【ラグジュアリー戦略】私たち顧客がブランドを選ぶとき贋物リスクを減らす 5 つのチェックポイント

【ラグジュアリー戦略】私たち顧客がブランドを選ぶとき贋物リスクを減らす 5 つのチェックポイント

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私たちはブランドを偽造から守ることの重要性を認識しよう

 

【ラグジュアリー戦略】私たち顧客がブランドを選ぶとき贋物リスクを減らす 5 つのチェックポイント

 

私たち顧客は、なぜラグジュアリーに大金を掛けるかを考えていくと、そのブランドの機能面と夢の面に同時に魅了されることで対価を支払うのである。

偽造品は、その両方の側面を欺くことで、簡単に大金を得ようとする悪しき行為であり、ある種「ラグジュアリーに寄生する風土病」である。

偽造品に関しては、私たちが特に欲しいと思うブランドに限り、多くの偽造品に遭遇することが多い。

偽造品は、私たちが喉から手が出るほど欲しいと思わせるブランドでない限り、偽造品は出てこないのである。

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主に、偽造品が出る背景には以下の二つの要因により生み出されてしまうのである。

一つ目は、ブランドの夢の部分である視覚的手段が高い価値を生み出す効果である。分かりやすいトレードマークに関して、安価にロゴを付けるなどの行為である。

キルティングバッグに、シャネルの「CC:ダブルシー」しかり、あるいは、キャンバス地のバッグに「LV:ルイヴィトン」のロゴを入れたりする。

二つ目は、ラグジュアリーブランドは、社会的階層を創り出すため、本来では標的ではない人たちにも、コミュニケーションを行うことで、上記の分かりやすい側面だけを真似た偽造品に引き込まれる人を激増させてしまうのである。

私のブログでも、それらの要因で、安易に偽造品に手を染めない為に、個々のブランドとその製品についての真贋ノウハウを一部公開してきた。

 

【ラグジュアリー戦略】私たち顧客がブランドを選ぶとき贋物リスクを減らす 5 つのチェックポイント

 

 

などである。また参考に【ピラミッド型ビジネスモデルからみえる高付加価値を維持する 6 つの高級ブランド事例 】でも紹介した古典的なブランドの製品ピラミッドモデルを掲載しておいた。

その図をみると、偽造品は、上位ラインまでが多く、一般的に選択できる定番モデルか、入門製品並びにライセンス・低価格モデルが主に偽造品は作られる。

そのため、個々の定番モデルを参考に真贋ノウハウを公開したのだが、つい最近、もっと大局的に、偽造品リスクを判別でき、投資するに価値あるブランドということが分からないかという相談を受けた。

そこで今回は、比較的ブランドに明るくなくても、贋物リスクを減らす 5 つのチェックポイントを簡単にではあるが取り上げておきたい。

参照とした書籍は、ラグジュアリーブランドの戦略について、様々な角度から網羅的に書かれているラグジュアリー戦略―真のラグジュアリーブランドをいかに構築しマネジメントするかを参照としているので、

ご興味のある方は、何度読み返しても新しい知識が得られる良書なので、一読して頂きたい。

 

私たち顧客がブランドを選ぶとき贋物リスクを減らす 5 つのチェックポイント

 

私たち顧客が特に注意すべき点は、ブランドが展開する流通政策及び中古市場における業者や個人の販売手法をどのようにコントロールしているかによる。つまり、私たちに販売するためのアプローチに十分注意すれば、贋物リスクを軽減することが可能である。

 

1. 流通チャネルが絞られ過ぎている

 

【ラグジュアリー戦略】私たち顧客がブランドを選ぶとき贋物リスクを減らす 5 つのチェックポイント

 

まず第一に、贋物が横行するひとつの要因に、流通があまりにも絞られ過ぎていることや販売拠点をもっと開発する必要があることが挙げられる。

製品の実物に容易には手が届かない私たち多くの顧客は、純正品と贋物を識別できないことに起因する。

前回取り上げた【オーデマピゲ ロイヤルオーク オフショアダイバー は 成功時計のダイバーズモデル】や【ヴァシュロンコンスタンタン オーヴァーシーズは実用機能を装備した最高級スポーツモデル】に見られた贋物が高値で取引されていたことである。

本物を一度でも見たり経験すれば、写真だけでも一目で贋物ということが分かるレベルである。

つまり、極端にチャネルが少ない場合、高額なブランド品ほど情報の歪を突いて、贋物が横行してしまう。

この場合、本物を多く見ると言う機会を自ら作る必要があり、正規店で本物を経験して購入する方が無難である。

本物の経験がないのに、極端に少ない中古品を購入するリスクは非常に高いものとなるだろう。

 

