Berluti/ベルルッティ:靴職人の出会いをきっかけに靴づくりに一生を捧げた創業者

初代の創業者アレッサンドロ・ベルルッティは、1865年、イタリアのセニガリア生まれ。手先が器用だった彼は、最初は指物師になるのだが、20歳の頃、老練な靴職人に出会ったのをきっかけに、靴作りに一生を捧げる決心をする。野心に燃え、功名心もあった彼が思い描いたのは、当時も今もファッションや文化において世界の中心であるパリで成功することであった。1887年、故郷を離れた彼は、まずはサーカス団と一緒にヨーロッパ各地をまわり、団員のための舞台用靴などを作りながらフランスを目指す。職人芸に芸術性が加わったのはこの頃だ。パリの地を踏んだのが1895年、現在に続くメゾン創業の年である。参照:フランスのブランド美学
中古市場では数が少なく希少で、リセールバリューの高いモデルが高額に取引される

さっそくオークファンで落札相場をチェックしていくが、非常にリセールバリューの高いモデルが高額に取引されている。
比較的ブランドの浸透力は低く、主に百貨店で売られているモデルが、オークション市場で希に出品されている。
ブランドの浸透力が低い事は、二次市場で購入を検討する場合にも、ライバルが少ないゆえに、質の良いモデルと出会える事も多く、個人的にも落札にチャレンジしているが、なかなか勝てないでいる。
いつか欲しいと思うモデルもいくつかあるのだが、数が少ない事、リセールが高い事、日本での店舗が都心部から離れた地方では少ない事と、未だに手に入れられないままでいる。
相場価格を言うと、約 20 万円後半~約 40 万強となかなか値落ちがなく、リセール価格は高い。
また買取価格については、未使用品で、約 30 万円までが多く、約 20~30万円ラインの程度の良いモデルが入れば連絡をしてもらいたいと、いくつかリサイクルショップにお願いしているが、未だに良いモデルと出会えないままである。
下記は、オークションで個人的に特に欲しいモデルと思ったモノを上げてみた。
ベルルッティ アンジュール ビジネスバッグ パティーヌ ホールマーク レア

ベルルッティ グランエクリトワール レザーバッグ パティーヌ

ベルルッティ ランフォルメル ショルダーバッグ ダークブラウン

一つ目のゴールデンパティーヌモデルは、オルガ・ベルルッティによって愛しい母へのオマージュとしてファミリーの魂と思い出を永遠のモノになるようにシリーズが投入されている。
ゴールデン・パティーヌとは、文字部分を金色に染める独自の色づけ方法であり、精製したゴールドパウダーをカリグラフィに染め、パティーヌにする手法である。
その仕上がり具合で大きくデザインが変わって見えるが、一目でベルルッティ・ブランドと分かるゴールドラインが欲しいなと思った次第である。
二つ目のグランエクリトワール レザーバッグは単純にデザインが好きなこと、限られた上顧客からのオーダーのみ、特別に製作していたバッグをロールアウトされた 6モデル のなかのひとつで、現在は絶版モデルという紹介において、非常に欲しくなった次第である。
購入時の価格は約40万円と、あまりリセールバリューが落ちていない人気の高さが伺える。
三つ目のランフォルメル ショルダーバッグ ダークブラウンは、ショルダーラインは二次市場で特に少ない事、デザイン性が良く、状態が未使用な事、また自分が求めているサイズ感がピッタリな事で、価格的にも約20万円代と比較的リーズナブルという事で、欲しいと思ったモデルである。
ショップに注文しているモデルがこの系統の三つのモデルであった場合、すぐに購入しているであろう。それぐらい味わいのある雰囲気のあるモデルである。
世界制覇の足がかり”LVMH”グループの傘下と現当主オルガ・ベルルッティの功績
タルビーニオの従姉妹で、16歳でメゾンに入って靴作りの修業をしていた現当主のオルガ。彼女はイタリア生まれで、学生時代に哲学を学んだ才媛。靴作りに関しても、顧客だった外科医から足の生理学や解剖学などを学んだ新境地を開拓する。それまで黒や褐色しかなかった紳士服に他の色を導入すべく、色付け技法ができる特殊な皮を開発した事だ。参照:フランスのブランド美学

1993年、LVMHの傘下に入ったことで、世界進出の足がかりを作ることになったが、若干マーケティングやPRが弱いように感じる。
個人的にも、ベルルッティはブランドを勉強しだしてから初めて名前を聞いたぐらいである。
例えば、ルイ・ヴィトンであれば、どんな男性でも一度は名前を聞き「なんとなく高い」という共通の認識をブランドに詳しくない男性諸氏なら思う事であろう。
ただ、ベルルッティと言っても大半の男性が理解していない。これについては、さらに積極的なマーケティング活動を行ってもらいたい。
男性向け高級ブランドは非常に少なく、女性の顧客が中心である百貨店だけに縮こまってビジネスするだけでなく、玉石混合であるブランドをあまり知らない人に、長くリーチを伸ばし、男性に何を購入すれば良いのか「基準」示す事が、海外ブランドが日本で売る最適な手法であるのは、今も昔もあまり変わっていない。