珍重されるレアモデル、古い鉄道模型は 驚異的な高額リセール市場を形成
マッハ模型 本社機能移転による記念モデルである。平成7年1月の阪神淡路大震災後、2月に店舗を移転した際に「 阪神電鉄国道線71型 」は市場に投入された。以下は、車両の由来とその商品説明文である。
阪神電鉄国道線71型は、昭和12年2月に汽車会社(71~75)と川崎車両(76~80)で製造された。側面の上下に大きな窓をもった流線型の車体が特徴で「金魚鉢」という相性で人気を呼んだ。4個モーターで自動加速の制御装置を採用し、阪神国道線や支線で活躍。しかし昭和30年代にはモータリゼーションの波に押され、昭和44年12月東神戸-西灘間、昭和49年3月西灘-上甲子園間が部分廃止され、昭和50年5月に全線が廃止された。このキットは昭和25年に就役当時のポール集電から、Y型ビューゲルに変更された形態とした。
参考資料:機芸出版社 日本の車両スタイルブック/ 鉄道ファン 74-6 No158号,75-3 No167号 / 達道ピクトリアル 75-2増刊 No303阪神鉄道特集
今回は、鉄道模型の買取についてである。調査してみて興味深い取引となった。鉄道模型分野について初めて知ることが出来、大変貴重な経験をすることができた。
家財整理を行う中で、買取における仕事は、いつものことであるが、こうして過去のコレクションを調査するのは、非常に面白い作業である。
マッハ模型は老舗ブランドで、ニッチな分野であるが、日本でも数少ない「 プレミアムブランド企業 」である。
このようなレアモデルの過去のオークション情報は、大半が消失する事が多いので、今回も オークファンを駆使して情報を整理して分析している。あなたも、ぜひチェックしてもらいたい。
Mach マッハ模型 大阪梅田阪神電鉄国道線71型
最初に出された中古品モデルである。最も高い値段がついている。コレはさすがに高騰しており、このモデルしか出品されていないことによる高騰と当時から推測される。
完成品をほぼ未使用状態で手に入れる機会はそうはなく、プレミアが付いたことを理解した業者が、この後、何度か出品している。
ただそうは言っても、ほとんど市場に出ないモデルであって、業者がほとんど買取できるわけもないのだが、次に出した時は、価格は下落している。ただそれでも、約 70,000円の価格が付けられている。
マッハ模型特製完成品 阪神電鉄国道線71型
マッハ模型特製完成品 阪神電鉄国道線71型。2005~6年頃に購入した特製品のようだが、完成車体で、約 138,000円程度で販売されていたようである。飾ってあった美品ということで、かなり状態の良いモノである。
行き先の「浜甲子園-上甲子園」という記載があるようで、かなりレアかもしれない。リセール率は、約 91 %である。数年以上経ち、様々なモデルが出ている中で、相変わらず驚異的なリセール率である。
HOゲージ 阪神電鉄国道線71型 完成品&キット / マッハ模型
組立前の車体の一部に、塗装らしきモデルと、無塗装のモデルのセット売りである。大体、完成前のモデルで約 50,000円前後で売られていたので、今回の売却品もその金額をベースに考えることができる。
リセールは、約 89 %である。約20年前のモデルであろうと、箱に入れていた状態であれば、新品とほぼ変わらない値段で売ることが可能なのである。
価格帯別に並べてみると上記のような表となる。なかなかリセールバリューの高いモデルである。オークションの分析をオークファンで丁寧に調査してから、買取に行うための相場が、アタマに入ったところで、何社かの業者に買取査定に出した。
ジャンク扱いとして、タダ同然に引き取る馬鹿にしている業者も何社かあったが、適正に価格をつけてくれた業者に無事買取してもらった。
リセール率から言うと、約 85 %前後で買い取ってもらったので、個人的には大変満足している次第である。
コレクション整理をすすめる中で発見した長年高額品を収集していた爺さん
爺さんの商売のネットワークは、比較的広範囲で広がり、横のつながりを使って趣味を謳歌した人である。
自らの店を持ち、カメラ店やプラモ・模型・おもちゃ店やメガネ・時計・宝石店など、様々な店主たちと交流を通じて、交換やサービスや商品などをお互いで融通しあっていたようである。
なるほど古き良き時代の助け合いの精神を使いながら、懸命に働きながらも、趣味も楽しんだわけなのであろう。
そうなると、お爺さんが長年集めてきたコレクションも膨大で、多くは買取し売却する仕事は、主に残された私の仕事となるわけである。
彼らは、自分の持っているコレクションが、現状いくらぐらいになるのかを把握しておらず、私が調査して、段取りを取り付ける役目を引き受けているわけである。
また今回も、こうして高額品が出てきた事に驚きを隠せないが、どこでどのように入手したのかまったく不明であり、融通の中でもらったのかもしれない。
これら高額な鉄道模型については、数が膨大だったが、比較的処分も行えたので、折に触れて何度か紹介しておこうかと思う。
オークションで高騰する レアモデル を買取売却する 3 つのコツ
- スクリーニングして箱有り・未開封・傷・スレの少ないモデルのピックアップ
- 関連するレアモデルを出品している個人や業者等丁寧に情報を調べる
- 相場価格を把握して買取査定を最低 3 社以上の業者に見積させる
鉄道模型に関して言うと、非常に奥深い良い趣味だと思っている。私の家でも鉄道模型を走らせて見たいが、場所がないという切実な問題に突き当たる。
オークションで高値がつく、役目を終えた古き良き時代の車両は、映像を観ると静かに展示されている。
個人的にあったらいいなと思うことは、古い鉄道模型と本物の車両を一度に集めた大規模のミュージアムがあれば行ってみたいと思うわけである。
この映像のように日陰になっている非常に古い車両を復活させ、一同に観たいというユーザーは、全国にかなり多くいると思うが、鉄道博物館 や 原鉄道模型博物館 のヴィンテージ版、模型業者や個人のコレクター、各車両製造企業も含め、世界中の車両を集めた「 コレクター向け レア 鉄道ミュージアム 」は、日本にしか出来ないと思っている。
また、多くの鉄道模型を取引してわかったのだが、このあたりのレアモデルを頻繁に取引する業者と価値が分かっている愛好家やコレクターのみで、市場がグルグルと回っている安定した二次市場なのであろうと推測される。
市場に製品は溢れないので、需要は大きいが、いつも供給は枯渇している状態で、価格はあまり下落せずに、安定した価格を長年維持している。
そうなると、例えば鉄道模型市場などのニッチな分野は、二次市場での取引は、あまり得ではなく、意味を成さないのではないかと思われるが、その点はあまり心配ではない。
これについては、メーカー側が、レアモデルや人気モデルなど取引市場などで人気と気づき、復刻版や似たようなモデルなど量産化を考える。
一度市場に投入すると、一次二次共に、価格が下落基調に陥り、自らのブランド力を低下させていることに、最後までメーカーは気づかないのが大半のパターンである。
復刻版などは、一時的にユーザー層を広げる事になるが、ラグジュアリー性を大きく失う事になる。今回のモデルのように、稀少性のあるモデルは、稀少性の高いままで、ブランドの霊気を高めた方が、長期的なブランディングを維持する賢い戦略なのである。