New Balance/ニューバランス:人間の足を科学する事で実現した雲上の履き心地
1906年、アメリカのボストンでアーチサポートインソールや偏平足などを治す矯正靴を製造するメーカーとして、ウィリアム・J・ライリーが立ち上げたニューバランス。この矯正靴のノウハウをベースに1938年代にランニングシューズの製造を開始。そして1972年ジム・デイビスが同社を買収する。当時彼は、理想のランニングシューズを実現するために、自ら走る事で開発に従事、その結果独創的なシューズコンセプト「インステップレーシング」を確立した。それを具現化したシューズはランナーたちから支持を獲得。以降、伝統を継承しつつ、最新のテクノロジーを集結した名作モデルを輩出し続けている。
参照:男の100年ブランド
中古市場で比較的安定した相場。それは”高級化路線”を貫いているから
ニューバランス MT10 Minimus Trail ミニマス トレイル は、裸足に近い感覚をランナーに提供し、新しい価値とその可能性をコンセプトとして市場に投入された。
市場に投入されて、すでに数年以上経つが、中古市場でも人気のモデルである。
今回買取に出したのは、予備用のシューズである。メインで使っているモデルは、履きつぶしてしまった。
予備を使う前に、ニューモデルが欲しくなり、そのニューモデルを買うための購入資金に当てる為、予備を売ることにしたわけである。
さっそくオークファンで落札相場をチェックしていくが、未使用美品クラスを中心に、比較的リセールバリューが高い。そんなことから、今回の買取額は、約 3,500 円前後であった。
同業他社が、中国やベトナム等に製造拠点を置いて生産を強化する動きの中、ニューバランスは、米国や欧州で製造拠点として展開する姿勢を評価されてのことであろう。
その場合、リセールバリューの面において同業他社に比べ高くなる傾向がある。ただし、そのニューバランスのモデルの中でも、アジア生産のモデルも存在し、その線引きは難しい。
リセールバリューの高いブランドの靴に関しては、売る場合は、買取店にお願いし、購入する場合は、リアル店舗のあるネット通販で購入することにしている。
リアル店舗で試着をして、その会社の通販などで購入する。ネットで直接購入すると、履き心地が確認しにくいためである。
試着だけして、安い他の店で買えば良いと考える人が多い中、試着させてもらった御礼として、その店の通販で買うことにしている。
それが最低限の礼儀だと、個人的に思っているからであって、その信条は変わることはないだろう。
ミニマスは「初心者の足」から脱却したい人向けの最適解
マラソンやウォーキングなどトレーニングする上で、身体上の悩みは、時代を経ても、変わることのない問題である。個人的に走るよりも、歩くことの方が好きな私は、その歩くことでさえ、あまり長期間歩くことができない悩みがあった。
一般的なランナーの悩みとは、「記録の伸び悩みや関節の痛み」 などが主に挙げられるが、ミニマスは、初心者ランナーから、中~上級のランナーに成長するための優れたツールなのである。
悩み事の最大の要因は 「かかと着地」 によるものが多く 「足の裏全体で着地」 することによって、足首・膝・腰にかかる負担を全体で分散吸収すると、その悩みの大部分が解決することを聞き、このモデルに最初の興味を持った理由である。
初心者向けのランニングシューズは、かかと着地をしても、クッション性能を向上させていることにより、衝撃や関節の痛みを防ぎ、足元から保護を受け続けている。
このように、高いバランス能力に優れたランニングシューズは、必要なのは言うまでもないが、保護を受け続けていると 「初心者の足」 から脱却することはできない。
かかと保護の為のシューズが高い需要があるのは、かかと着地の衝撃は想像以上であり、膝と腰の関節部の故障に大きな原因をもたらす。
かかと着地の調べ方は、あなたの靴の裏を見れば一目瞭然である。かかとの磨り減り方が酷い場合 「初心者の足」 であることが証明される。
