キャッシュフローのパターンを知ることによって事業のパターンが分かる
財務分析といえど、順番に分解し、理解を深め、仕組みを解き明かせば難しい事はないと伝えてくれている。この財務三表一体分析法は非常に面白く、知的好奇心をくすぐる方法である。さらに詳しい内容は、【決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 】を参照してもらいたい。
この手法の応用的な内容は、就職や投資などの面で非常に役に立つことになるだろう。キャッシュフロー計算書を分析するのは、図にあるように8つのパターンに当てはめれば良いという。そこで今回はこの 8 つのパターンを分析していこうと思う。
キャッシュフローとは現金の動きを見る物差し
企業の活動とは、1.お金を集める 2.投資する 3.利益を上げるという3つの活動である事は前回説明した次第である。
しかし、事業の評価とは「どれだけキャッシュを投じ、どれだけキャッシュを得られるか」ということである。
貸借対照表と損益計算書に限った分析だけでなく、企業における「現金の動き」を見ることが極めて重要と著者はアドバイスしてくれている。
この現金の動きを表すのが、キャッシュフロー(CF)計算書である。そのキャッシュフロー計算書の着眼点を見ていこう。
キャッシュフロー計算書のパターンを見ていこう
キャッシュフロー計算書は、3つに分かれている。
- 財務CF:どうやってお金を集めたか
- 投資CF:何に投資したか
- 営業CF:どうやって利益を上げているか
これを踏まえ、図にあるように8つのパターンに当てはめれば良いという。例えば「C」のパターンは、将来戦略が明確な優良企業の例である。
営業CFがプラス、営業活動で現金を増やし、また将来に向けて積極的に設備投資を行い、投資CFはマイナス。このお金を銀行からの借入や株の発行などで調達し、財務CFがプラスになっている事を読み取る事ができる。
一方「E」パターンは、営業活動すればするほど現金がなくなり(営業CFマイナス)それを手当するために保有する土地や株を売却(投資CFがプラス)し、借入金や社債でもお金を集めている(財務CFがプラス)事が読み取れる。なるほど非常に便利である。参照文献:倒産した会社・倒産しない会社の決算書