【ラグジュアリー戦略】マーケティング逆張りの法則:実際の価格より常に高そうに見えるべきである
ラグジュアリー製品の広告というのはたいてい製品を見せるだけで、何の宣伝文句もなく、価格も示していない。ラグジュアリーの世界では、価格というのは言及されるべきではないという。
超高級レストランでディナーを食べる時、価格に基づいて料理を選ぶかという問題は、そもそも経済力があり、大金を支払うという感覚のない人向けにサービスが提供されているわけであり、価格に基づいて選択しているわけではなく、支払う痛みという感覚はあまりないのだ。
そのようなレストランでは、接待客用のメニューに価格はそもそも掲載されていない。一般的な規則として、想像した価格というのは、実際よりも高くあるべきだ。このことは従来型マーケティングと正反対である。
想像される価格の方が実際の価格より高い時にブランド価値がうまれる
1. 高級ブランドの時計をしている人がいて、周りの人は皆、そのおおよその価格は知っているけれども、コレを高めに見積傾向がある場合、その着けている人の立場を高める
2. 誰かにラグジュアリーの贈り物をあげる時には、価格がもっと高そうに見えるような見せ掛けが一番ありがたがれる
3. 価格が宣伝されるときは常にハイエンドのものである
そもそも高級ブランドのモデル価格を知っているのかという問題
1.に関して言うと、周りの人が皆、おおよその価格を知っているかというと、そういうわけではない。
大抵が実際の価格は知らず、その価格を聞いた時に、超高額な価格がつけられている事で驚き、高級ブランドという認識が生まれる。
大抵の場合、大半はブランドすら知らず、超高級ブランドの存在すら知らないということである。ということで着けている人が必ずしも立場を高める事は少なく、その人の背景に基づいてその儲けの源泉を想像する事であろう。
例えば、水商売的なファッションの女性がロレックスをしている場合、その人の背景から想像して、パトロンに買ってもらったか、水商売で働いているが故に、キャッシュの回りがいい女性である事を想像するであろう。
なので、その人自身がどのようなステータスやその容姿かが重要となってくる。
2.についてはそのままである。プレゼントにおける仕掛けは、そのデザインの良さ、製品の由来、それこそ小道具的な付属品の質の高さまで、あらゆる演出を施す必要が出てくるだろう。
3.については高級ブランドの宣伝は、ハイエンドのモデルを紹介する場合が多く、価格を表示する場合、最も高額を提示する方が、そのブランドにおける価値が、分かりやすい指標を提示する事ができるからである。
参照:ラグジュアリー戦略―真のラグジュアリーブランドをいかに構築しマネジメントするか