Audemars Piguet:常識を打ち破る傑作を数多く輩出する世界三大高級ブランド
ソネリや永久カレンダーなどの超絶機構を搭載した「グラン・コンプリカシオン」を1889年に、世界初の「ミニッツリピーターウォッチ」を1892年に完成させるなど、その比類なき技術力ゆえに、奇跡の手とも称されてきたスイス時計界の最高峰ブランド。1875年にスイス・ジュラ山脈のジュウ渓谷、ル・ブラッシュで創業し、現在も同地に拠点を置いている。超複雑時計の分野においてスイスでも別格的な地位を確立する一方、金無垢仕様が当然だった高級時計にSSを使った「ロイヤルオーク」を1972年に発表。ラグジュアリースポーツウォッチという新境地を開拓した。参照:腕時計の教科書
今回は 1972 年以降、金無垢仕様が当然だった高級時計市場に、大胆なSSデザインで市場に投入された「ロイヤル オーク」について取り上げておきたい。
その中で、ロイヤルオーク オフショアクロノグラフ モデルであり、通称「パンダダイヤル」と呼ばれているのが、今回紹介するモデルである。
日本国内では、ロイヤルオーク自体非常に数が少なく、取引データも取りにくいが、国内のオークション市場 (中古市場) では、価格的に安すぎるモデルの取引が多数みられる。
前回の【 AUDEMARS PIGUET ロイヤルオーク オフショアダイバー クロノは限定戦略で稀少性を高めた高級モデル】の件でも指摘したが、データから偽物同然のモデルが多数取引されていることから、平均相場で考えると若干低めのデータとなり、今回は掲載していない。
ロイヤル オークの製造方法を紹介している映像を上記に掲載しているが、実際の製造工程を見ていれば、贋物がいかに酷く作られているがが分かる。
激安と謳い、約 数万円程度で多数取引データが見られたことから、オークションデータの平均は、若干そちらに引っ張られている (普通ならデータを提供する企業が、そのデータを修正して、情報を提供するべきだが修正されていない) という印象である。
本物を見て触ってみたことがある人であれば、このような「まがい物」に引っ掛かる事は少なく、映像からその偽物の写真を見比べると明らかにチャチな作りであり、すぐに判断できる。
高額な高級ブランド品の知識もなく、初めて購入する場合は、いきなり中古品に手を出さずに、正規店か百貨店などで本物を購入した方が良いだろう。
割安に売られているからと、安易に中古品に手を出し、後で偽物とわかった場合のコストをカバーできない人は、高額な中古品で大やけどする場合が多い。
私もブランドに入門する際は、新品を購入し、その後中古に目を向けるようにしている。ブランドの相場や真贋も分からず、経験も無いのに、いきなり中古品に手を出すのは危険なのである。
相場はグローバルに調査、業者以上の利益を取るクロスボーダーEC 戦略を展開
最近、買取店などの力が弱くなってきていると感じているが、それは多様な販売チャネルを構築出来ていないことに他ならない。
個人的な話で言えば、私程度でもヤフオクやアマゾン、ラクマやメルカリ、果てはイーベイまでもアカウントを持ち、自分で購入したり販売している。
要は、業者が昔持っていた強力な仕入や販売チャネルは、個人でも持てる時代となっており、わざわざ買取してもらわなくても「自分で販売する」方が利益を取れてしまうのである。
現在の業者の存在意義とは、業者間市場での仕入と販売、その流通力だけであり、もはやビジネスモデルの限界が来ているということを証明しているのである。
ということで、オークファンを見ていこう。現在国内市場では約 2,200,000~2,500,000 円前後が最高額で販売されている。
と同時に、グローバルオークファンで、世界各国のネット販売されている今回のモデルを多数調べていくと、米国eBayで約 4,000,000 円代で比較的高値で販売されている。
このように事前に情報を掴める事は、買取をお願いする私たちにとっては、非常に追い風であり、買取業者を何社も回ることもなく、相場を基に話ができるのは非常にありがたい。
