OMEGA Ω/オメガ:輝かしい栄光が示すスイス時計界代表

創業年=1848年/創業者=ルイ・ブラン /創業地=スイス/ラ・ショー=ド=フォン:1885年に発表した超高精度ムーブ「ラブラドール」や、ブランド名の由来ともなった1894年の名作「Cal.19(OMEGA=Ω)」などによって、創業当初から世界的なヒットを記録。卓越した信頼性と機能性から、壮大な冒険をサポートした実績も多く、深海探査「ヤヌス計画」では「シーマスター」(48年) NASAの宇宙計画では唯一の公式クロノとして「スピードマスター」 (57年) が使用された。特に69年の人類初の月面着陸に携行されたスピードマスターはムーンウォッチの愛称で多くのファンに親しまれている。99年にはコーアクシャル機構の実用化に成功するなど、脱進機革命のパイオニアとしても君臨。2014年には、時計界の課題だった帯磁問題を解決。1万5000ガウスの磁場にも耐え得るキャリバー「マスターコーアクシャル」を発表。高耐磁ながら、シースルーバックなども可能とした。参照:腕時計の教科書
価格データからも読み取れる”オメガ”のパブリック・リレーションズ 戦略

さっそく「オークファン」を見ていこう。高額ランキングのようであるが、見事にシーマスター300スペクター「007モデル」が上位に並んでいる。映画のパブリック・リレーションズ効果がここでも活きている。
オメガはその秀逸なパブリック・リレーションズ戦略で、その都度、オメガブランドの名声を確立してきた歴史あるブランドであり「オメガここにあり」という事が、オークションデータからも読み取れる。
ブランドと著名人、歴代シリーズ化された映画のイメージとブランドイメージを重ね合わせるのに、今回の「007」は成功と言えるだろう。

ブランドの名声を確立する場合の著名人の扱いは、ルイヴィトンのシリーズでも取り上げたが、参照:【LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン、セレブリティとブランド パブリック・リレーションズ 戦略】このモデルのプレミアム性が数字によっておおよそ判断できる。
発売された当時は、約75~80万円前後であり、約140万円程度まで値を上げている。
オークションが正しく行われた事を仮定 (サクラの存在を無しと考えると) すると、まさに、純粋なブランドの実力が反映される中古市場で、パブリック・リレーションズ 戦略の効果は、約1.86~1.75倍のプレミアム効果になったわけである。
オメガは時計ブランドの中でも特に秀逸にパブリック・リレーションズ 戦略を実践している。映画にちなんだ「7007本」という限定数にも希少性に拍車を掛けている。

ここからは過去3年間のオメガの一般的な相場であるが、約100万円までの価格帯が並ぶ。このあたりまでくると、一般的なオメガの中古市場であり、私たちでも手の届く範囲である。オメガは日本ではかなりのモデル・数が出回っており、それこそ玉石混合である。
これはお金がない人に向けた個人的な戦略だが、中古やアンティークなオメガをリペアして、研磨して程よい状態まで戻したモデルをつける事をオススメしたい。
その場合は、時計修理のショップや企業、オークションや中古ショップにある程度の知識と慣れ、何度かの取引が必要となるが、何度か経験していくうちに良いモデルと出会える事ができるだろう。
ブログでは紹介はしていないが、かなり多くのアンティークオメガを手に入れ、経験したが、アンティークにはアンティークブランドの味があります。何度かオメガはブログでも紹介したので、はじめての方は参照していただきたい。
オメガ スピードマスター 351050 メンズクロノグラフは精力的なビジネスマンに最適なモデル
スピードマスター(Speedmaster )の原型は「シーマスター」に手巻きのキャリバー321を搭載した「シーマスター・クロノグラフ」であり、裏蓋のシーホースにその名残を伺うことができる。1957年に「スピードマスター」となった。
オメガ コンステレーション 1552.30 パーペチュアル クォーツはビジネスからカジュアルまで広く使える定番モデル
コンステレーション(Constellation )とは英語で星座の意。1952年に発売された。文字盤6時位置にある星と、裏蓋の天文台が目印。COSCのクロノメーター検定に合格した機械を積んだ高級ラインであり1960年代の日本では高級時計の代表的存在であった。
基本的に私たち普通の人々は、このように時計販売・買取業者での店頭か、一般的なオークションなどで出玉を待つことでしか手に入れる事はできないのである。
オメガに関しては、一時期低迷していた時代に多くの安価な製品を売り出していた時期のモデルについては、比較的入手はしやすいが、現在においてはラグジュアリー化が進み、ブランド力が増してきている。
まさに値段もそうだが、すぐに買えない事がさらに高級ブランドを神格化していくのである。
多くのモデルが多数出品されている活況なヴィンテージ市場
Reference:Omega Official Luxury Brand Site / Pintarest user page : Speedmaster Professional Moonwatch Apollo 11 “40th Anniversary” LImited Edition
多くのモデルが多数出品されているオメガ・ブランドですが、手になじみやすく非常に少数精鋭の秀逸なモデルをよりよく改良を重ね、着実にモデルの性能を上げている。
個人的に好きなブランドなので、若干贔屓目に見てしまうが、多くの人が日々仕事で、様々なプロジェクトで大きな壁に挑戦する場合、手元にあると非常に嬉しいブランドである。
例えば、上記のスピードマスターであるが、アポロ11号25周年記念モデル限定500本であるが、困難なプロジェクトでも、オメガが正確な時を刻む、宇宙へ出る為の生命線を担うモデルであるという事が、イメージできるかと思う。
高級ブランドとは、その製品の品質はもちろんの事、それに伴うエピソードなりストーリーなりを購入した顧客に同じくイメージを提供できるからこそ、こうした高額な価格で取引されるのであろう。