「医療や健康」系のブログを書いている人からの相談だがある意味当たり前
少し前になるが、去年の 12月初旬 グーグルによる「医療や健康」に関連する検索結果の改善によるアルゴリズム更新が行われた。このアップデートは、主に日本市場のみのアルゴリズム更新であり、「医療及び健康」の検索結果だけに影響を及ぼす。
「信頼性及び品質が高く有益な情報」のみが上位に表示されやすくするのが目的である。先日、ある健康系分野のブロガーから、今後どのような環境に変化するのかという相談を受けた。
個人的に言うと「そんなものは知らん」のだが、相談者と中途半端に利害関係があるゆえに、少し考えてみたのだが、状況は極めて厳しいものになるだろうとある程度の予測はできるのである。
Google では、今週、日本語検索におけるページの評価方法をアップデートしました。この変更は、医療や健康に関する検索結果の改善を意図したもので、例えば、医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなります。本アップデートは医療・健康に関連する検索のおよそ 60% に影響します。Google では、医療や健康だけに限らず、今後も継続的に検索の改善に取り組んで行きます。参照:Google ウェブマスター向け公式ブログ 医療や健康に関連する検索結果の改善について
今回のアップデートで、医療・健康に関連する検索のおよそ 60% に影響するとのことで、品質の低い情報を中心に大規模な粛清が行われているが、ある意味当然の対処であろう。
あらゆる病気関連、歯や眼、健食、糖質制限、下半身など身体に関わる行為、頭部の育毛や民間の減量法なども、今後ターゲットになることはある程度予想がつく。
前回、DeNA という企業が、運営していた医療系情報サイトの「WELQ(ウェルク)の問題 」が大きく影響しているが、この事件が明るみになった瞬間から、医療関係者が関わらない素人が書く医療や健康系ブログやサイトは、ほぼ終焉したと言っても過言ではない。
なぜなら、企業側としては、情報の品質を大変重視しており、質を上げることで、企業としての競争力を高め、広告を出すスポンサー企業が、安心して広告出稿できる質の高い情報を求めているからである。
例えば、情報がスカスカで、質の低いブログやサイトに企業広告が出た場合、広告を見たユーザーがどう思うか。企業としては「ブランドの信頼」を問われることになる。
テレビや雑誌・新聞に広告を出稿するように、そうした品質の低いブログやサイトに広告を出稿したいとは思わないのと同じである。
人々のお金や生活に重大な影響を及ぼす Google「YMYL」
グーグルは「YMYL」分野の品質評価重視への動きをグローバルで進めている。
「YMYL」とはなにか。YMYLとは「Your Money or Your Life」の略で、マネー(経済)・健康・安全・法律等、世界中の人のお金や生活などに重大な影響を及ぼす可能性のある情報の事である。
この分野の情報に関して、品質評価重視への動きを強めたという事で、これらの分野のブロガーやアフィリエイト関係者は、いつアップデートがあるのか注視する必要があるだろう。
私の親族は、医療関係者 が多いのだが、素人の眉唾情報が幅を利かせ、現場でも困った事態が起こっていたようである。
医療関係者でもない素人が書いた健康情報などを鵜呑みにして、変な食事法や独自の減量方法を実践して、健康を害す人が一定の割合で確認されたようである。
免許も持っていないのにも関わらず、眉唾同然の怪しい情報を流し、健康を害し、命に係わるかもしれないという認識が欠如したブロガーやアフィリエイト関係者やライターも多数散見される。
今回、グーグルにおいては、良いアップデートであり、この手のサイトやブログを一掃する事は、これ以上被害を出さない正しいアルゴリズム更新だった思う。
また、医者であろうが薬剤師であろうが、ある一定のサイトやブログが、軒並み順位を落としているようだ。
これについては、専門家側の情報の出し方にも問題があると思われる。
私としては今回の調整は激しすぎるもののそれが日本のウェブには必要だったと思うので称賛されるべき状況と思います。ここまで調整がかかった上で公的機関や医師、大手メディアが文句を言い出しても「アンタ達がいい情報を出してないかウェブの基本に無知なだけでしょw」と笑い飛ばしてもいいレベル。— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2017年12月6日
まさにその通りで、医学に関わる人々も、ウェブの専門家の助言と活用を仰ぐべきであろう。ちなみに親族が、医療機関のウェブサイト系関係者であるが、勤める機関の医療サイトには、ほとんど影響はなかったようである。
しっかりと情報の品質が、担保できるようにしておけば、大した影響は受けないのである。この手の対策を強化したのは、「WELQ(ウェルク)」の問題が社会的な問題が出た頃である。
現在、医療や健康分野をテーマに書いているブロガーやアフィリエイト関係者の一部は、新しい分野のブログやサイトを慌てて立ち上げている。
グーグルも、約 1 年の猶予を持って、実施したわけなので、あの事件が起こった段階で、医療や健康分野の運営者は、早急に戦略の見直しをするべきであった。
