ブランドにとって一貫性と絞込みが重要なことであるが、実は例外もある
ブランドにとって一貫性と絞込みが重要なことであるが例外もある。例えば「長年成功しているなと実感できるカテゴリーを築いたブランド」をあなたが保有している場合、さらなる成功を求めて、仕組みや体制、商品の質やサービスなどをしっかりと作り上げる事に注力することであろう。
しかし、現在は「寿命が早くすぐに廃れやすいという驚くべき時代」に生きている。私たちは、その短さから、成功しているブランドと言えども、変更に直面する場合は、比較的多く訪れる。
消費者のアタマの中は、目まぐるしく変わって行くのである。その場合、自分たちの基準で、このカテゴリーに変わると、変化を求めても、大抵は失敗に終わる。つまり、消費者のブランドへのイメージからまったく異なるイメージの切り替えは、多くは進まないからである。
ただし、ブランドの変更を余儀なくされる場合、以下の 3 つのどれかに該当する場合、ブランドの変更は、例外的に進めても問題はあまりないという。
- ブランドが弱体であるか、消費者のアマタの中に存在しない
- ブランドの価格帯を下げて利益を確保する場合
- ブランドが旨みの乏しい市場で、いずれ変化が起こりそうな場合
を本書:ブランディング22の法則 では唯一の例外として取り上げている。1.は最もたやすい。基本的にブランドは存在してないのだから、自由に変更できる。多くの無名に近い小規模ブランドの大半が、このカテゴリーに入る。
私のブログもこの条件に該当する。カテゴリーを決めただけで、ほとんどの人はこのブログは知らないからである。
ただ、多くのカテゴリーを過去試してきたが、自分と違うことが徐々に苦しくなり、長続きしなかった。現在続けられているのが自分でも不思議である。
2.の場合は、ブランド力が低下して常に価格を下げなければ存在できない場合である。要は、顧客は価格のみでしか比較しておらず、ブランド名を指名して、そのブランドを利用しない場合である。
この場合、小売などのサービス業などが挙げられる。右から仕入れて左に流すような転売屋に見られている場合など。ブランド力ではなく、商品の価格だけで、仕事をしている連中が多く該当してくる。
3.の場合は、市場が飽和もしくは、これ以上の成長が見込めない成熟から衰退、衰退しかもうない場合は、ブランドの変更をしてもあまり問題は起こらない。例えば、伝統工芸などもこの場合に該当してくる。要は、需要がなく食えない場合は、変えるしかありえないのである。
以上のように、一度築いたブランドでも、危機的状況に陥る場合、あなたの周りで起こる事ではなく、消費者のアタマの中で起こるのである。そのことだけをしっかりと捉えていれば理解は早い。
変更は例外的であるが、変更には大きなリスクが伴う。しかも、あなたのブランドが、顧客のアタマの中で、重要な位置を占め、ユニークで明白な認知を受けている場合、もはや変えることすら危険である。
おそらくは不可能であろうが、最初に築いたイメージが、顧客の中で書き換えられる成功例は、極端に少ない事も、アタマの片隅に入れておくべきであろう。
参照:ブランディング22の法則