上流家庭に静かに保管されるバブル時代の遺産・高級酒 ヘネシー・コニャック
ヘネシー コニャックのなかでも、 ノスタルジー・ド・バニョレという比較的珍しい銘柄を長期間保有していて、今回買取について一通り作業が完了したので、このあたりで簡単に記しておこうと思う。
1980年代の後半の日本では、あらゆる贅沢が多くの世帯で経験できた古き良き時代である。いわゆる平成の好景気・バブル時代である。
バブル最後の財産で、多くの家庭で眠っている資産のひとつが洋酒なのである。
空前の旅行ブームで海外に繰り出し爆買いをしていた日本人。また、国内においても湯水のように現金を使い、多くの商品を買っては、消費を謳歌していた時代である。
その名残が、キャビネットの奥の方に飾られ眠っているが、これの多くがバブル時代の名残である。読んでいるあなたが、10代~30代であれば、あなたの親世代がバブルを経験している事であろう。
その資産の中で、特に高額な洋酒のひとつが「ヘネシー コニャック ノスタルジー・ド・バニョレ」である。
前回 「レミーマルタンルイ13世」 を取り上げたが、レミーマルタンは、総中流層の多くが少し手を伸ばせば購入できたモデルであり、多くがアジア諸国での免税店など「アジア向けマーケット輸出市場戦略」で作られた比較的安価に購入したモデルが多い。
しかし、今回の「ヘネシー コニャック ノスタルジー・ド・バニョレ」は少し違う。このモデルは主に少量生産にて、限られた人のみが購入できた希少モデルなのである。
ある程度の富裕層か、特別な経路で手に入れるルートを持っているか、はたまたそれら両方である。
私の親族も昔はこの手であり、特別なルートでプレゼントとしてもらったようである。また、私の親族も含め、医者や経営者などが、洋酒をプレゼントをする慣習が一部あったようである。
たいして飲めないにも関わらず、バブル時代の日本人は、後先を考えずに、洋酒を買っていたようである。
現在の中国人の多くが、古い高級な洋酒を日本国内で買い、自国内で転売する需要に引っ張られ、このキャビネットの遺産は、再び日の目を見る事となったのである。
酒は飲んでナンボかと個人的に思うわけだが、流石に多くの洋酒が家には眠っており、そろそろ親族間の家財などの整理をしていく必要があり、引き継ぎ残された方は大変である。
そこで今回は、国内の中古市場で売られている「ヘネシー コニャック ノスタルジー・ド・バニョレ」 高額市場の調査と業者への買取査定及び売却計画を遂行してみた次第である。
ヘネシー コニャック ノスタルジー・ド・バニョレその稀少性からいまだに高額に取引されている
現在、中古市場で古いヘネシーが出品されているのが、多くはバブル時代に購入されたモデルである。当時の日本では、為替や税金の問題で、洋酒は高く、海外旅行のお土産の定番と言えば、洋酒であった。
ヘネシーのフラッグシップモデル に位置すると言っても過言ではないのが、ノスタルジー・ド・バニョレであり、その後、バブル時代の旅行ブームやプレゼント需要で、この時代の高級酒の多くが、日本に持ち帰られたわけである。
さっそくオークファンで相場をチェックしていこう。約 20万円代で比較的安定して取引されている。これについては、純正ケースがありすべて完品モデルが、この価格帯であるようだ。
さらに詳細に調査していくと、約 240,000~260,000 円程度まで高額な取引がされているようである。これらの価格帯については、非常に程度の良いモノ、減りが少ないモノ、保管状態が良く、劣化がほとんどないモノである。
相場結果から見て、約 200,000 円前後が買取査定の最高値と考え、その金額に近い買取業者さんに依頼することを軸に準備を進めることとした。
データを作成は、相見積の基本的な価格の比較として使え、ベンチマークも読めて、全体の相場観がある程度つかめる。
また、同モデルについては、空瓶の相場についても調べていく必要がある。
なぜなら、空瓶自体もブランド価値があり、その内容については、前回「【Remy Martin Louis XIII】2015年に突如現れた「ブランデー高額買取市場 」中古価値 0 円だったレミーマルタン ルイ13世 約 10 万円以上する高額ブランデー買取を実施してみた 」の件でもお伝えしたとおりである。
では同時に、オークファンで相場をチェックしていく。最高値あたりのモデルを中心に調査すると、約 70,000円程度が天井で取引されている。
これについては、あまり数が出回っていないので、この価格帯が最高額となっている。実際の価格は少しずつであるが、安めで取引されている。
空瓶は、専用ケースに入れて買取してもらう事も出来るが、この場合、空瓶の中古市場での価値はあまり高くないようなので、飲むことはオススメできない。
飲んでしまった後の相場も、ある程度掴んでおくことが、中古洋酒の市場では大切なことである。未開封のモデルと同時に相場観がつかめた。
