ロレックス:中古市場で抜群のリセールを誇るブランド戦略で高値で取引される高級ブランド
創業年=1905年/創業者=ハンス・ウィルスドルフ/創業地=イギリス/ロンドン:腕時計の将来性をいち早く見抜いていたハンス・ウィルスドルフにより、1905年に創業。精度はもちろん、要求される性能を満たすための腕時計開発を積極的に行い、1926年に世界初の完全防水ケース「オイスター」を完成させる。1950年代以降は、プロフェッショナル向けの製品も積極的に開発し、「エクスプローラー」「サブマリーナー」「GMTマスター」「コスモグラフ デイトナ」など、現在でも続く人気ウォッチを展開。参照:腕時計の教科書
1955年、初代GMTマスターは、国際線パイロットたちの要望に応えるべく誕生した。2005年、その進化形として登場したGMTマスターⅡは、世界を股に掛けるプロフェッショナルに欠かせないさらに優れた機能を提供する。 このモデルは両方向回転の24時間目盛り入りベゼルと、独立した24時間針を備え、3つの異なるタイムゾーンを表示することが可能である。また、2箇所の時刻を同時に表示する。参照:ロレックス 公式:GMTマスターⅡ : 116710LN
型番:Ref 116710LN
シリアル:G 番 / 10年
ケース:オイスター、40 mm、スチール
構造:モノブロックミドルケース、スクリュー式
直径/素材:40 mm/904L スチール
ベゼル:双方向回転、24時間目盛り、セラクロム
リューズ:スクリュー式、トリプロック(三重密閉構造)
風防:クリスタル傷防止サファイア、日付表示部にサイクロップレンズ
防水性能:100m/330フィート防水
ムーブメント:パーペチュアル、機械式、自動巻、GMT機能
キャリバー:Cal.3186 完全自社製造
機能:中央に時針、分針、秒針。24時間表示。
第 2 タイムゾーン表示、独立した時針で迅速に設定。
瞬時に変わる日付表示。秒針停止機能による正確な時刻設定
振動子:耐磁性ブルー パラクロム・ヘアスプリング
自動巻:パーペチュアルローター両方向自動巻
パワーリザーブ:約 48 時間
精度:日差 -2 ~+2 秒
ブレスレット:オイスター(3列)
素材:904L スチール
クラスプ:セーフティキャッチ付オイスターロック、イージーリンク
腕回り:約 17.5cm
付属品:純正保存箱・国際保証カード・保証書関連
定価 (現在):約 860,000~890,000円前後
国際派のビジネスマンや旅を制するプロ・ユースのためパイロットモデル
驚異的なリセールバリューで、長期間に渡って安心して投資ができ、その中古市場でも抜群の人気を誇るロレックス。
さて、そんな ロレックス GMTマスターⅡ の機能を簡単に説明していきたい。
まず、タイムゾーンを超えて時を刻むというコンセプトの下、本来ではプロフェッショナル・ユースのために製作された同モデルは、その驚異的な堅牢と機能を持ち合わせ、主にパイロットモデルとして、多くの旅行者などに愛用されてきた。
3つの異なるタイムゾーンが表示可能で、世界を飛び回るビジネスマンに最適なモデルなのである。
なぜ、今回このモデルを紹介することになったのか、簡単にであるが経緯を説明しておきたい。
今から、7.8年前に親族が、仕事で世界を飛び回る (と言っても欧州と日本とアメリカであるが) ために購入したモデルである。
親族は、長く海外貿易の仕事をしており、船便や空輸など荷の輸送の管理の仕事をしており、日本での取次や海外で仕入れのための買付、海外の空港や港との関係者 (同じグループで企業に勤務する) などのやり取りをしていた。
そのために、どうしても一つの時間では満足出来ず、現場で多くの時間を瞬時に正確に見れる腕時計が、急ぎ必要となり、購入をするキッカケとなったようなのである。
そんな親族も、海外に勤務することも少なくなり、国内での取締役の仕事や執行業務となってからは、同モデルをあまり必要となくなり、違うロレックスのモデルを使用することにしたようである。
