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【四季報のツボ】簡単に実践できる業績欄から見える 3 つの分析手法

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四半期決算データで見えてくる事

 

四半期決算の公表は投資家には基本的にプラスである。しかしその結果に一喜一憂するのは間違いである。

あくまで途中経過と割り切り、むしろ業種ごとの特徴を知っておく必要がある。すべての上場企業には、四半期決算を義務づけられ、四半期決算開示は、世界的な流れであり、投資情報の多様化という意味で歓迎すべき事である。

例えば、完工(売上高計上)が年度末に集中する建設業の第一四半期は赤字になるのが普通です。業種や企業のクセを知ったうえで、参考データとして活用する事が大事。

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最近では、その企業のクセを理解した企業側が通年において事業を安定化させる戦略を打つ企業も増えている。

建設業であれば、建設だけでなく、異業種に参入する事でバランスを取り、ビールや飲料でも、冬に売るビールや飲料を開発し、テコ入れを行う事があり、家電や自動車でも、イベントに合わせるよりも、より顧客の嗜好を細かく分析し、コンセプトを絞った商品開発や購入支援など特性を理解し、弱くなるところを補強する動きは今後ますます増えてくるだろう。

またその事業で上場を果たしても、数年後には違う事業をしている企業も現れはじめる。大企業が異業種参入や、リスクヘッジの為の新規事業を展開すればするほど、下位の企業は食えなくなる時代であり、より事業を変化させていく事にも留意が必要になるだろう。

詳しい内容は【株式投資に役立つ『会社四季報』の使い方】を参照して頂きたい。

 

業種欄を使って出来る 3つの分析手法

 

業種欄には数字がギッシリと並び、眺めているだけではピンとこない事もある。そこでとりあえず、自らデータを分析してみて、自分なりに納得したい、という方の為に電卓ひとつで出来る簡単な分析方法を紹介する。

 

【四季報のツボ】簡単に実践できる業績欄から見える 3 つの分析手法

 

❶ 売上高伸び率の推移

 

いつの時代でも、売上高の拡大は、成長のバロメーターといっても差し支えない。その伸び率を見ることで、企業成長の天井や底を類推する事が可能である。伸び率の式は以下のとおり

((ある年度の売上高)÷(前年度の売上高)-1)×100 (%)

で計算が可能である。これを何年か並べてみて、もし伸び率が次第に縮小している場合、成長に一服感が出てきたと考えられる。

またマイナスの伸び率(つまり減収)が続いていたのか。あるときプラスに転じ、徐々に伸び率が大きくなっているなら、成長局面に入ったといえる。単純な分析手法であるが、デフレ後には有効である。

 

❷ 営業利益伸び率の推移

 

売上高伸び率を補完する形で併用すると、より深みが増します。伸び率の式は以下のとおり

((ある年度の営業利益)÷(前年度の営業利益)-1)×100 (%)

売上高伸び率の推移と営業利益伸び率の推移が同じ傾向の場合、分析の必要はとくにない。

問題は、その二つに跛行性 (はこう:つりあいのとれていない状態のまま物事が進行していくこと) がある場合である。

売上高伸び率が拡大傾向なのに営業利益伸び率が横ばいとした場合、費用面にカギがあり、必ずしもマイナスとは限らない。

設備投資・減価償却を見て、これらが増加傾向がある場合、売上増に伴い設備投資をしたりして、利益の伸び率を一時的に圧迫していると読み取れる。

また投資が終われば、利益の伸び率が期待できる。投資も償却も増えてないなら、費用構造に問題があると考えるべきであり、売上高伸び率が今ひとつなのに、営業利益伸び率が拡大している場合、収益構造が筋肉質に転換していると考えられる。

営業と経常利益の差が恒常的に大きい企業は、経常利益を使う方が良い企業もある。

 

❸ 連単倍率

 

全体的な子会社の属性を見る。同じ年度の連結決算の業績項目を単独決算の業績項目で割り、一を上回れば上回るほど子会社群の貢献が大きい。売上高が一以上でも、利益項目が一以下なら子会社群は全体で赤字というわけである。

 

市場が見る四半期決算と分析手法を使って近い将来を予想する

 

四半期決算の発表を株式市場がどう受け止めるかを2つ挙げれば以下のようになる。

 

四半期決算で数字が一定しない業種例

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❶ 第一四半期の業績動向は特に注目される

 

3月期決算会社のケースであれば、5月の本決算で予想が発表された後、7月下旬から行われる第一四半期発表で修正されると、株価は大きく反応する。6月中旬に発売される四季報夏号の記事や業績予想を見て、上方修正の可能性のある銘柄を仕込んでおくのも面白い。

 

❷ 来期業績・伸び率への注目度が高まる

 

第三四半期決算開示で、今期の着地点が予想しやすいのはありがたい話である。最近では官製相場のような荒れた相場であるが、元来業績の良い企業は、急落が少なく長い目で見れば保有しておいても良い。

第三四半期決算情報から、分母に算出される来期の成長率予想をする事もできる。本決算の発表前の会社四季報で来期予想を考えてみても面白い。

第三四半期決算発表されるころには、今期を残すところ2ヶ月となり、その内容自体への株価の反応は弱くなる。第2・4四半期は多くの企業が中間・本決算として発表するので注目しておこう。

参照文献:【株式投資に役立つ『会社四季報』の使い方



About PG編集:道長

食べる事と寝る事に一生懸命な旅人。 世界は感染症や戦争で混沌としておりますが、平和になったら平和な国を旅をしたいと準備しております。 先代の管理者様より、サイト管理・記事制作を委任しております。 ※現在は写真提供をして頂いております。

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