相場参照:オークファン
ヘネシー・ファミリーが特別に作り上げる特別限定品
ヘネシー社は、バニョレ (バルネオルム) と呼ぶ古き館を大切に守り継いでいる。その館は、シャラント河の河岸に広がるコニャック地方の昔ながらの葡萄畑の上に、美しい佇まいを見せている。
その姿を見ると、ヘネシー社の人々は、心休まるオアシスを彷彿するという。バニョレは、白く、低い、特別に格式ばらない館である。
その始まりは、1840年。オーギュスト・ヘネシーがこの地所を手に入れ、ここに建っていた簡素な家を館に改築したことにはじまる。
その後、ヘネシー家は、1963年、この地所の所有権を彼らの同族会社に譲り、その後、新しいオーナーは、特別な人々を招待するようになる。
このヘネシー・ファミリーの館であるバニョレを祝う為に、ヘネシー社は特別なコニャックをつくる。それが、今回のヘネシー・ノスタルジー・ド・バニョレ・クリスタルである。
ヘネシー社は、代々ブレンディングを司る、6代目、7代目の人物、モーリス・フィリユー、イアン・フィリユーに命じ、ヘネシー社の誇る何万樽とも知れぬ年代物のオー・ド・ヴィ の中から、最も優れたものを厳選、ブレンディングしたモデルである。
200年にわたり、ヘネシーコニャックの個性を際立たせてきた、馥郁たる香り、まろやかな深味、スムーズな口当たりをさらに洗練、磨きぬいたという。
この琥珀の液体を容れるクリスタル・カラフ は、バニョレで使用している容器とまったく同じものである。
ルイ14世 の王室御用達をつとめた、1666年創業以来の由緒ある歴史をもつ「クリスタルリー・ロワイヤル・シャンパーニュ」社の製品である。
化粧ケースを開けると、容器の背景に絵が描かれているが、これもまた特別なのだという。バニョレに現存する原画を復製したものである。
サテンの上張りの上に一色一色細心の配慮で描き上げられている。中身、容器、化粧ケースに至るまで、ヘネシー社の特別限定品である。
由来参照:ヘネシー・ノスタルジー・ド・バニョレ・クリスタル 冊子
加熱する中古高級酒市場の牽引はやはり中国人の存在が欠かせない
上記は 「旧オークデータ (2018.06.30終了) 」 を使って、過去 約 5 年間のヘネシー コニャックのカテゴリーの平均落札額と落札総額のデータである。
データを見ると、やはり 2015年2月から突如市場が現れている。この時期を考えると、中国人の爆買いの時期と一致してくる。
中古価値ゼロと思われていた古いヘネシー コニャックが、平均 約 25,000円~ 30,000円で推移しており、レミーマルタンと似た相場を形成している。
また、オークションだけでも、突如作られた高騰相場は、約 6,000万~ 1 億円の市場規模を維持し、現在でも高騰を保ち、レミーマルタンは、先日約 1 億円を突破した。
最長で約40年間の間、ゼロだったわけだが、ここ2.3年で突如として中古価値が与えられた瞬間である。
酒屋の友人に聞いた話だが、最近では、このマルタンやコニャックに目を付けた隣国の悪質業者が、中身をすり替えて、高値で海外の他の国や自身の国で転売している輩もいるとの事で、さらに注意が必要となるだろう。
空瓶が奇妙な高騰をしているのも、ある意味納得できる話であり、私たちの国以外では、止めようがないのが現実と聞いている。
ただそれは、決して許してはならないし、犯罪被害に遭った場合 や 目撃した場合には、犯罪を防止する為に、我々も進んで警察に協力するべきである。
上記は、相見積表をつくってみた次第である。約 200,000 円には届かず。約 190,000 円強程度となった。
価格は、個々の状態によるので、付属品が揃っていない、瓶が汚い、専用ケースの保管状態が悪い、減りが多いなど、様々な条件が起こりやすいのが古酒である。
売却する前に、リペアを施し、またどの程度量が残っているのか確認して、量が減っている場合、安く買い取られる可能は高い。
何店か持っていく際にも神経を使った。また、高い売却利ざやを狙いたい人もいるだろうが、ご自身で出品して、通販作業を自身で行う場合、注意を要する。
液体・割れ物における特殊梱包をする必要があり、慣れていない人は、作業を慎重にしていく必要がある。
そうなると、お酒買取専門業者に引き取ってもらう方がよく、断捨離 などで処分を行うには丁度良い。
前回、断捨離の内容 【大掃除と断捨離】掃除の手順は現金化できる所からはじめる得する「高額買取 5つの 断捨離リストを記したわけだが、古い洋酒の市場は、現在が時期であり、大半の銘柄が早期に値段が落ちてくるであろう。
最高値を提出して頂いた業者に買取を依頼。売却して断捨離が完了した次第である。現在、古い洋酒市場は、高値で取引されており、それを購入するのは、主に中国人の転売業者である。
お隣の人民の懐が暖かいうちに、景気が悪化して急激に消費を控える前に、売却する方が個人的に良いと考えた次第である。