もう使われなくなったGMTマスターⅡをほぼタダ同然で安く譲り受け、個人的にも建築プロジェクト (海外との時差のある交代制のプロジェクトで、海外で設計する人材とのやり取りなど) や海外出張等の際、何年かガンガン使用し、少し古くなってきたので、買取査定に出した次第である。
今回は、この同モデルがどうなったのかとモデルの魅力なども含めて簡単にではあるが、記しておきたい。
抜群の中古市場での評価、定番人気で稀少性高く、ボックス圏で取引しやすい環境
さっそく「オークファン 」で市場をチェックしていこう。同モデルについて、ここ 5 年間の高額価格帯を取り上げている。
約 770,000~810,000 円前後で取引されているのが分かる。比較的状態が良く、新品並びに新品仕上げ済モデルや美品の場合となっている。
ロレックスの場合、新作よりも旧作の方が高騰しやすく、需要と供給の関係でプレミア化する場合が多いが、それは主にスポーツ系の人気モデルの話である。
同モデルについては、比較的使われており、傷や汚れが目立つので、譲り受ける前に新品磨き仕上を入れてもらった。
写真に関しては、磨きを入れる前であるが、磨きを入れた前提で査定に出す事としたのである。
同モデルについては、大きな価格変動は少なく、逆に狙い目といったところであろう。他の人気モデルと違い本数も少なく、相場も並みで比較的取引しやすく、リーズナブルに購入しやすい。
ただ、買取業者側の立場で言うと、大きく儲け転売できるほどの業者が魅力と感じるかと言えば少し違うであろう。
といっても価格が大きく下落した 2010 年前後に購入しているので、実のところ買取査定額は、当時購入した価格とほとんど変わっていないのである。そのような意味で言うと、ロレックスブランドの高いブランド人気が分かるのである。
また同時に「旧オークデータ (2018.06.30終了) 」で、約 5 年間の総落札数をみていこう。約20~40件と非常に少ない取引数を形成している。少し前より取引数の相場は底となっており、稀少性が上昇していくことが分かってくる。
日本国内市場では、あまり見かけることがないのは、定番であるが人気と言う意味ではあまりないことが分かる。
このように通常では、転売等に向かないモデルであるが、安く譲り受けているがゆえ、かなりの儲けも出てしまう可能性もあり、そのあたり譲ってもらった親族には、豪勢な夕飯を奢ったというのは言うまでもない。
装着感が心地よい金属の質感、疲れにくい軽量感、堅牢かつロレックスが守る基本的なデザイン
使う私たちがまず留意しないといけないのは、長く快適に装着できるかどうかである。オイスターブレスレットは、美しさと肌に吸い付くような軽快な装着感を提供してくる。
堅牢で地肌に合う優れた金属のブレスレッドは、幅広な三連リンクの構成であるが、個人的にはこのブレスがいちばん好きである。
ロレックスモデルで最もオーソドックスなブレスレッドであるが、人気の理由は装着した人であれば、すぐに虜になる。
また、ロレックスブランドのイージーリンクは、より快適な装着感を実現しており、手首の温度変化や膨張に上手く対応しており、過酷な環境でも装着している感覚が失われたほどである。
一度誤って、現場で同モデルを正面から派手にブツけてしまい、腕から外れそうになり、壊れたかと心配になったが、軽い小傷程度で済んでおり、強固な金属に守られていることが実証された。
つまり、それだけ腕と一体感が得られていたということでいり、信頼性を担保するために、過酷な環境下での開閉テストの効果が出ていると感じた次第である。
長期間使用しても新品のような輝きを放つセラクロムベゼル
極めて硬質なセラミック素材は、ロレックス以外の高級ブランドでも採用されることが多くなってきた。
セラクロムべゼルインサート並びにモノブロックべゼルは、耐蝕性に優れ、長期間にわたり鮮やかな色彩を保持する。
その言葉通り、長年世界各国で仕事をしてきた人より譲り受けたため、耐傷性は抜群である。
親族は過酷な環境で、フォークリフトや荷運びもしており、海水を浴びたり、ブツけることはしょっちゅう起こしていたと言っていたが、傷に関しては皆無でほとんど影響を受けていない状態である。