個人的に靴の磨り減り方が、普通の人に比べ非常に大きく 「足腰を痛めやすい」 事実を初めて知ることとなった。
こうした 「着地の仕方」 が極端に悪いのが原因というのも購入に至った強い理由なのである。
私のような初心者は、歩く感覚のままで、ランニングをしてしまい、非常に負担の掛かる走り方であり、歩くことが好きな私でも、着地のフォームを改善するだけで、疲労が軽減され、歩く距離も伸びるのではと思った次第である。
裸足の感覚を取り戻すため、ミニマスを使うと、大して矯正をすることなく、自然と 「かかと着地」 を避け、中足部で着地できるようになったのである。
履いた感覚は違和感もなく軽量かつ高いグリップ力を発揮
全体的なデザインとその形状を見てもらうと分かるが、より裸足に近いデザインであることが分かる。
最も分かりやすいのが、裸足のときの足指の反りの部分が、忠実に再現され、爪先部分が軽く上がっているのが、普通のシューズとは大きく異なるところである。
履いてみると分かるが、爪先部が当たらず、指付け根から指の先端までの幅が広がっており、不快な当たりがない。この点は非常に優れた設計である。
私の場合、初心者なので、柔らかい地面(カーペットなど)で軽く歩き、少し慣れてから、オンロードで使用して、その後オフロードに慣れていった次第である。
ちなみに体重があるので、走ることは滅多にないが、歩く場合でも、その軽量さと履き心地から、履いている感覚をあまり感じず、運動に集中すると履いているのを忘れてしまうぐらいである。
個人的にはジムなどのトレーニングシューズで使用が多かった
さっそく旧オークデータ (2018.06.30終了)で、ここ 5 年間のニューバランスの平均落札額をみていこう。数字は比較的安定しており、底堅い相場が形成されていることが分かる。
平均落札額は、2015年の4月あたりに大きく上昇した後、約 7,500~10,000円の範囲で安定している。サイズによって若干価格は違うが、中古市場では大きな変化は見られない。
その半額の買取相場だったので、比較的良い取引ができたと思っている。ニューバランスなど、シューズブランドとして共通することは、中古市場では一度履いてしまうと大きく査定額が落ちてしまうという事である。
一部のハイブランドを除き、大半のブランドは二束三文になりやすいのがこのシューズという市場である。日本人は特に肌が触れるモノ、サイズモノに関しては厳しい顧客なのである。
つまり多くのブランドは、二次市場での価値を大きく落としやすく、状態の良いものでもリーズナブルに購入できるという事である。
私のように、洗えば済むと考え、特に気にならない顧客にとっては、状態の良い高級ブランドの中古モデルが、リーズナブルに買える状態なのであり、日本はまさに中古を購入する土壌は世界一と言える。
話をモデルの内容に戻そう。かかと着地で悩みを抱えている人にとっては、同モデルは最適なアイテムである。
使い方には個人差があるので、初心者がいきなり無理をして、アスリートのようなトレーニングをするのは得策ではない。
利用状況は、人によって様々なので、その使い方には若干の注意が必要である。
自分自身の足の強度や、フォームなどをしっかりと確認してから、自分に合った使い方をしていくと、非常に優れたツールであることが実感できるようになる。
個人的な利用法としては、ジムでの利用が非常に自分のカラダに合った次第である。
ロードマシーンで歩く方法からはじめ、何日か掛けその後少し走り、また歩く感覚を掴み、また少しづつ走りとゆっくりと慣れていった。
走る距離も短距離からはじめ、最終的に軽いトレーニング程度を目標としていたので、カラダの負担はだいぶ軽減されたのである。
いくら優れたツールでも、使い方はしっかりと認識しなければならないが、その使い方さえ間違わなければ、最適なトレーニングツールである。
あなた自身に合ったトレーニング方法を見つければ、悩みの大半は軽減し、解決に向かうはずである。