2. 流通チャネルが広がりすぎているか、管理されていない

 

【ラグジュアリー戦略】私たち顧客がブランドを選ぶとき贋物リスクを減らす 5 つのチェックポイント

 

贋物自体が、本物と製品と共に売られている場合がある。昔日本でもあったが、ショーウインドウに並べられた本物を見せ、売る際には在庫と称し、偽物を販売する手法である。

国内では減ってきているが、ネットオークションを使った贋物販売は後を絶たない。

多くの場合、それは中国で作られ安く輸入して、市場に比べ極端に安い価格で、個人間で売買することで、贋物を掴ませる。

2015年前後であろうか、その中国において突如古酒が売れ出した。【Remy Martin Louis XIII 2015年に突如現れた「ブランデー高額買取市場 」中古価値 0 円だったレミーマルタン ルイ13世 約 10 万円以上する高額ブランデー買取を実施してみた】日本国内で古酒を爆買いすることで、日本で中古市場が登場したのである。

日本では、長年古酒は売れずに家庭に眠っていたのである。買い取る業者が増えると、中古で売られる古酒が激増。

古酒の場合、レミーマルタンルイ13世などの飲み干した空瓶を安価に購入し、中身が違う酒を入れて、高値で違法に販売する業者まで登場したという。

また、特定のアジアの国でも、ブランド品の贋物市場が横行し、現在でも違法行為が後を絶たない。海外で安く購入したい場合は、正規店で購入するか、正規店が出店している免税店で購入することである。

間違っても、海外では本物を扱っている販売業者を知らない場合、購入を見送った方が良いだろう。

 

3. 生産並びに廃棄が管理のバランスが崩れている

 

【ラグジュアリー戦略】私たち顧客がブランドを選ぶとき贋物リスクを減らす 5 つのチェックポイント

 

ラグジュアリーブランドにまでなると、生産の一部を下請けに出す場合があり、その場合下請けは、大量生産を行い、数を多く出し売り切ってもらいたいという誘惑に駆られる。

最終的に大量に作られた製品は、ブランド企業側が、引き取らない余剰品や不良品を売りさばくことになるが、その場合、直営店や販売系列店以外で販売されることになる。

その場合、主にアウトレット業者が販売を担うのだが、ブランド側が、新品同然のアウトレットモデルを市場に投入し出したら、そのブランド側に支払う価値は著しく下落する。

ブランド企業側としては、出来る限りアウトレットなどに出さない方が賢明なのだ。

シャネルやヴィトンなどは、アウトレットなどを持たず、価格を維持する戦略を貫いている。

付加価値が落ちる事を懸念したブランド側が、余剰品や不良品を極秘裏に廃棄していた問題は、世界中で問題となったのは記憶に新しい。

バーバリーブランドが、約 130億円分以上の売れ残り商品焼却【バーバリー、130億円分以上の売れ残り商品焼却 高級ブランドが苦戦】したのも、生産体制のバランスが崩れている証拠でもある。つまり、過剰に作り過ぎなのである。

また、ラグジュアリーブランドの主戦場となっている中国では、高級腕時計が贈答品として政府高官に流れていたが、中国政府の腐敗撲滅政策で大量に売れ残る問題【スイスの時計産業 中国の汚職対策で躍進に陰り】が発生した。

その余波で、カルティエやモンブランを傘下に置くスイスのリシュモンは、過去2年で、4.8億ユーロ相当の腕時計を処分されていた問題もある。

このように、アウトレットを大量に出すことや生産過剰の状態で、売れているブランドだからといって、生産並びに廃棄の管理バランスが良くないブランドについては、真贋が難しくなることもあり、購入は慎重になった方が良いだろう。

 

4. ライセンスの欠点を改善していない

 

【ラグジュアリー戦略】私たち顧客がブランドを選ぶとき贋物リスクを減らす 5 つのチェックポイント

 

ラグジュアリーブランドにおけるライセンスは、非常に高価であるため、ライセンシーにとっては、契約ブランド以外にも、他のブランド製品を扱ったり、低価格のブランドでもない製品を売ったりする誘惑に駆られる。

日本での展開を見ていくと、バーバリーと三陽商会の例【バーバリーを失った三陽商会の「落日」】もある。

最初は、代理店が販売網とブランドの認知度を上げた後、ブランド自らが直営で展開し始めるのも、これらの業者は、他のブランド企業のライセンスへの誘惑に駆られる要因となる。

私たち顧客が注意すべき点は、これらのライセンサーの勝手な判断で商売を始め、ライセンス商品が溢れてくると、真贋は特に難しくなり、ブランドイメージの悪化や価格が乱高下するリスクがある。

