【黒木本店:百年の孤独】日本酒の買取を通じて分かったプレミア化する麦焼酎、高騰する取引市場と蔵元の秀逸なブランド戦略

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創業以来 焼酎一筋、約130年間 焼酎製造を続けている老舗ブランド

 

【黒木本店:百年の孤独】日本酒の買取を通じて分かったプレミア化する麦焼酎、高騰する取引市場と蔵元の秀逸なブランド戦略
参照黒木本店 公式ウェブサイト 

 

明治18年、蒸留釜から最初の一滴が滴って以来、黒木本店はひたすら焼酎造りの道に精進してきました。焼酎造りに込める黒木本店の想いをひとことで言い表すなら「焼酎一筋」。そこには焼酎だけを造り続けるのではなく、焼酎という、土地に根ざした伝統文化を守り、継承していくという意志も込められています。だからこそ黒木本店は農業から焼酎造りを始めます。土地を耕し、種を蒔き、栽培から収穫まですべてを自分たちの手でおこなうのです。さらに製造過程で生じる廃棄物は有機肥料として有効利用し、自然の恵みを自然に還す。それが黒木本店の焼酎造りです。時間も手間もかかるやり方です。しかし、そうすることでしか造ることのできない理想の焼酎があるのです。参照:黒木本店 公式ウェブサイト/焼酎一筋 道 

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今回は、高騰する麦焼酎、一部プレミア化している「百年の孤独」について簡単にではあるが取り上げておきたい。この銘柄と出会うことになったのは、私自身が元々酒屋に少し勤めていた時からである。

その時に様々な出会いを通じて、ある酒屋のせがれと昵懇(じっこん)となり、毎年プレゼントで希望するお酒を頂く事が増えたことに起因する。その際、上記の知人以外にも、様々な知人を通じプレゼントで貰う機会があり、多くのお酒を飲めずにいた。

 

【黒木本店:百年の孤独】日本酒の買取を通じて分かったプレミア化する麦焼酎、高騰する取引市場と蔵元の秀逸なブランド戦略
容量:720ml 度数:40度 原材料:麦、麦麹 蔵元:黒木本店 定価:2888 円

 

いつか飲もう飲もうと考えるが、生来お酒に弱くあまり量を多くたしなめない事から、飲みきれないお酒の売却を考える事が多くなってきた。

また、2015年古酒市場が突如始まったことで、親族間でも古酒の処分も大量にあり、買取してもらう銘柄は、約100種類は超えてきているのである。

そんな中、比較的新しいのにも関わらず、焼酎はあまり高額ではない中、中古市場で高騰するプレミアム銘柄はいくつか存在するのである。

定価が安いので、個人的には軽く処分する予定でブログ自体に取り上げるまでもない案件と思っていたが、比率から考えると驚くべき買取査定であったので簡単に記録をまとめることにしたのである。

 

まとめ買いを誘い大量販売される焼酎、高騰時の一本あたりの最高倍率は、定価の約 2.33 倍

 

【黒木本店:百年の孤独】日本酒の買取を通じて分かったプレミア化する麦焼酎、高騰する取引市場と蔵元の秀逸なブランド戦略
【黒木本店:百年の孤独】日本酒の買取を通じて分かったプレミア化する麦焼酎、高騰する取引市場と蔵元の秀逸なブランド戦略

 

百年の孤独は、上品でオークや微細だがシガーの香りが立つ。ココナッツや香ばしい麦の風味が得られ、ロゴパッケージや全体的な外装デザインにもそのブランド・イメージが完遂されている。

デザインに関しては、低価格なのに非常に上品なつくりである。定価においては、約3,000円前後と比較的手に取りやすく、求めやすい価格帯である。では、さっそく 「オークファン 」 で二次市場をみていく。取引は、約 3 年間の高額取引データである。

 

【黒木本店:百年の孤独】日本酒の買取を通じて分かったプレミア化する麦焼酎、高騰する取引市場と蔵元の秀逸なブランド戦略
Reference:Aucfan Co.,Ltd.

 

大量に販売されていて、最高で約48本をまとめて販売されている。全体の取引を通じて見られたのは、最低約 3 本から売られていることである。

一本ではあまり価格にならない事から、約 1~2 万円をまでの計算で最低価格の販売がなされている点である。

個人的な買取査定では、約 4,800 円買取であった。定価の約 1.66 倍である。数があったので飲める分だけ残し、古くなった 1ダース分を買取、約 57,600円程度となった。

オークションでみた一本あたりの最高価格は、約 6,750円あたりまで取引記録が見られたので、定価から 約 2.33 倍跳ね上がっていたのである。

これは今回調査して分かった事であり、買取してもらうまでプレミア化していることに気付かなかった。

ただ多くの銘柄は、このようにプレミア化することも少なく、意図的に戦略化されたのか分からないが、長期間古酒市場で、プレミア化する要因となるブランド戦略が二つほど挙げられると考えられる。

それは、他のブランドの霊気を借りる事 と 限定数として稀少性をさらに上げる戦略である。そこで以下の限定モデルを取り上げておきたい。

 

レミーマルタンと同じくバカラ・ブランドの霊気を借り、供給を絞り稀少価値を上げるラグジュアリー戦略

 

【黒木本店:百年の孤独】日本酒の買取を通じて分かったプレミア化する麦焼酎、高騰する取引市場と蔵元の秀逸なブランド戦略
参照黒木本店 公式ウェブサイト/百年の孤独「百年のボトル 

 

