今回の依頼は彼女の妹のクローゼットにある一部のヴィトンの売却を検討する
前回、彼女のクローゼットの処分の依頼を受けてレトロなヴィトンの売却の実施をしたのだが、最近では、彼女をはじめその親族や知人まで、当ブログの読者ということで、今回は、彼女の妹のブランド品の一部処分を依頼されたわけである。
次から次へと依頼があるのは、モデルによる真贋と相場観を比較的熟知している私にとって、高級ブランドを手にれたり、売却益を得る事はさほど難しい事ではない。
せかせかと、転売屋の仕事をプライベートでしているわけではなく、長年ブランド品のモデルと相場を眺めていて、売買術を少し知っているだけで、あくまでも趣味の一環である。
今回は、彼女が比較的大金を得たという事を聞いて、売却のやり方を知りたいと、クローゼットに眠るいつくかのヴィトンを整理したいとの事なので、売買の手助けをした次第である。
業者にとって、サマーシーズンに使いやすいヴィトンは、少し前から売り時であって、春から梅雨の時期に売却すると比較的高い値段をつけやすい。
ヴィトンはアウトレットが不在の事から、比較的高い値段がつきやすく、売却をして、その売却益で、新しいヴィトンの購入の頭金にあてる事は比較的容易である。
他のブランドではこうした芸当ができる事は少なく、世界中を眺めてみても、二次市場、三次市場でも通用するブランドで言えば、ヴィトン・エルメス・シャネル・ロレックスが定番になるだろう。
ボロボロで商品価値がほぼゼロに近くても、ある程度の金額になるということが、本当の意味での「ブランド力」というのはこのブログでもお伝えしてきた次第である。
買取屋が買取商品をブログやネットメディアで告知する場合、その金額は教えてくれず、高額査定、高価買取、安値販売と謳い、どの程度の相場価格なのか、業者でなければ分からないが、最近は多くの業者、多くのオークション取引から相場価格は比較的掴みやすいものである。
そこで今回は、季節モデルに欠かせないサマーモデルのヴィトン3つのモデルの相場と買取価格、頭金をつくった経緯を伝えていく事にする。
LOUIS VUITTON ルイ・ヴィトン モノグラム・デニム ネオスピーディ
【基本データ】 型番:M95019 / 素材:モノグラム・デニム / 仕様:内側ポケット×1・外側ファスポケット×1・外側ポケット×2 / サイズ(cm):約 W30.0cm×H18.0cm×D16.0cm / 重量:約 630g / 参考価格:約 192,000~203,000円
ヴィンテージ風デニム地が味わい深く、モノグラムが立体的に織り込まれている。フロントポケット面のコアラ金具と上部のファスナーで全体のデザインが引き締められている。
女性の心をとらえて離さない、カジュアルなデニム地でありながら、格調高いスピーディのデザインとカジュアル感が上手く融合しているモデルである。
相場は、約60,000~状態により徐々に下値がついている。比較的ヴィトンでも割れやすいモデルであり、安値圧力の方が強い。
ヴィトンブランドの中で、ある程度のヴィンテージ感に魅力を感じているのは、カジュアルなモデルではなく、格調がありながら、長く定番になっているモデルである。という事から考えると、一般的なスピーディの方が相場は安定しやすい。
彼女の妹は、このモデルで様々なサマーシーズンに使用したようだ。普通のレザーでは熱を持ちやすく、とても夏場に持てない。
そこで比較的暑い時期でも、ヴィトンを持ちたいと考えるのはファンとしては当然であり、デニム素材はサマーシーズンにはピッタリである。
スピーディの機能性の良さとちょうど良い大きさは、ファンであれば理解が進んでいるが、オールシーズンでヴィトンを持たせようとする戦略は当たっており、比較的ダメージがあってもオークション市場でも比較的売れやすいのである。
売却金額も約 45,000円という比較的満足する金額であった。
LOUIS VUITTON ルイ・ヴィトン モノグラムデニム ミュール サンダル
LOUIS VUITTON ルイ・ヴィトン モノグラムデニム ミュール サンダルである。モノグラムデニム生地と麻の組み合わせ、サイドのリボンがワンポイントになっており女性が好むデザインである。
高めのヒールであっても、底部が安定しており、比較的歩きやすいサンダルである。旅行先やリゾート地で比較的使っていたモデルである。
二次市場でも価格は安価で、サマーシーズン前に女性へのプレゼントには最適である。新品販売価格は、当時 約 65,000~80,000円程度である。
モデルとしてはあまり流通しておらず、相場は比較的安定している。約 27,000円~約16,000円程度であり、状態やサイズで価格が変わるようである。売却価格は、約18,000円でありこれについても比較的満足度は高い。
LOUIS VUITTON ルイ・ヴィトン モノグラム・イディール ネヴァーフルMM
当時ルイヴィトンで新しいラインであったモノグラム・イディールのシティバッグである。モノグラム・イディールキャンバズは、しなやかなさと軽量性、耐久性を兼ね備えたコットンと合成繊維の混紡素材である。
詳細にみると分かるのであるが、ほんのりと艶やかな光沢ある仕上がりとなっている。
ただ注意が必要なのが、明るい色のモデルは、比較的汚れが目立ちやすく状態が良くても、表層の色が変わりやすい。
表層は汚れが付きにくいように薄くコーティング加工が施されているが、非常にデリケートであり、すぐに汚れるという。
女性で多いのが、香水・マニキュア・除光液などの接触に弱いという、想定される小物が入る事が多い割に、弱点だらけという男性から見るとシュールな素材である。
さて売却金額であるが、約 80,000円の金額が付いた。状態で言うと、1.2度サマーシーズンに利用したのみで、使っていなかったようである。
微細な汚れと傷があるが、概ね綺麗に保管されており、程度の良い事、夏のシーズンに売りやすい事、店頭でも販売しやすいという事で、比較的高値がついた。
やはりどのモデルもそうであるが、ある程度クリーニングとちゃんとして、比較的湿気の少ない換気の出来る場所にしっかりと保管する事で、良い状態に保たれ、比較的高額になりやすいのは間違いはない。
要は売りやすい時期、売りやすい程度、売りやすいブランドが、高値買取の前提条件であり、なんでも高額に引き取るわけではない。
ルイ・ヴィトンは、二次市場で不動の人気を誇りいつの時代でも高額
売却金額は、トータルで言うと、約143,000円である。今回はおおよそ予想通りの買取価格であり、彼女の妹も満足していた。
何も考えずにヴィトンだから「いい値段で売れる」というわけではなく、中古品の中でも程度の良いモノ・悪いモノも多く、保管の環境や劣化しやすいモデルは、将来における売却金額は大きく変わる。
彼女の妹は比較的ブランドマニアであり、この妹が今後、様々なブランドの売却依頼をしたいと言っているので、面白いモデルが出てくればそれらも紹介したい。
今回のモデルは、クローゼットで保管していても、比較的劣化の少ない素材であり、日本の気候でもあまり経年の変化はない。
しかし欧州とアジアは、気候でも日照でも大きく違うのであり、いくら綺麗に使っていようが、タンスの肥やしになる前に早めに売却をしたほうが賢明であろう。