小説の主人公たる男女のアイキャッチ画像をデザインしていく
前回は、ロゴデザインを非常に簡潔にデザインしました。今回は、そのロゴデザインに添える小説の主人公のイメージを描いていきます。
今回は、ロゴと違いキャラクターイメージですので、キャラクターイメージとなる資料を多く集め、プロのイラストレーターに外注を行いました。
ただ単純に、イラストレーターに丸投げするよりも、こちら側の明確なビジョンを含め、そのイラストレーターの個性を活かしたタッチで仕上げてもらいました。
このやり方には理由があります。私自身が、約100人前後のイラストレーターからビジュアルのタッチを確認して、波長の合うイラストレーターを選定しました。
私個人のセンスが、イラストレーターが表現するデザインと波長が合い、そのデザインと波長が合う将来のユーザーにも、惹かれるものを感じると考え、その感性に訴えかけます。
「なんとなく主人公が好き」と感じるユーザーの為に、イメージする力の弱い人にも、導入しやすいカイドイメージとして、主人公までをデザインしておきます。
依頼するのは簡単ですが、理想的なイラストレーターを探す方が時間が掛かり、依頼するイラストレーターが見つかってからは、約 1 日半でプロジェクトは完了してしまいました。
それには、しっかりとしたコンセプトイメージや色の選定、男女の構図や表情やトーン、背景の配色まで事前にイメージを固めていたからです。
主に、私の手法は欧州系のラグジュアリーブランドの実物のデザインやイメージカタログを参照していきます。
多くのラグジュアリーブランドを見てきた私としては、これらの実物の重量感や製品カタログ・人物モデルの方に、デザインの記憶や配色や構図のパターンが蓄積されています。
ですので、アニメ系統や小説やドラマ系統をイメージの拠り所とする多くの人の手法とは、若干違ってきます。最終的にデザイナーに伝える際、近い人物のイメージを伝えます。
今回は、自らの得意分野で、将来のユーザー層の拡大を考え、当ブログには訪問しない若年層 (20代後半~) にもアプローチしやすいアニメ風の親しみやすい男女イメージを創造します。
1. ラフスケッチドローイング
男女ペア感が出るイメージを創造しました。大まかな指示ができるように、思いついたイメージ文章を素早く書いていきます。大まかな身長差やロゴの配置場所、背景を加味しつつ、色のパターンや構図や人物の服装などをスケッチしていきます。
2. ファースト・ラフデザイン
男女は、お互い美男美女を想定。女性は、ファッションブランド雑誌のイメージや 菱川師宣の「見返り美人」のイメージを借りています。古来から日本の美しい女性の図案イメージは、自分的にも美しいと思っていたからです。
男性は、シンプルに自信のあるイメージで、女性にモテ、若くして成功した実業家のイメージを想定しています。
3. ラフ線を消して線画デザイン
ファースト・ラフデザインの若干の修正を指示して、線画デザインに工程を進めました。男女の前後を若干変えているのが分かります。
今回は、女性が主人公のため女性が前面に出るように配置を変更。男性はサポート役に徹する役回りゆえに、後方に置きました。色をつける前の下地となります。
4. 色入れ:ファースト・アタック
色に関しては、今回は紫をベース色とし、高貴なイメージを想定しています。女性は少し気さくな美人なため、バランスを考え、普段はファッショナブルな服装で仕事をしています。
少し大人のキャリアウーマン風で、黙っていると美人だが、話したり行動をすると、どこか親しみがあり、愛情深い雰囲気をイメージさせました。
男性に関しては、いつも高級なスーツを着ているイメージで、光沢のある深い青色のイメージカラーとしています。
1.2 の背景に関しては、少しイメージの齟齬があり、シミのようなイメージを修正してもらうことにしました。3 は、女性の服装で、肩面から腕に掛けての服装が、シースルーになるように修正の指示を出させて頂きました。
ただ、概ねイメージしたデザイン通りなので、クオリティーが高く満足な出来です。
5. 色入れと修正:セカンド・アタック
指示を出した修正箇所を直してもらい、さらに微細なグラデーションや色入れを行ってもらいました。あとは、紫ベースの背景と修正可能な白の背景など、細かいデータの納品方法などを打合せました。
6. ロゴと図形の組み合わせ
前回制作したロゴと今回のキャラクターの二つのデータを組み合わせます。中心よりも少し右側にキャラクターをもってくるようにしています。
左側のロゴは、彼女の少し下側に配置しています。今回は、お互いメインとして据えますので、干渉し合わないように微妙なバランスを取りました。
7. 著作権・原作者表示、デザイン者名、エピソード表示、ブログロゴ、背景の統一、隠しロゴ(星座)を配置
