6月に結婚式を迎える新しい夫婦が困り引き出物に関する相談を受ける
このブログを運用するようになって、比較的相談ごとが増えてきている。個人的に言えば、「そんなことで悩んでいるのか」といった内容でも、質問にはできる限り答えるようにしている。
今回は、6月に結婚式を迎える新しい夫婦の引き出物についての相談を受けた次第である。基本的にそのような悩み事は、ウエディングの専門家に任せて依頼すればいいのではと思ったが、式場で注文すると、比較的高額なマージンが上乗せされた金額になるようで、持ち込みを選ぶのがリーズナブルな手法ということである。
なるほどなと思いながらも、さらに聞いていくと、何もかも専門家に頼むと、高額な費用を請求されることとなり、予算オーバーしてしまうということらしい。
専門家によるガイドもなく自分で選ばなければならない場合、その際に 「何を選んでよいかわからない」 のでアドバイスして欲しいという内容である。
引き出物の選び方一つで、新郎新婦への印象が変わってしまうものであり、センスの問われる相談ごとであり、あまり経験できない内容なので、引き受けることとした。
結婚式を計画する夫婦の「祝儀金額と引出物相場」の金額などをざっくり整理する
まずは、結婚式を計画している夫婦の「祝儀金額と引出物相場」の金額などをざっくり整理していくと、下記の表となる。これは各夫婦によって平均額は若干違うが、ざっくりとラフに計画を立てておくことが重要である。
私が依頼を受けた部分は、高級ブランドオリジナルという分野である。比較的高額な祝儀を出してくれる「親族・兄弟・VIP」のカテゴリーである。高額分野のカテゴリーは、約 100,000円を超える人も多くなり、この分野での引き出物については、ブランドの選定をしっかりと行う必要がある。
相手によって引出物の内容を変えることを「贈り分け」と言い、今回は 「属性と金額」 でおおよそ分けている。昨今「贈り分け」を選ぶカップルは増加の一途である。
また、引き出物の相場は、披露宴の飲食費の3分の1が目安ということで、飲食費は約 19,000~30,000円の間で調整するとのことで、属性ごとの引き出物額も幅の広い内容としている。
個人的な選定の基準は、同じ価格帯の高級ブランドでも、リセールバリューの高いブランドを優先的に選ぶという基準が自分の中にあり、また地元名士や代議士のような方々も出席し、年配者など多数含まれることから、「引出物は重くないとだめ」という昔ながらの考えを持っている場合があり、ブランドの中でも比較的「軽量なモノ」は避けるということも条件に盛り込んだ。
高級ブランドはそのままにせずに、どんどん使ってナンボ、使わなければ即買取査定・売却というのが、個人的な信条なので、ブログを読んでいる読者の方であれば、そのあたりは ご理解頂ける事であろう。
まちがっても、リセールバリューが二束三文になるブランドなどを選んではならないが、出席者の誰かが、いつの日か買取査定に出す場合、比較的高額な買取査定額がつくブランドであれば、彼らのメンツを保つことも可能である。
長期的な人気を誇り、その多くが中古市場で高値で取引されるブランドを選定する
上記を読んでいる人から、そんな条件の良いブランドがあるのかと思われそうであるが、実は何ブランドかある。今回オススメしたいのが、マイセン・ブランドを選びたいと思う。
例えば、ウエッジウッドやミントンやティファニーなど有名どころは様々あるが、残念ながらどれもリセールバリューが高くない。
また、日本の食器ブランドも良いと思われるが、香蘭社をはじめ大半がリセールバリューに弱く、食器ブランドの大半が安く買い叩かれてしまう。
その中で長い年月で人気なのが、バカラとマイセンである。バカラブランドも候補に挙げたが、バカラ最大の弱点は、大半が日本で売られているシェアが非常に高いということである。
つまりは、バカラについても、リセールという意味で言えば、急落する可能性は、マイセンよりも高くなり、長く価値を持たせるという私の条件からは外れてしまったわけである。
ということで、引き出物ブランドは、マイセンとし、個人的にオススメする比較的軽量(他のカテゴリーより重い)で、プレゼントしやすい条件の中で、選び出したのが「波の戯れ」ラインである。
今回出席者の大半が、子供も独立し、比較的老年の夫婦二人という属性なので、家族構成においては、二人分用の引き出物で十分である。
当初は、カップ&ソーサーだけで考えていたが、少し重さが足りないこともあり、また予算帯が、約 60,000 円までという恵まれた条件から、ポットも追加で 3 点セットで考えていこうと仮説を立て、中古市場を調査する。
さっそく「オークファン」で相場をチェックしておこう。ポットは 約 20,000 円前後、カップ&ソーサーは約 8,000~10,000 円前後である。
合計で 約30,000 円程度が、中古市場価格である。また、新品価格を調査していくと、約 50,000~55,000 円程度と平均の中に収まり、すべての条件を揃ろえ、提案できた次第である。ちなみにリセールバリューは、約 56 %と悪くない数字である。
Meissen マイセン 波の戯れシリーズ ティーセット (カップ&ソーサー/ティーポット)
さっそくサンプル品を取り寄せてみたのが上記の写真である。なかなかの作りであり、欲しいと思わせる造形美がそこにはある。
さざ波のようなレリーフがモダンであり、一般的な食器とは違い、用と美を同時に感じることのできるモデルである。マイセンのデザインは、自然の題材から着想を得てシリーズとする事が多いが、この「波の戯れ」もそのひとつである。
水面に現れる小波に見える優雅なつくりは、中に入れる液体と見事な調和を生む仕掛けである。フォームを考案したのは、ザビーネ・ワックス女史。繊細なデザインをひとつひとつ正確な手でカットされており、その原型を生み出した。
また、白磁の上を波のようなレリーフを考案したのは、マイセン・デザイナー、ヨルク・ダニールチュク。彼が生み出す波型レリーフは、現在を代表するシリーズである。すべての食器で統一感のある綺麗なラインがデザインされている。
投資をするのであれば普遍的価値が高いブランドに投資するべき
その後、知人から選定を終えたということで、最終的に選んだブランドは、マイセンのシリーズを注文する事となった。
あともう少しグレードを落としたブランドはないかと聞かれた ( おそらく一般オリジナルカテゴリーであろう ) ので、ロイヤルコペンハーゲンをあげておいた。
マイセンの作品群を見ていると、不思議な魅力に惹きつけられる。マイセンはそれこそ何世代も受け継ぐほど価値があり、状態がよければ良いほど、モデルの稀少性があるほど値段は高騰しやすくなってくる。
マイセンに投資し、比較的長期で楽しんだ後売却しても、比較的高い値段がついてしまう。そのリセールの高さは折り紙つきである。
同じようなブランドで、このように中古でも欲しいと思われるブランドは、数えるほどしかない。
マイセンは真にブランド力があり、その磁器製品ブランドの最高峰なのである。