前回、長らく二次市場価値がゼロに近いレミーマルタンが、2015年 高額に中古市場で取引がなされるようになった事を「【Remy Martin Louis XIII】2015年に突如現れた「ブランデー高額買取市場 」中古価値 0 円だったが、約 10 万円以上する高額ブランデー買取を実施してみた 」で取り上げた次第である。

その際、レミーマルタンが、酒自体の価値と同時に空瓶も高額に販売されているという事を取り上げた次第であるが、その空瓶のブランドがバカラ・ブランドである。

今回の蔵元においても、バカラ・ブランドの霊気を借り、世界限定 500 本として供給量を絞り、稀少性を引き上げて販売を行った。

面白いのが、その時期が中国の古酒の爆買いを始めた 2015 年と同じく、その年の11月にリリースしている。

また百年の孤独は、供給量を絞り込む戦略で、価格とは関係なく人気で、すでにその前からブランド化されており、さらに限定モデルを追加でリリースすることで、プレミア化を磐石としたのである。

価格は、300,000 円という驚愕な価格設定をもって市場に投入されたが、個人的に思うことだが、憧れはするが、ブランドとして長い目でみると、価格設定では、あまり上手い戦略的な値付けではなかったと思う。

 

【黒木本店:百年の孤独】日本酒の買取を通じて分かったプレミア化する麦焼酎、高騰する取引市場と蔵元の秀逸なブランド戦略
Reference:Aucfan Co.,Ltd.

 

さっそく「オークファン 」でバカラ・モデルについてみていこう。本体のみの「百年の孤独」が最高約 2.33 倍の程度プレミアが付いていたが、バカラだからといって、定価以上の高騰がなされているかと言えばデータからみると必ずしもそうではない。

最も高額なモデルで約 195,000 円の取引記録がみられる。約 65 %のリセールバリューである。最新の取引で、約 150,000円のデータが確認されているが、約 50 %まで下落している。

実のところ、バカラ・ブランドのリセールバリューをおおよそ知っている人から見れば、バカラ瓶がそれほど高額ではないという事が、分かってしまうのである。

 

【黒木本店:百年の孤独】日本酒の買取を通じて分かったプレミア化する麦焼酎、高騰する取引市場と蔵元の秀逸なブランド戦略
Reference:Aucfan Co.,Ltd.

 

最初に稀少性を引き上げる戦略をとっている事から、さらに限定戦略を使って稀少性を上げて価格を高額にしても、あまり効果はないということを多くのラグジュアリー・ブランドが経験していることである。

前回、ラグジュアリー戦略の記事「【ラグジュアリーブランド戦略】マーケティング逆張りの法則 需要を支配し増える需要に応えてはならない  」でも取り上げたが、フェラーリでも困難な戦略を取っている。

その頼みとするのは、市場が好況な中国などの成長国や数少ない世界の富裕層を想定するぐらい 供給量を絞り、さらに稀少性を上げた限定戦略は難しいのである。

話題性をつくり、約 100 倍以上の値段で売れればそれだけでいいと考えているかどうかは分からないが、高額に売るという事を考えると、適正なブランドのバリューにまでどこまで戻るか、それは取引市場が教えてくれるのである。

 

百年の孤独を通じ 国内中古高級酒市場から見えてくる事

 

【黒木本店:百年の孤独】日本酒の買取を通じて分かったプレミア化する麦焼酎、高騰する取引市場と蔵元の秀逸なブランド戦略
【黒木本店:百年の孤独】日本酒の買取を通じて分かったプレミア化する麦焼酎、高騰する取引市場と蔵元の秀逸なブランド戦略

【黒木本店:百年の孤独】日本酒の買取を通じて分かったプレミア化する麦焼酎、高騰する取引市場と蔵元の秀逸なブランド戦略
Reference:Aucdata

 

2015年付近から始まった古酒市場であるが、国内の市場においても、その高騰相場の波がいつ消えるか分からない。

飲み切れない酒を多く保有していても、保管などの様々なコストなどを考えれば、即買取した方が賢明である。

今回の古酒について上記のオークション市場データをみて頂ければ分かる。上記は 「オークデータ 」 を使って、過去 約 3 年間の百年の孤独のカテゴリーの平均落札額と落札総額のデータである。

2015年2~3月あたりから、市場が現れている。この時期を考えると、中国人の旺盛な消費を謳歌する時期と一致してくる。

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長期間中古価値ゼロに近いと思われていた焼酎が、平均 約 12,500円~ 17,500円で推移している。平均を上げるため、約 3 本あたりをひとまとめにして販売されているが、平均価格は単純計算で、1本あたり 約 5,000 円前後である。

その稀少性から古参のコアなファンと転売や資産保有目的の中国人やその他業者などの消費によって支えられているようなデータである。

取引市場数は、オークションだけでも、約 400件近くあったが昨今は数が減少し、約半分しか取引されていない。突如作られた中古市場の波が消えないうちに、高騰した際に業者に買取を依頼。

私の場合のようにプレゼントでもらい、余ってしまった場合を除き、この手のプレミア焼酎に関しては、オークション市場などの取引を通じす、順番待ちになるが蔵元に直接申し込む事を勧める。

データからみても、オークション市場では、明らかに高く、定期的に愛飲するのであれば、申し込みをする方が良い。

その方が、価格的にも良心的で、待ち遠しい気持ちの高まりからブランドを愛飲する満足度が上がると思うからだ。



About PG編集:道長

食べる事と寝る事に一生懸命な旅人。 世界は感染症や戦争で混沌としておりますが、平和になったら平和な国を旅をしたいと準備しております。 先代の管理者様より、サイト管理・記事制作を委任しております。 ※現在は写真提供をして頂いております。

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