コニカ KONICA C 35 FD HEXANON 38 ㎜ f 1.8
オジサンから貰った埃だらけのゴミ同然の古びたカメラが 約 8000 円
今回は、コニカ KONICA C35FD についてだが簡単に記しておきたいと思う。中古コニカに関しては、前回 【Konica コニカ コニカプレス Konica Press オメガ 1:3.5 f=90mm 今はなき古きよき時代の遺産 】の件で取り上げたのみだが、コニカモデルのその大半があまり価値のないブランドと言われていた。
ヴィンテージカメラの中でも、現在でも市場価値のあるモデルは少ないが、最初は埃まみれでもう粗大ごみかと思っていたのだが、カメラの山の中から、いくつかの稀少モデルと今回紹介する「コニカ C35」が出てきたのである。
同モデルは、カメラの書籍やサイトでしか見たことがなかったが、まさかこんな近場で出会えるとは思わなかった。
箱に山積みされていた国産カメラの数々は、大半はジャンク品で、実のところあまり価値があるとは分からなかった。ライカ・ニコン・キャノンとブランドの数は多いが、稀少性のあるカメラブランドは数えるしかない。
それが丹念に調べていくと、ゴミだと思われていたモデルの多くが、オークション市場でも高値を付けていることが分かったのである。
ジャンク品でも約 8000 円付けても良いと言われたのが上記のモデルなのである。
少し前まで高額ではなかったのに近々なぜか高騰している同モデル
では、さっそく「オークファン」で約 10 年間の落札額をみていこう。整備済の美品で、約 15,000円ほどの落札が記録されている。平均価格が、約 12,000円前後と考えられる。
同モデルは、約数年前までは、あまり高騰しているわけではなかったが、現在なぜか同モデルの高騰が目立つ取引が記録されている。
最近まであまり出品されておらず、また同モデルが出されても、ジャンク品レベルのモノが多かった事から、整備されたモデルを中心に高騰している。
約 40 年以上前のカメラに約 10,000 円以上払って新たに不便を買おうとうする動きは嫌いではなく、面白い傾向としてみている。
他に状態や付属品で価格が上下するようだ。本体の状態は、整備の必要な状態で、カメラの山でジャンク品扱いで考えていたので、一点だけでこれだけの高額取引されている事に驚きである。
現状については、全体的に埃まみれで、ミラー面に微細な線傷とスポンジの微細な劣化程度だったので、軽くリペアを行った後、買取査定への準備を進めていった。
コニカブランドの黄金期を支えた大ヒットモデル「ジャーニーコニカ」シリーズ
コニカ KONICA C35 について簡単にだが説明していきたいと思う。同社は日本最古のカメラ会社で、1873年の創業の薬種問屋、小西屋六兵衛店としてスタート。
その同社は、1968年にコニカの名称で「カメラシリーズ、C35」を発売した。このカメラは「コンパクトカメラ」と名付けられ同カテゴリーの設計に大きな影響を及ぼすことになる。
同社のシリーズは、多くの機能を初めて組み合わてみせた革新的なモデルであり、ボックスカメラより綺麗に写真を写すことが可能で、一眼レフのように35mmフィルムが使える複雑ではないカメラを求める一般市場をターゲットにして大ヒットとなる。
同モデル後、特許訴訟 にまでなった「ハネウェル方式」を使った最初のモデル「コニカ C35 AF」を市場に投入。当時、44,800円と超高額であったが、自動化を行った結果、非常によく売れたようである。
後に1979年頃に「キャノン 35 AF」と競り合い、初の全自動簡単撮影 35 mmカメラである市場に投入されてしまい、市場でのシェア争いに負けて、徐々に市場から姿を消すことになる。
キャノンが、同機種のライバルを市場に投入して、米国で 100 万台以上が売れた背景には、この「コニカ C35 AF」がなかったら確実に登場していなかったであろう。
同モデルについては、そういった中で登場しており、1973年 3 月市場に投入され、同モデルの初期型としてシリーズの一つとして加えられる。
シャッター速度優先式 AE (自動露光) 機能を持ち、大口径 38mm F1.8 レンズを装備。当時の販売価格は、約 33,000 円という超高額なモデルのひとつである。
コニカC35は、撮影の簡単なコンパクトカメラの草分け的存在であり、アマチュア向けの35mmフィルムやAPSフィルム用のシンプルなカメラ設計の主流となった歴史的モデルとなり、コニカの黄金期を支えたのである。
コンパクトにまとめられているが、現在でも撮影の楽しさを感じることができる優れたモデルなのである。
市場は小さいが、稀少性とマニア向け市場の高騰ぶりから需要が高まってきている
上記は、「オークデータ 」でコニカ レンジファインダーフィルムカメラ のカテゴリーで、約 5 年間の総落札数及び平均落札額である。
総落札数は、約 5 年ほどで、約 150~250 件を境に長く横ばいであったが、最近では 約 250~350 件に迫る勢いである。
数は少なく見えるが、その稀少性とマニア収集が一巡して、よりマニアックなレンジファインダーフィルムカメラの需要が高まっている。
また、平均落札額は、約 6,000~10,000 円前後で横ばいに推移しており、コンスタントに数が出ているので、比較的安定した相場が続いている。
今回の買取査定額は、約 8,000円での買取が成立したが、満足度も高く、非常に良い取引ができたと思っている。
数が出すぎていないことと、稀少性の高さにもより、またブランドカテゴリー全体的には、価値のあるモデルが出されることが少ないことから、平均は横ばいというのは何となくだが理解できる。
今回のモデルほど状態にもよるが、コニカブランドの中で、比較的リセールバリューは高いと考えられる。
その高額に売れてしまう理由を考えるとやはり、同モデルの歴史的価によるところが大きく、中古市場でも、そのブランドの歴史的背景をより鮮明に理解されない限り、高い価値で選ばれない。
昨今の中古カメラ市場は、売り手買い手共に質の高さがより際立ってきている取引が感じられた次第である。
中古市場が盛り上がり、商品寿命が終わり、二束三文で下火になる前に売却が完了して良かったと思っている。