不動産投資:高ければ買わず安ければ買いが不動産投資の基本
不動産は生涯でもっとも大きな買い物である。家を買うのか、家を借りるのか「持ち家派」「賃貸派」として論争が長い期間続いているが、お金の基礎知識の山崎氏氏によれば、対象物件が高ければ買わず、安ければ買う方が得と指摘している。
さらに詳しい内容は【図解 山崎元のお金に強くなる!】を参照して頂きたい。様々なお金にまつわる事を書かれていて非常にわかりやすく説明されているので、一読してもらいたい。
この「持ち家派」「賃貸派」として論争は、現在購入しようとする物件が、将来において収益があるか、または現時点で購入すれば損失が出ているか、その場合、賃貸して仮の住処として判断するか、つまり損か得かといった点で結論が出てしまう。
重要なのは、この判断を「投資物件対象」として見て、購入を行うか行わないか、賃貸にするかという点にあると教えてくれる。
その場合、資産運用の対象とし、投資用不動産として考える事もでき、例えばアパート経営や投資不動産として売買ができないかという事まで踏み込んで考える事が可能になってくる。
不動産の将来の収入を事前に概算する事の意味
収益物件かどうか不動産投資として不動産を購入を検討すると考えると、持ち家にしようとしても、見方が変わってくるであろう。
不動産の将来の収入は【将来の家賃収入+将来の売却価格】で計算できると山崎氏は指摘している。
お買い得感を煽る営業マンのトークに振り回されてはいけない。この金額の現在価値よりも、物件価格が安ければ、買った方が得。物件価格のほうが高ければ損と判断できる。
その場合の注意点は【将来の家賃収入・将来の売却価格】の評価方法による。また住宅購入におけるデメリットも考慮する必要もあるだろう。
現実的には、将来の家賃下落、物件の修繕費、税金などの支出を考慮する必要があり、必ずしも計算だけではどうしようもないが、概算を算出する事である程度のベンチマークが分かりその後に評価方法を順次調べ、数字を入れ込んでいき、より正確な数字をはじき出す必要があるのを忘れてはならない。
そうすることで、不動産投資リスクが減り、投資用不動産としての価値をある程度正確に知る事もできる。
この場合、将来の価値を現在の価値に換算して考える事からはじめる。その場合割引現在価値で判断する。
割引現在価値で不動産投資物件の損得を考える
現在持っているお金と、将来手に入れるお金は同額でも価値が異なる事を前提に考える。
将来のある時点で受け取ることが期待できる価値をもし現在受け取る事にした場合にどの程度の価値になるかを割り出す。将来の価値をある率で割り引いた「割引現在価値」で判断できる。
例として、100万円を 1% の金利で銀行に預けると、現在の 100万円は、1年後に 101万円なることが期待できる。
1年後の 101万円は、現在の 100万円と同じ価値だとみなされる。この場合、元本 100万円は将来価値である101万円の「割引現在価値」と言い、その割引率は1%であると考えられるわけである。
この原則を使って不動産投資を行うか行わないかを判断する指標と考える事を教えてくれている。
では、シュミレーションとして、約 20年で得られる家賃収入の合計が6,000万円で、20年後に物件が2,000万円で売却を検討する。
将来の収入の割引価値を現在価値にして割出すと投資判断が明確になる
実際にある物件の将来収入を考える。家賃が月々25万円(年間300万円)で割引率6%とした場合、1年目の現在価値は約283万円と計算できる。
同じように2年目、3年目と20年間の現在価値を割り出し、合計すると4064万5,858円である。この金額よりも物件価格が安いなら「得」高いなら「損」と判断できる。
つまり、購入か見送るかその時の投資判断のひとつのベンチマークを知る事ができるのである。
またこれを知ることで、自身がその価値を現在からその将来において価値を上げる事ができるのであれば、さらにお得な購入をする事も可能である。
投資不動産として、資産運用も可能となってくるであろう。それを可能するには、あなたの知恵と行動力がモノを言う。それこそが不動産投資の醍醐味である。