Chaumet/ショーメ:ナポレオン1世の時代から続く老舗宝飾店はLVMH下で攻勢にでる
ショーメの成功とヴァンドーム広場は切っても切り離せない。当時のヴァンドーム広場は、今でもそうであるように、国際的なお金持ちが行き交う場。1898年に創業したホテル・リッツには、世界中の大富豪や王侯貴族、有名人が、パリで買い物をするために滞在していた。1885年、7代目の後者になったのが、6代目の娘婿ジョゼフ・ショーメ。彼こそ1907年に店舗をヴァンドーム広場に移転し、古き良き時代と言われる20世紀初頭のベル・エポックを背景に、創始者の金銀細工師マリー=エティエンヌ・ニトから1世紀余りを経て受け継いできた店の名を「ショーメ」にして一大飛躍させた立役者である。参照:フランスのブランド美学
オークション市場で活発に取引れるのが主に宝飾時計が大半
日本人の心を捉えているのが人気モデルであるリング・ネックレス・イヤリング・時計であり、比較的時計の取引がオークション市場で多いようである。
中古市場でも、そのブランドネームは聞こえてくるが、モデルにおけるトレードマークがいまひとつ見えてこないからだ。
多くの場合女性向けのプレゼントに渡されるこれらのモデルで、ショーメにおけるモデルが候補に上がる事が少なく見る機会もほとんどない。
比較的時計やジュエリー系統のショップなどに足を運び見に行く方であるが、なかなかお目に掛ける事のできないブランドそれがショーメである。
それだけ人気なのか、やはり品薄感は否めず、大衆に向けたモデルは少なく、私自身もほとんど見かけるのが時計である場合が非常に多い。
相場から見える事は、ブランド性は申し分はないが、リセールでの分かりやすいモデルが集中する事なく、幅広く取引されているようだ。
王室御用達という高級ブランドの必要条件を揃える
日本人顧客として記録に名前が残っているのが、1896年の徳川公爵夫人。1920年代には、ショーメのジュエリーを身につけた前田公爵夫人の肖像画もある。その後も日本人の顧客は増え続け、現在は総売上の1/3を占めるほど。ゆるぎない伝統に、つねに時代の先端をゆく革新的要素を取り入れているショーメのスタイルの特徴は、素材に厚みがありながらもシンプルでデザインも控え目で繊細なところ。ユニークなクモの巣をモチーフにした最新の宝飾類も若い女性に人気がある。参照:フランスのブランド美学
日本における売上比率が比較的最近まで高かったようである。昨今はアジアの全体に拡大する事も実施している事であろう。ジュエリーというのは、顧客の拡大は比較的難しい分野であり、一部の富裕層にいかにアプローチして選ばれるかという戦略が多く見受けられてきた。
ショーメに関して言うと、大半の人間は、新品での購入は難しいであろうし、手の届かない存在である。その作品群は、もはや芸術品の域であり、中古市場ではその過去の痕跡を味わう事しかできない。