また「YMYL」分野の品質評価重視の姿勢なので、この分野に該当する人も、いつ社会問題が起こるとも限らないわけであり、高品質コンテンツ Google「E-A-T」を遵守して書いていくべきであろう。
高品質コンテンツ Google「E-A-T」
この、Google「E-A-T」を相談者が知らずに、記事を更新しまくって、コンテンツを量産していたので「マジで知らずにブログ書いて SEO していたのかよ」と思ったわけだが、簡単に言うと、高品質なコンテンツの基準であるグーグルの造語である。
Expertise(専門知識)Authoritativeness (権威)TrustWorthiness (信頼性)の略で、あなたが高い専門性を有しながら、ある程度のその分野の権威 (人気) をお持ちで、信頼性のある質の高い情報を提供しているかである。
下記は、グーグルが公開した「高品質コンテンツ公式ガイドライン」である。
Google:Search Quality Evaluator Guidelines
一部抜粋すると、ここでは、普通の人々でも、詳細で役立つレビューやコンテンツや生活の知恵・経験などをシェアしている人々を優れたモデルケースとして書いている。
このように普通の人々でも、生活の中で経験した役立つ情報を提供していることで、彼らはその道のエキスパート(専門家)と考えて差支えはないとしている。彼らは生活の中の専門家であり、ペナルティは与えるべきではないとしている。
つまり私も含め、生活をする中で経験するスキルや能力については、エキスパートと認めているようである。たた、今回の医療や健康については、しっかりとしたプロフェッショナルから提供されるべきであると示している。
個人的にも、有名無名に関わらず、「E-A-T」の勉強のため、その道のエキスパート(専門家)のブログやサイトを中心に見ている。
それらに外れた内容は、残念ながらすぐに読んでもすぐに忘れてしまうことが多い。なぜなら、情報量と質がスカスカだからだ。
こうなると、いくら更新して数を増やしても、一時的にPV数を誇っても、アルゴリズム更新ですぐにやられてしまうのである。
ちなみに、個人的に、ダイエットの民間資格も持ち、25キロ以上の減量に成功しているが、医療や健康については書かない。なぜなら、その道のエキスパートであって、プロフェッショナルではないからである。
被リンクだけでは十分ではなくその上位にあるのが Google「Rank Brain」
コンテンツをつくり、被リンクをたくさん貰うことは悪いことではない (ブラックはダメだが) が、被リンクとは「最低限の条件」として考えておいた方が良いだろう。
被リンクに関しては、前回他のブログで取り上げたが、コンテンツを作り上げれば上げるほど、ある程度の被リンクは比較的ついてくる。
より重要なのは、その上位にある Rank Brain であり、またその上位に「その他の要因」のシグナルが上位に関わってくるのである。
ランクブレイン (Rank Brain) については【 Googleの新しいアルゴリズム、RankBrainの全容。SEO Japan 】が詳しい。
一時、グーグル・ハミングバードについて、業界が戦々恐々としていたが、良い情報であれば、大した問題は起こらないものであった。
ハミングバードは、検索アルゴリズム全体を指し、ランクブレインはその一部とされている。
いちばん重要なことは、優れた高品質コンテンツを常に書くことである
このように、コンテンツの質についての評価は、かなり詳細に進められており、より重要性を増してきている。
YMYLの分野 (マネー(経済)・健康・安全・法律) については、これからはより高い専門性とその情報の質が問われてくるであろう。
個人的に、当ブログの分野 (リサイクル・買取) は、YMYL の分野に、関わっていないので、アップデートの問題については、ほとんど問題がないが、情報の品質に関わる面については、今後も注意していこうと思う。
個人的に言えば、もうすでに何かしらのペナルティを受けているかもしれないし、本来ならもっと検索の流入は多いはずだが、更新をしても、大してアクセスの増大は起こらず、収益は大きくなってきているが、停滞期が長く続いている。
また最近で言えば、仮想通貨などのフィンテック系や投資系が幅を利かせてきているが、この分野は、 Google「YMYL」のストライクゾーンである。
この場合、政府や行政の規制や企業などの不祥事や事件などで、大規模なアップデートがあった場合、健康や医療軒並みに、ほぼ壊滅的な打撃を受けるであろうな。
まあ、それはどうでも良いのだが、広告を出す企業側の気持ちを汲めないサイトやブログは、今後基準も厳しくなり、検索や収益の面では厳しいことが予想される。
それは、テレビや新聞や雑誌などの業界を見ていれば分かることである。数字が悪いのは当然として、視聴率を取っても「コンプライアンス に引っ掛かる」ようなコンテンツを作る番組に、企業が”CM”を出したいかどうかであろう。
私たちブロガーやアフェリエイターが、広告収益を上げられるのは、スポンサーあってのことなのである。
高品質コンテンツの基準の守れないようでは、高い収益を貰う価値すら今後は無くなっていく。
いちばん重要なことは、自身が高い専門性を有し、その分野で優れた功績を獲得し、検索で訪問する人に、役立つ信頼性の高い情報の提供に努めることに尽きる。