ブランドの PR となる書籍に必要とされる表紙のデザイン
ジャケ買いという言葉があるが、まさにその顔となる創作物の表紙は、購入を考える人にとって大変重要なのであろう。個人的に言うと、ジャケ買いで購入した商品などであまり良い経験をしたことがない。
当ブログでは、主にラグジュアリーブランドを中心に扱っており、常に数十万円以上のレビューを行うこともあり、大半のブロガーが高額ゆえに購入できず、レビューすることができない分野ということで、比較的競争力の維持に大きく貢献しているのは理解している。
小説などの書籍については、有名無名に関わらず、手に取れる安価な価格帯で売られているため、価格だけを見ると、中身についてのクオリティーは重要ではないように見えるが、価格が安いにも関わらず、顧客 (読み手) は厳しい目で見られ、競争に晒されるのが書籍の世界なのである。
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私の場合、小説の分野については、他の多くのプレイヤーと逆の戦略を取りたいと思っている。有体に言うとラグジュアリーブランドが行う商品戦略を取るという事である。つまり、一定のPRやマーケティングはするが、セールスはほとんど行わないという手法である。
これは、無名の人間であれば、比較的簡単に行うことが可能であり、名声を築き上げた人にとってはやりにくい。また、無名の人間が行うことはできても、売らないという手法はなかなか行いにくいものである。
それでは、お金にならないではないかという疑問が起きると思うが、これを読んでいるあなたもセールスに参画して頂いているので心配はない。
つまり、どこから収益源を得るかの問題であり、小説は個人のブランディング戦略の一環として考えると、セールスやレビューを追う必要もなく、レッドオーシャンに飛び込む必要はなくなる。
今回は、書籍の顔である表紙について、手早くデザインを行い仕上げを行った。プロのように作り込まず、私のような素人でも簡単にできるように、最近では表紙のデザインもソフトを使えば、比較的簡単に仕上がってしまうものである。
では、その6つの手順を簡単にみていきたい。
1. コンセプトイメージを素早くスケッチ
今回は、第一話分のイラストがあるので、イラストを最大限使い、それに合ったイメージをつくる。シリーズとして第二話、第三話と、イラストを変えていくので、その都度イラストの表紙を考える必要があるが、物語を先に作るのでイメージするのは比較的早く終わる。
大枠のデザインを考える中で、帯枠のデザインを固定化することで、シリーズにおける手間が掛からなくなる。最終的に変える部分は、イラストと背景、物語タイトル、話数だけでとプラットフォーム化できるようにしておきたい。
2. 物語に合わせ背景イメージを作成
恋愛の要素が含まれるゆえ、夜空をバックに男女のシルエットを加えた。といってもキャラクターで見えなくなるのだが、背景もしっかりと作り込むことが重要。懐中時計を表現する歯車と組み合わせることで、暗示的に見せるようにした。
3. イラストとロゴを組み合わせ、大よその位置を確認
イラストを上部に、ロゴを下部として今回はデザインした。ただ、プラットフォームの効率性から考えると、帯のデザインはほぼ固定としたい。私はデザイナーではないので、素早くイメージ化しておき、今後大きく変更のないように、位置取りには時間を掛けた。
4. 背景イメージとイラストを組み合わせる
夜の背景を浮かび上がらせるイメージで作成しているので、イラストの背景となる部分を薄くしていく。一度大幅に薄くしておいて、あとで背景の色を追加している。帯がイラストに掛かる部分は、半透明にしてイラストが透けてみえるようにしている。
5. 作品コンセプトキャッチ用の下帯をつくる
シリーズ全体を固定化する下面の帯のベースデザインをしていく。シリーズとなる場合は、なるべくデザインを変えず、イラストの変化でアイキャッチとしておきたい。
そのためには、固定化する場所を集約しておく方が良いと考える。もしシリーズのコンセプトが変化する場合は、帯の中身を変更すれば良いカタチとしておく。
6. 下帯に文字入れ、全体の微調整、作者名、ロゴの波部分色のグラデーションをつける
全体の微調整をしながら、簡易的なキャッチをつくり下帯に挿入。物語タイトル、作者名、ロゴの波部のグラデーションで変化をつける。
ファイグリッド・メディアワークスは、他のプラットフォームなどで書房名などを入れる必要があるため、仮タイトルで入れている。コンセプトスケッチ通り、ざっくりとコンセプトキャッチの文字入れは行っている。これでおおよそ完成した。
採算が取れない小説のデザイン分野は手間を掛けず、短時間でざっくりと作る
以上のような手順で、短時間であるがざっくりとデザインして完成したのが上記のβ版の表紙である。クラウドソーシングでイラストなどができる人が作ると数千円程度のコストが掛かってしまう。
単純に表紙を作るだけで、割高であると思うが、個人的に手を動かすところにこの手の作品モノの面白さがある。かくゆう小説家と言われている人々は、文章の技巧は優れているかもしれないが、ビジュアル的なイメージとなると非常に弱い側面を持つ。
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小説を書いてみて分かったが、採算の取れない小説という分野一本で勝負する人々は非常にリスキーな生き方をしており、とても真似できるものではない。なぜなら彼らは小説だけのセールスで勝負しているからである。
私にはとても真似できないが、個人的に趣味で小説を執筆できるのも、このブログがサラリーマン以上の収入を上げているからに他ならない。
という事なので、WEB小説にセールスを気にすることはないのだが、個人のブランディング、ショールーム的に小説を出しているという既成事実は必要なのであり、表紙となるデザインが若干重要なのである。
表紙のプラットフォームが完成したので、とくに採算の取れない小説のデザイン分野については、プロのような仕上げを行わず、β版で回して中身を煮詰める方が良いだろうと判断した。
そのような意味で言うと、今回のデザイン作業は、多くの気づきと経験を私に残してくれたのである。