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【決算書の急所】基礎編:出版・新聞セクターは紙の新しい価値創出が出来ない典型的な下り坂業界

【決算書の急所】基礎編:出版・新聞セクターは紙の新しい価値創出が出来ない典型的な下り坂業界

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いつまで経っても何も改革できない古臭いメディア

 

新聞離れが叫ばれて久しいですが、現在においてもその流れを止める事は出来ておらず、基本的には何もしていない。何かしていたとしても、結果が伴っていないので、何もしてないと同じである。新聞業界では水増し的な小手先のテクニック手法が、横行する次第であり、所謂「押し紙問題」であるがこの手の話が浮上する段階で、すでに衰退産業である事は誰の目にも明らかである。

新聞のいわゆる「押し紙」問題を図にしてみる】でも取り上げているが、何をやっているのやらと言った具合である。そんな新聞業界で、2009年度は新聞業界でちょっとした衝撃が走ったのではないだろうか。ネット広告が新聞広告を初めて上回ったからだ。また新聞購読世帯数が年々急速に減り続けている。新聞業界は現在空前の不況の真っ只中にいるのである。

 

日本の広告費の推移と新聞発行部数と普及度
参照新聞の発行部数と普及度|調査データ|日本新聞協会 参照図録▽広告費の推移(対GDP比、媒体別)

 

図をみてもらいたが、年々減り続けているが、抜本的な改革を行っている形跡は見られず、自分たちが危機に陥っているのにも関わらず、改革をしている形跡は見られない。昔から同じ事を延々続けているだけである。ネットに対応した戦略をとっているが、ネットと同じように寄り添う戦略で紙媒体である新聞を購読する事はないだろう。

要は新聞業界は、業界情報、著名人、事件など速報性はネットに敵わず、広告効果についても、これもダメで、紙媒体を購読する為のメリットを打ち出す事も出来ない古臭いメディアのままなのである。

 

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長く黒字経営に胡座をかき現在その過去のツケを支払っている業界

 

新聞業界は長く新規参入が少なく、宅配制に守られ黒字経営が当たり前であったという。これまで黒字が当然の業界で、赤字転落となれば様子は違ってくる。新聞広告はバブル期の1989年にピークを迎え、1兆3000億円規模まで膨らみ、全国紙に1面ブチ抜き広告を掲載するには、1000万円でも足りなかった時代であったが、2009年度には6500億とほぼ半減しており、ずっと下り坂なのである。

過去の栄華が忘れられず、かといって過去の栄華を取り戻す動きもなく、他のメディアと他の事業で食いつなぐ典型的なカネ喰いビジネスである。

 

繰延税金資産を多くを占める企業は赤字になると途端に逆ざやになる

 

そんな衰退事業が赤字になると、決算書では「繰延税金資産」の計上が認められなくなる。

「繰延税金資産」とは支払った税金のうち、還付が予想されるものを資産としてカウントしておくもので、株主資産の一部を構成している。

 

【決算書の急所】基礎編:出版・新聞セクターは紙の新しい価値創出が出来ない典型的な下り坂業界

 

赤字となればそもそも税金の支払い自体が減るので、税金の還付を見込んで資産に計上する意味がなくなるという。

であれば、資産としてカウントしていた新聞事業を抱える企業は、年々この数字を減らしていく必要に迫られるだろう。株主資産のうち、繰延税金資産が多くを占める企業は、年間ベースでの赤字転落と同時に、株主資本が大幅に減りかねない。まさに蟻地獄である。

このように長くその地位にしがみつき、抜本的な改革のできない業界は、その大きな巨体を衰退させながら、いつか終わりを迎えるのである。

 

参照文献:倒産した会社・倒産しない会社の決算書

 

 

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About 磯守 航史郎

食べる事と温泉・マッサージが好きな勤め人。過去には大小様々な職業につき、現在は不安定の中の安定を楽しんでいる昔から「変わり者」と言われた中年。
好きな分野は、ブランド戦略/建築・不動産/知的財産権/EC・オークション/金融・投資/カメラ/時計/モデルやアイドルなど、ジャンルは幅広いが、趣味や元家業・知人との関係で関わった事件が中心であり、現在は利害関係もなく、気軽にブログを書いている。テーマは知的財産権とブランドとの関係・市場での価格の関係、偽ブランドの撲滅など、高尚なテーマをより面白くしたいと努めている。

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