写真は研磨前の譲り受けた時の状態であるが、ほとんど傷もなく綺麗な状態である。
この超硬質なセラミック素材を製作するため、イエローゴールドまたはプラチナの薄い層でべゼルをコーティングするというユニークな方法で開発しているという。
この驚異的な耐蝕・耐傷性もあり、譲り受け使ってみたいと思っており、自身も使ってみてその恩恵を十二分に受けたのである。
ロレックス独自開発・製造、自動巻き機械式ムーブ、キャリバー 3186
このモデルは、ロレックスが独自に開発・製造した自動巻き機械式ムーブメント、キャリバー 3186 を搭載。
3186の特徴は、従来の時針、分針、秒針に加え、2 つめのタイムゾーンを示す24時間針のメカニズムを搭載していることである。
ロレックスの全ムーブメントには、スイス公認クロノメーター検査協会 (COSC) のテストに合格した高精度の時計にのみ与えられる、クロノメーター認定を受けている。
機械においては、現場での仕事の関係上 (ずっと机にしがみ付く業務ではなく、外での現場業務で高級腕時計は真価を発揮する)、定期的にオーバーホールを行っていたので、非常に正確な時を刻んでいた。
三度目のオーバーホールを済ませ、四度目のメンテナンス時期が来る際に、買取査定をお願いしたのも、新型モデルをみたことによる。
また個人的にも、今回の買取の売却益で違うモデルの購入資金としたいと思っており、どのモデルを選ぼうか少し悩ましいところがあるが、同モデルが古くなってしまったので、次回は少しグレードの高いモデルも購入検討対象として考えられるようになってきた。
それも、同ブランドの商品に、高騰前の安い時期から投資しているからであり、ロレックス・ブランドの驚異的な高騰が、結果的にプラスに働き、年々売却益が増えていくという経済的な面でも潤う。
ラグジュアリーに上手く投資すれば、追い金もなくなり、逆にお金は増えていくのである。これは誠に不思議な現象である。
実はラグジュアリーブランドを購入できる層の一部は、この現象に気づいている人もおり、富裕層の中ではラグジュアリーブランドばかり狙う人もいるが、それができるのも、将来の金銭的ブランド価値を比較的正しく概算できる人に限られる。
価値が上昇していくことで多くのファンを獲得する真のブランド
上記は、「旧オークデータ (2018.06.30終了) 」で、ロレックス GMTマスター モデルによる 約 5 年間の平均落札額である。
平均落札額をみていこう。2013年頃まで、約 250,000円程度であったが、その後急激に上昇。約100万円前後まで上がり、約 500,000~600,000 円をベースに行ったり来たりしている。
これは比較的一般的なモデルについての平均であり、約 500,000~600,000円前後が買取査定額の価格帯といえる。
今回は、相場が見えやすく取引しやすいので、買取査定を比較する必要もなく、知り合いの買取店に一発査定で買い取りに応じた。
内訳は、こちら側でオーバーホールとケース研磨 (新品仕上げ) の費用を持ち、増額してもらって 約 550,000円とした。
あまり査定額は高くないが、1.2万円を増額するために何件もはしごする労力を考えると、知り合いに一任する方がメリットが大きいと判断したからである。
親族は知人を通じて正規品を安く購入したようだが、安く購入した価格が、約 600,000円前後というから驚きである。
現在は中古品にも関わらず、当時の新品価格とあまり変わらないのである。
今回のケースは、メンテナンス費用と必要経費を引いた額で安く譲り受けたが、不用品の処分のはずが、軽くサラリーマンのボーナス分ぐらいの利益を得てしまった。
そのような意味で言えば、ロレックスというブランド価値の凄さを改めて知ったわけであるが、現在の中古品が、当時の新品価格とあまり変わらないブランドも世界中探しても殆ど見られない。
それだけ、価格が上昇しているわけであるが、多くの人が血眼になり、発売すれば即完売するのも頷ける。
私たち購入するユーザーから見れば、稀少性もあり株式銘柄のように、年々中古価格が上昇していくブランドこそが、真に価値があるブランドとも言えるのである。