HARRY WINSTON :ジュエリーで培われた技術で革新的な挑戦を続けるラグジュアリーブランド
創業年=1932年/創業者=ハリー・ウィンストン/創業地=アメリカ/ニューヨーク州:キング・オブ・ダイヤモンドと称されるジュエラー界の大御所ハリー・ウィンストンは、時計界に89年より進出。ジュエリーで培われてきた伝統と技術を、最新の時計製造技術に取り入れ、真の豪華さと希少価値を追求している。01年からは「オーパス」プロジェクトを打ち出し、著名な時計師とともに、革新的なコンプリケーションウォッチを続々と発表。04年からは「プロジェクトZ」なる計画にも取り組んでおり、その一貫として開発された素材「ザリウム」は、軽量、高硬度、低アレルギーかつ耐蝕性にも優れるといった時計に最適な特性から多くの注目を集めている。参照:腕時計の教科書
いまや日本でも知名度が上がってきたアメリカのジュエリーブランドである「ハリーウィンストン」。時計業界に参入したのは、比較的最近であるが、意欲的なモデルを送り出しているブランドである。
全体的にジュエリーブランドらしく、ドレス路線のモデルを多数市場に投入しているが、より男性的なスポーツモデルを軽く紹介しておきたい。
ハリーウィンストン オーシャンスポーツシリーズである。投入されるモデルは、すべて高額な値段が付けられているので、中古市場でも高額な部類に入る。
日本では、著名人や富裕層を中心に、通好みのブランドであり、米国系老舗ジュエリーブランドが、スイス製の腕時計を市場に投入し続けるその真価とはどうなのかというのが非常に興味があった。
前回、当ブログ【 SG:スウォッチ・グループ 買収を通じて見えてくる プレステージ・ラグジュアリー構築戦略 】でも取り上げた次第であるが、スウォッチ・グループが、ハリーウィンストンを買収し、同グループの一員となってからさらに腕時計分野での活躍が見られている。
そこで今回は、スウォッチ・グループの流通網やエンジニアリングにもアクセスできる企業になった前後に展開された同モデルを見ていきたい。
クロスボーダーECと専門店での併売を行い最終的に業者に売却
さっそく オークファン でみていくと、約 900,000 ~ 1,000,000 円戦後で売却されている。中古市場に出てくる数は少ないが、出品されると比較的高額に取引される。
個人的に、オススメなブランドであるが、若干古いモデルを中心に、時間を掛けてゆっくり探す事で、良い個体を手に入れる事が出来る。
焦っていてはこの手のブランドはなかなか手に入る事はないであるが、スポーツ系の同モデルで、約 1,000,000 円以下の程度の良いモデルを探すのは、比較的苦労する。
現在のところ約 800,000 円以下であれば、お買い得である。同様に中古モデルを安価に入手できたが、転売益が得られたかと言えば、大きなマイナスである。
数が少ない事から、価格が安定しておらず、また上昇するようなブランドではないが、年々投入されるモデルは、その魅力を上げてきており、人気になるのは時間の問題なのかもしれない。
当初、クロスボーダーECと専門店での売却を依頼していたが、比較的数も少なく、また検索することも少なかった事から、最終的には業者にお願いをした。
同ブランドの平均的なリセールバリューは 約 40~50 %程度である。またリセールは、OH/メンテナンス付きである事、状態の非常に良いものに限られる。同ブランドの買取は、そこから約 10 %以上マイナスで考えておく必要があるだろう。
そんなに高い買取額ではなかったが、処分できて一安心と言ったところであるが、実のところ今になって「売らなければ良かった」と思っていたりする。
それだけモデルの不思議な魅力に溢れ、所有欲をくすぐる巧みにデザインされたブランド時計なのである。スポーツ系で、程度良く新しいモデルが中古市場で価格が安くなってきたら、再び入手しようと常に調べている。
HARRY WINSTON OCEAN SPORT ハリーウィンストン オーシャンスポーツ
スポーティとエレガントを兼ね揃えた複雑機構のタイムピース
キング・オブ・ダイヤモンドと称されるジュエラー界の著名ブランド「ハリー・ウィンストン」が、1989年に時計業界に参入してからは、様々な宝飾時計を世に送り出してきた。
2000年に入ってからの「オーパス」や「プロジェクトZ」など一連のプロジェクトに挑戦する姿勢は、新しい客層に向けられており、好感が持てるブランドである。
ジュエリーで培われてきた伝統と技術を、最新の時計製造技術に取り入れ、高級とは何かと同時に、ブランドの希少価値の追及という意味において、ハリー・ウィンストンは、なかなか先に行っているように私たちには見えるのである。
ハリー・ウィンストンが「オーシャンスポーツ」コレクションを 2011 年前後に市場に投入したわけだが、デザインに関しても奇抜で革新的な造形を採用している。
この手の近未来的な幾何学デザインは、酷く失敗する場合も多く、様々なブランドがメカニカルなデザインを採用するわけだが、ハリー・ウィンストンに関しては、不思議とチープには見えず、絶妙なバランス感覚で私たちユーザーに「未来」を魅せてくれる。
一度見ると、印象的なデザインであり、骨太で男性的にみえる力強いフォルムなのだが、同時に細かい部分まで精密に仕上がってる。
幾何学デザインを採用したシンプルな 3 針モデルであるが、余計な機能を排除したモデルであり、シックな印象も兼ね備えている。
ダイヤルは、各刻み目ごとに夜光にも対応したパターンが、規則的に配され、有機的にベゼルまで繋がっている。
全体的にモノトーンカラーを採用し、非常に滑らかに動く青い秒針とグレーダイヤル、 3 時位置の大きな窓には、アーチ状の青色の日付表示が配され、中央上部に ロゴ、中央下部には、ザリウム の印字が確認できる。
ケースに使われている「ザリウム」とは、軽量、高硬度、低アレルギーかつ耐蝕性に優れた素材として、ハリー・ウィンストンが採用している独自素材である。
ジルコニウムを主成分とした合金ということで、チタン素材よりも硬く耐蝕性に優れ、それでいて軽量であり、他のブランドにはない個性的な光沢である。
装着してみれば分かるが、非常に軽く、付けている感覚を忘れるぐらいである。それはそれでいいのだが、逆に重量感がないので、チープな印象を受けてしまうのが心配になるくらいだ。
ハリー・ウィンストンの「オーシャンスポーツ」コレクションは、ドレスモデルも多数展開しており、同じようなデザインに飽きているマニアや新しい富裕層などに受けるであろう。
近未来的な幾何学デザインとメカニカルな装いに、宝飾を散りばめた豪華なモデルは、他の時計ブランドではなかなかつくる事はできない。
逆説的だが、ジュエリーブランドだからこそ、その真の強みを活かしているといえ、今後もコレクション展開が楽しみなブランドである。