タイトル通りですが、著作権・原作者表示、デザイン者名、エピソード表示、ブログロゴ、背景の統一、隠しロゴ (星座) をなどを配置していきます。
同じようなアイキャッチが並ぶことになりますので、エピソードごとに数字を変える事と 6 番の隠し星座は、大よその事案発生月をあらわしています。
個人的にも書いている季節が分かり、実話に近いエピソード回もあります。今回のファーストエピソードは、さそり座なので、10月下旬から11月下旬の話となります。
8. 細かい配置の調整をして完成
大まかに配置を決めていったので、さらに細かい配置を調整して完成とします。
ゲートとなるアイキャッチは、イメージすることが弱い人のためにガイドとすること
今回は、導入となるアイキャッチ画像の制作を行いましたが、最終的にプロの手を入れて、素早くイメージを創作することで、グッと良いアイキャッチを得られました。
当初はもっと劇画調で、書き込みを多くして官能小説の表紙のような写実的なイラストを考えていましたが、コスト面と作画の簡易さを考え、書く工程の少ないアニメ風としました。
また、作画に写真のような特徴的な絵ですと、創作した人の味が色濃く出てしまい、コンテンツの拡張性が制限されてしまうと思ったからです。
コンテンツの拡張とは、漫画、アニメ、テレビドラマ、舞台など、当初のイメージを強く作り過ぎると、それに引っ張られてしまいます。
よくアニメや漫画の実写版で、作品によって苦労する場合がありますが、それは作者自身のキャラクターの味が濃く、それが売りになっているというのもあります。
小説の分野は、自身のブログのカテゴリーの拡張と新しいユーザーの獲得という意味においても、キャラクターイメージを作り込み過ぎないということを考えました。
キャラクターについては、男女ともに親しみやすさを考えています。男性ユーザーの場合は、その女性の「美貌」を最初のイメージの拠り所とします。
パッと見、可愛いか可愛くないかこのあたりに苦心しています。また、ブログの特性上、長くターゲットを絞り過ぎの感があり、約 60 %が、30代後半~40代前半のファッションに興味のある男性ユーザーですし、高級ブランドを身にまとっても、映える若き女性としています。
また、女性ユーザーの目線としては、美貌もさることながら、その中に親しみやすさがあるかどうか、おしゃべりや一緒に遊びに行っても楽しいか、想像する友達の中でも「気さくな美人」を想定しました。
男性の方は、比較的若くして苦労をしたが、ビジネスで成功している状態で、彼女よりも富と権力を持ちながら、何不自由のない「ビジネスマン風」としています。
多くの仕事の依頼を受け、解決するごとに、男性の名声は高まりますが、彼女の優れた能力なくしては、案件を解決できない弱みを持っています。
当初は、既存のユーザー層 (30~40代) に向けて、夫婦二人三脚で、愛とビジネスを盛り上げていくストーリーを考えましたが、これからは格差からくる独身という「個における生き方」を選ぶ人も多くなると想定されます。
日本のボリュームゾーンが、独身層で占められる場合を想定し、彼はその年の割に独身であり、性格に難があり結婚できない男、女性は若く美貌を武器に仕事をしてきたが、経済的に苦労しており、将来的に経済力のある男性と密かに結婚を夢見る女性として、メインストリームを押える事としました。
今回のキャラクターを創作してくれたイラストレーター歴 3 年の SAK さんは、本業のお仕事でも活躍され、個人でも多くの案件を引き受けており、人気のイラストレーターさんです。
自身がイメージしているビジュアルを上手く表現してくれたので、またイラストを拡張する際に再度お願いすることになるでしょう。
上記までは、ユーザーのガイドイメージを考えて創作していますが、ここからはユーザー目線を除外して、個人的な願望はと言うと、表紙などは有名漫画家さんに書いてもらいたいというのがあります。
ただそれは、出版社の障壁があったり、前提として、自身が著名という個人のブランド力を獲得してからになるでしょう。
荒木飛呂彦先生のジョジョ風、原哲夫先生の北斗の拳風、北条司先生のシティハンター風、諫山創先生の進撃の巨人風など良いなあと思っています。
ブランドを研究している当ブログでは、著名な漫画家さんにイラストを創作してもらえるという「最高の栄誉」をいつか獲得できるように作品の充実に頑張りたいと思っております。
叶わない願望を書くといつか成就するという「願掛け」をちょっとしておきたい考え、ここで終了したいと思います。
Illustration:SAK
デザインしてもらったイラストレータは、イラストを描くのが好きで、趣味や仕事でもイラストを描いている経歴 3 年の「 SAK 」さんで、人気のイラストレータです。