老人が増えビジネスチャンスを狙い老後不安を金融業界が煽っている
世の中に蔓延する「老後生活への不安」を金融業界がビジネスに利用している。金融業界にとって老後不安は大きな商材。不安を駆り立てて、有利とは言えない金融商品を購入させようとしている。
例えば、個人年金保険は利率も悪く、積立期間も長い代表的な「避けるべき」商品ということで、この手の商品を老後対策として業者が勧めてくることが多くあると、お金の基礎知識の山崎氏は指摘する。
さらに詳しい内容は【図解 山崎元のお金に強くなる!】を参照して頂きたい。お金についてあまり知識がない方にも分かりやすく指摘してくれるので、一読して頂きたい。
老後における不安は、金融業者にとって老人の増加は、ビジネスチャンスであり、今後あなたが老境に迫って来ると、この手の話をよく聞く事になるだろう。
年金は確実に減り続け、年金なし老後を過ごす人々も増えてくる。また、老後資金計画を事前に計画と準備することによって、老後資金の貯め方も変わってくるであろう。
お金のない老後にならない為にも、ぜひ事前によく調査を行い、老後資金計画を立てて、しっかりと正しい意思決定を行い、老後資金の貯蓄を今から始めても遅くはないのである。
老後資金の貯蓄額を概算する 3つのステップ
- 現段階の老齢年金額を把握する
- 現在保有している資産額÷360ヶ月
- 老後の生活費をイメージする
- ❶は、日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」で受給額の目安を知ろう。受給額は実質価値で年率1%ずつ減価してくことも覚悟する。
- ❷は、資産額は【換金可能な時価評価額-債務額】でざっくりつかむ。95歳まで生きると仮定すれば、360で割ると1ヶ月に取り崩せる額が計算できる。
- ❸は、貯蓄・運用・老後の働きによる稼ぎを考える
老後資金計画対策 ① 現在の保有資産額をざっくりつかみ老後の資金はいくら必要かを把握する
まず現在の保有純資産額を【換金可能な時価評価額-債務額】でざっくり計算することからはじめる。
時価評価額には、金融資産や不動産も入り、現実的に売却できる資産の価格も計上するという。現在の保有純資産額が把握できれば、360で割という。計算は65歳でリタイアしたら、95歳で360ヶ月(30年)だからです。
現在の保有資産額が、3600万円なら月々10万円。つまり老齢年金の見込額+10万円が「リタイア後、1ヶ月に可能な支出額」になる。
あとはリタイアまでどれだけ資産を形成できるかであると山崎氏は指摘している。
この純保有資産額であるが、なかなか形成すること自体が難しいであろう。仮に3000万円以上獲得できたとしても、新社会人の生活水準程度にしかならない。
これに関しては、現段階の年金額での計算であり、年金は年々減り続けていく事であろう。つまりは、若年層ほどこの方程式は通用しなくなる。
年金額自体の先細りは確実なので、いかに現役時代に貯蓄と投資に励むかで、老後の生活水準が変わってくるであろう。
老後の生活費は、夫婦二人の生活費で考えたいところである。仮に独身の老後だとしても、もうひとり分ぐらいの生活費の余裕は欲しいところである。
このように、老後の資金はいくら必要か現在の保有額からつかむ作業をぜひ若い時に取り組んで概算して頂きたい。
老後資金計画対策 ② 現役時代にしっかりと堅実に貯蓄に励む
老後対策でもっともキモとなるのが、現役時代に貯蓄に励む事であろう。老後の収入の見込もなく、年金もない場合を想定してみることからはじめる。
現役時代に手取りの給与の30万円の30%を42年間貯蓄すると、単純計算で現役時代の70%の支出で生活すると、約 25.7年維持できる。
65歳でリタイアするとしたら、90.7歳まで生活できると山崎氏は指摘している。これらの数字をあげているが、あまり現実的ではないだろう。
現実的なシュミレーションは個々の人々の所得水準によるので、はっきりと算出できないが、かなりの貯蓄を現役時代から取り組む事で、安全圏の老後を送る事が可能である。
社会人になったら、貯蓄する習慣をしっかりとつけ、目先の誘惑に惑わされず、独身の老後でもしっかりと生活基盤を作れるぐらい、堅実な生活を行う事で、豊かに生活できると、数字は示してくれている。
老後資金計画対策 ③ 若い間に老後の生活スタイルを考える
公的年金が「20万円から13万円に」と思うと「生活できない」と暗い気持ちになるのはわかると言います。
仕送りで暮らしていた学生時代の生活水準を考えておきましょう。老後の生活資金を準備できていない人は、そのような生活水準が老後にやってくると考え、現役時代にしっかりと貯蓄と投資に励もうと行動することが大事。
まずは、現在の生活スタイルで浪費癖のある人は、お金が出ていかない仕組みづくりを実践することから始めると良いだろう。
自分の意志だけでは長い貯蓄生活を過ごす事は難しいであろう。その場合、強制的な天引きなど「使えない仕組み」を導入することでいつの間にか貯蓄体質になってくる。
貯蓄体質になれば、日々お金を貯めるのは楽しくなり、一種のゲーム感覚で楽しめる。世の中の企業は、お金を「使わそう、使わそう」とあの手この手であなたの資金を狙っている。
別に狙われても良いのだが、あなたの自制心を働かせる最も重要なイメージは、実は「老後の自分の生活」をいかにリアルにイメージできるかである。