多く取引され、その後大きく減ってきているが、年を追うごとに落札数及び額は安定的に取引されるようになってきている。
まだ、取引数も少なく、稀少性があり、その取引も数が一定数出てくると、さらに安定してくることであろう。季節的な取引のクセも把握しやすく、さらに業者にとってさらに売りやすく、買い手にとって購入が容易になると思われる。
現在でも、その知名度はまだまだ低いが、一般に徐々に浸透してきており、二次市場で季節を逆転させ、比較的良質なモデルをリーズナブルに買える事も近い将来できなくなるかもしれない。
季節型商品は、買う場合、その業界の慣習や人の繋がり、市場外での取引契約 (店頭) などが真価を発揮する。やはりプロにお願いすることで大きくコストが抑えられる。
高い気密性と保温性、着ていると季節を忘れるぐらい中は暖かい
さっそく着心地であるが、さすがに素晴らしい。中には、Tシャツ一枚で快適に冬を過ごせるという言葉も、それほど嘘ではなく非常に保温性が高い。
また肌に吸い付くようにフィットするこのフィット感は大変素晴らしいものである。分かりやすいのは、腕周りのフィット感は非常に高く、伸縮性にも富んでいる。
個人的に言えば、あまりファッションには興味がないが、ファッション性というよりも、冬における快適性という意味では、「モンクレール」は最有力候補として上げてもいい。
高価格を謳うブランドも多いが、多くはそのステータス性を重視するあまり機能性が損なわれているブランドも多い。
そんな中、「寒さを防ぐ」 というコンセプトにはブレがなく、高いなりの理由が改めて認識した次第である。
中古価格で高騰するのは、この高い機能性によるところなのかと試着して初めてわかった事である。あなたのデザイン性の好みが合えば、文句なく「買い」である。
寒さでいちばん気になるところは、首と頭周りであるが、十分な防寒対策が出来ている。少し寒くなった季節に、試着して外出をしてみた。
しばらく歩いてみて、首周りの寒さはほとんど感じなかった。今までは、コートにマフラーを着用していたのだが、マフラーは特に必要がなくなった。
マフラーをすると、逆に汗をかいてしまうほどの気密性である。フードを被ってしまえば、さらに暖かい。雪山を想定しているブランドなので、街中では若干暑いぐらいである。
インナーはトレーナー程度で、比較的冬は過ごせそうだが、脱いだ時の寒暖差は半端ではなく、気密性が高い事が逆の意味で寒さを敏感に認識した次第である。高気密過ぎると、季節を忘れてしまいそうだ。
30分間散歩がてら外出中に、ポケットに手を入れたまま過ごしてみたが、手の温度の低下は見られず、逆にほんのり手が湿ってきて暑かった。
私が住んでいる地域は、比較的山沿いなので、街中よりも若干寒いわけだが、街中で過ごせばさらに暑かったのかもしれない。
ポケットの保温性も抜群であり、汗をかいたとしても、滑らかな素材で覆われているので、サラサラした肌感は失われない。
内外部のタグとロゴも面白い。中のアニメタグは最初観たときに驚いた。ブランドらしからぬタグなので、最初は前の保有者が洒落で付けたのかと笑ってしまった具合なのだが、このタグが公式と分かりさらに好きになった。
前所有者はかなり大切に所有していたようで、傷やスレ、汚れもなく非常に綺麗に着ていたようである。素晴らしい状態。服飾関連で、売りに出される商品の大半が、着古しで傷や汚れが多い中で、ブランドを資産として見ていたのが嬉しい。
偽物が多く出回るブランドで注意するべき基本的事項を理解しておこう
最後は、あなたがモンクレールを保有する場合のアドバイスをいくつかしておきたい。まず、モンクレールジャパンでの正規店で購入したモデルを選定しよう。
正規店以外で購入した場合のモデルは、購入した本人も真贋が出来ていると思われず、偽物の可能性が高いので、手を出さない方が無難である。
次に、正規店の保証を確保しておこう。破れなどの修理・汚れた場合のクリーニングなどの保証を受ける事ができる。決して近いからといってクリーニング屋などに出さない方向で考えてもらいたい。
個人的に購入したモデルは、先に正規店にクリーニングに出したモデルを購入しているので、メンテナンス費用も削減できた。また正規店に通す事で真贋もできるので、一石二鳥である。
アフターサービスガイド付属の物を選ぶのはもちろんの事、メーカーでの修理等サービスが受けられる点は大きい。
また、八木通商株式会社の関連子会社、スプレンダーズ・アンド・カンパニーかモンクレールジャパンのタグが付いている物を選ぶ事である。
製造は、モルドバ製もしくはルーマニア製もあるようだが、主に東ヨーロッパ諸国で生産されているので、そこも確認するようにしたい。
細かい仕様では 「Lampo ジップ」 を使用しているか、販売者にジップの確認をとっても良いだろう。
いずれにしても、一度は正規店を通しておき保証などを確認できるか、はたまた、比較的真贋に定評のあるブランドショップで購入する方が無難である。
海外の訳の分からないECや保証系統が確保できない個人間売買においては、まだまだ取引のリスクの方が高いということが言えるのである。