先日ロレックスは、チューダーの日本への展開を始めたが、サブブランド的ポジションを崩さず、ライセンサーを通じて、誰かに売ってもらおうとは考えず、ライセンス・ブランドというイメージを巧妙に回避している。

ライセンス商法に、手を染めているブランドは、購入対象から外すことでリスクを軽減できる。

 

5. インターネットで偽造品が売られていても対処していない

 

【ラグジュアリー戦略】私たち顧客がブランドを選ぶとき贋物リスクを減らす 5 つのチェックポイント

 

贋物販売において、インターネットが危険な役割を果たしていることが大きいのであるが、ブランドがネットでの製品販売の許可が出すや否や、贋物品の市場への扉は大きく開かれることになった。

当ブログでもブランド品を多く掲載しているが、贋物業者から多くのスパムメールが届く。笑ってしまうのが、中には悪質にも「スーパーコピー品」と銘打つ業者までメールが送られてくる。

イーベイをはじめ、タオバオヤフオク、フリマアプリのメルカリなど、少しチェックするだけでも「おかしなブランド品だな」という首をかしげたくなる商品がヒットする。

またグーグルで「贋物やスーパーコピー」と検索を掛ければ、多くのECサイトが検索でヒットする。普通このようなサイトは、検索できないようにするものだが、無法状態である。

ブランド企業側も賢い対応を見せており、2008.6月イーベイは、LVMHとの裁判に負け、【仏高級ブランドLVMH グループのイーベイ訴訟、30日に判決】賠償金の支払いを命じられた。

ブランド企業側も、ネットサービス企業を訴えることで、贋物の撲滅に一役買っている。個人的に思う事は、もっと訴訟が増えて、ネットサービスのさらなる健全化が行われれば、私たち顧客も安心して購入することができる。

私たち顧客が注意する点としては、ネットで極端に安い価格で、販売されている商品に関しては、買わないことである。

仮にオークションで、 1 円スタートとされていても、本物を知らない場合には、近づかないことである。

また、オークションや EC サイトなどに関しては、顧客のレビューや評価数で判断することはもちろん、写真や情報などを豊富に掲載している出品者を選ぼう。

シリアルや製造年月の数字を公開している親切な業者もあり、しっかりとした真贋技術を持った業者を選ぶのもリスクを低減するひとつの方法である。

 

なぜ偽造品が作られるのかブランド企業側は深く顧客を理解する必要がある

 

【ラグジュアリー戦略】私たち顧客がブランドを選ぶとき贋物リスクを減らす 5 つのチェックポイント

 

偽造品を買う人と偽造品を実際に身に着ける人を区別する必要があるというのは、当ブログの賢明な読者の方であれば、すぐに理解できることであろう。常に購入者と使用者は、同一人物とは限らないのである。

まずは、確信犯的に、贋物を装着していても、誰も分からないだろうと、お金を払いたくない人々。それを買えない、もしくは、価格が品質に見合っていないと考える人々である。

次に、受け取る人に贋物だとバレないだろうと考え、プレゼントとして買う人々も挙げられる。最後に、純正だと信じて贋物を買ってしまう人々である。

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上記、3つの範疇に識別できると思われるが、それらの人々のすべてを敵として扱うのは賢明とは言えない。

彼らの一部には、そのブランドが好きか、もしくはそれが本物として信じている場合があるからだ。

それらは将来の潜在的な顧客として扱うことであり、ブランド企業側も何かしらの方策を打ち続けることである。

一方で、確信犯的に贋物を購入するもしくは製造する業者を許してはならない。

これら人々は、偽造品の購入を通じて、麻薬や武器を扱う巨大な犯罪網に繋がっている可能性もあり、絶対に許してはならないのである。

顧客がなぜ贋物に手を染めてしまうのか、特に製造しているブランド企業はそのことをしっかりと認識しておくことが重要である

多くの製品を展開するブランド企業は、流通には特に気を配り、作り過ぎを防ぎ、目先の利益のみを追求せずに、偽造品業者という風土病の予防を怠らず、巨大な流通を許すネットサービスを監視して、偽業者の撲滅を図り、健全は企業運営を行って頂きたい。

参照ラグジュアリー戦略―真のラグジュアリーブランドをいかに構築しマネジメントするか



About PG編集:道長

食べる事と寝る事に一生懸命な旅人。 世界は感染症や戦争で混沌としておりますが、平和になったら平和な国を旅をしたいと準備しております。 先代の管理者様より、サイト管理・記事制作を委任しております。 ※現在は写真提供をして頂いております。

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