買取業者に買取を依頼しなくても、eBayに出品すれば事足りるわけだが、今回は取引は、クロスボーダーEC ( 越境 EC ) で直接顧客に届ける戦略を展開することにした。
お願いするのは、私の知人であり、約 10 年前ぐらいから越境 EC 事業を行っているパワーセラーに販売委託をして、手数料を払う手法を採用した。
こうすることで、自由に価格を決める事ができるので、最大の利益を取ることができ、また知人にも、ある程度儲けを渡すことができる。
と同時に、関連する腕時計専門店にも販売委託を行い、様子を見る事にした。個人で出品すればいいのではと思った人もいるだろう。
ただ、腕時計を多数保有していても、「真贋のつかない顧客」にとって個人では警戒される恐れもあり、専門店とパワーセラーに依頼することで、信用とノウハウを買うのが、実は一番の近道なのである。
AP ROYALOAK OFFSHORE CHRONOGRAPH Ref.26170ST.OO.1000ST.01
ロングセラーであり、着実にブラッシュアップを重ねる手堅い成功時計
パテックフィリップ、 ヴァシュロンコンスタンタンと並んで、スイス三大名門ブランドのひとつ。1875年の創業時から、卓越した職人による伝統技法を駆使して高級モデルを世に送り出してきた。
ステンレススチールスポーツモデルのロングセラー「ロイヤルオーク」はシンプルで完成度の高い成功時計である。
ロイヤルオークの派生モデルとして、市場に投入されたのが「ロイヤルオーク オフショア クロノグラフ」である。
ステンレスの仕上げを巧みに変えることで、非常にソリッドな外装デザインであり、メカニカルな仕上げとなっている。
独自の多角形ベゼルや立体的な文字盤など、基本仕様を変えないまま、初代のモデルのデザインを忠実に作り上げたことが成功の要因と言える。
デザインに関しては、成功し続けている故に、当時のデザインのコードを忠実に守り続けながら、ブラッシュアップを続けられている手堅い戦略時計だ。
通称「パンダダイヤル」と呼ばれているわけだが、色使いが白・黒・赤となかなか面白い。パンダをイメージしたかどうか分からないが、ホワイト系の文字盤に、視認性の高い「赤」を組み合わせるアクセントを利かせた秀逸なデザインとなっている。
文字盤は、「メガ・タペストリー」模様のホワイト系ダイヤルとインナーベゼル、黒系のカウンターを装備。蓄光処理を施した「アプライド アラビア数字インデックス」と「ロイヤルオーク針:赤針」を実装。
ケースは、SSケースは基本であり、反射防止加工 サファイアクリスタルガラスの風防 と 裏面上部に「オーデマ・ピゲ」のロゴと中央に「ロイヤル オーク オフショア」のロゴ、下部に「AUTOMATIC」が刻印されたケースバック。側面は、ラバーで覆われたプッシュボタンとネジ込み式リューズを装備。
キャリバーは「 自社製キャリバー3126/3840」であり、定番のキャリバーを搭載。ブレスレットは、SSブレスレット、APフォールディングバックルは標準仕様である。
そのほかに、ロイヤルオークは、ダイバース、クロノグラフ、トゥールビヨン、グランド コンプリカシオンなど様々に展開されている。
1993年に初めて登場して以来、ラグジュアリースポーツウォッチという世界的なトレンドを生み出したのが、ロイヤルオーク オフショア クロノグラフである。
当時は、約42mmというケースは、驚異的な大型ケースというブランドイメージであったが、現在は大型化が当たり前となっている。
相場に関しても、大きな値崩れもなく、高い人気を誇っているが、国内では若干知名度の面で弱い。
そこで今回は、様々な販売手法を行い完了した次第である。結果から言うと、大きく化けることはなかったが、約 2,000,000円代前半と買取業者に出すよりも、約 10.5 %ほど利益が上昇したのである。
手数料を差し引いた額面での受け取りなので、売却する側としては、かなり高くなったと思っている。
クロスボーダーECは、中古業者の新しいトレンドとなりつつあり、多くのプレーヤーが、海外との取引を中心に事業を拡大していくことが考えられると思う。