彼女のクローゼットにあるレトロヴィトンは一体いくらになるのか
今回は、クローゼットに眠っているブランドの代表例、ヴィトンの家財整理を取り上げておきたい。年末も近づき、一年の垢を落とすべく、身辺の様々な整理を行う時期である。
高額なブランド品は、なんの予備知識もなく、購入予算を全額負担する意識では、支払う痛みが大きくなる。多くの人がこの手の高級ブランドを敬遠する主な理由は「お金がない」という面が最も大きな理由を占める。
比較的世の中に「お金」が流入していた時代には、この手の高級ブランドが飛ぶように売れた。つまり、経済力とほぼ同義と考えていいだろう。
個人的な話で言えば、彼女は安月給の私が、次々と高級ブランド品をプレゼントしてくれるのか不思議でしょうがないようである。
ブランド・モデルごとの真贋と相場観を比較的熟知している私にとって、高級ブランドを手に入れるのはあまり難しくはない。長年ブランド品の相場を眺めていて、売買術を編み出しただけで、あくまでも趣味の一環である。
彼女もそんな秘訣を知りたいと、クローゼットに眠るアンティークなヴィトンを整理したいとの事なので、売買の手助けをした次第である。
そこで今回は、アンティークヴィトンの4つのモデルの相場と買取価格、年末に向けて旅行をしたいとのことで、その頭金をつくった経緯を伝えていく事にしようと思う。
モノグラム シャンティ:底が丸い可愛いフォルム「シャンティ」
ヴィトン モノグラム 「シャンティ」である。底が可愛く丸くなっているデザインであるが、よりファッション性に振られたモデル。
機能性と収納性はほとんどなく、つくりは良いが、日常使いには不向きである。ハンドバッグのなかでも、サブモデルとして持つのは良いかと思う。
さっそく相場はどうなっているのか。相場は約 1 万円程度となっている。内部の状態があまり良くない事から、売却金額は、約 5,000円といったところである。
モノグラム ジェヌフィーユ:シンプルでクラシカルなポシェット「ジェヌフィーユ」
クラシカルでシンプルなフォルム、定番のショルダー「ジェヌフィーユ」。正面のベルトがワンポイントとなっている。
下に向かうにつれ、流線型になっていて、その分機能よりもデザインに振られている。収納性と機能性はほどんど犠牲になっているが、ファッショナブルなので、活動的な女性を演出できるモデル。
モデルとしてはあまり流通しておらず、もう持っている人も皆無に近いのであろう。相場はバラバラであるが、約 4,000円で売却できた。
これに関して言えば、他のモデルと「まとめて売る」という事なので、もはや叩き売りになるようである。
モノグラム アルマ:ルイ・ヴィトンのアイコンである「アルマ」
ルイ・ヴィトンのアイコンである「アルマ」である。かなり使い込まれている。
グラマラスに引き立たたてるクラシックなモノグラム・キャンバスであり、優美なラインと曲線、贅沢なレザーのトリミングとフェミニンなゴールド色仕上げの金具が洗練されたスタイル。
長年愛用してきた事が分かるほど、使い勝手が良いのであろう。
さて相場はどうかと言うと、比較的取引量は多いようである。未使用新品同然では、約10万円までぐらいであり、店頭では約12万円程度がもっとも状態の良いもの部類に入る。
20年までいかないまでも、長年旅を共にしたレトロな雰囲気は哀愁を感じる。この状態でも約15,000円程度で取引されており、ヴィトンの強さが分かる。
さて売却価格であるが、約 9,800円の値段がついた。リペア前に査定に出した結果である。これには何度か取り上げているリペア術を使った。
そうすることで、約 2,000円ほどアップで売却できた。リペアはこの写真の後に行ったが、なかなか綺麗な仕上がりをみせ、そのまま売却。
モノグラム ブロワ:丸みがキュートで機能性追求型の「ブロワ」
斜めがけショルダーの定番「ブロワ」である。全体的な流線型と水平なライニング、機能性と収納力を備えたシンプルで洗練されたモデル。
現在保有していても十分通用する内容であり、復刻して少し現代流にアレンジを施して、新しいモデルとして出しても十分通用する。
さて相場はどうなっているのか 約15,000円程度までのようだ。若干難アリ品なので、もう少し安く考えておいてよく、やはり予想通りの金額であった。
取引金額としては約 9,000円での買取。なかなかであるが、若干のリペアを施したのは言うまでもなく、売却する場合でも、小奇麗にしておく事も重要なのである。
ルイ・ヴィトンブランドはいつの時代でも人気
トータルで言うと、約29,800円である。旅行の予算は、約100,000円前後の内容を検討しているので、1/3程度の頭金になったようでである。
何も考えずにヴィトンだから「いい値段で売れる」わけではなく、中古品の中でも程度の良いモノ・悪いモノも多く、保管という意味でも将来における売却金額は大きく変わるものである。
アンティーク同然のヴィトンは真贋の必要はあまりないが、程度を調べよく注意して買ったほうが良いだろう。
欧州ブランドであるヴィトンの古いモデルは、グローバルに売るモデル設計がされておらす、欧州内での流通で考えていたようで、経年劣化によりダメになる事が多い。
ポイントとしては、内装のポケットなど、湿気でベタつきが出て、剥離などがはじまると、もはや使い物にならない。
今回のモデルも、内装のベタつきや剥離などが始まり、クローゼットで保管していても、日本の気候では、すぐにダメになりやすいのである。
欧州とアジアは、このような意味でも相違しており、いくら綺麗に使っていようが、タンスの肥やしになる前に、早めに売却をしたほうが賢明である。
バブルの時代に流行したモデルであっても、ヴィトンは比較的値段がつきやすく、売却をして、その売却益を他の目的に使っても良いだろう。
他のブランドでは、こうした芸当はできる事は少なく、世界中を探しても、二次市・三次市場でも通用するブランドで言えば、ヴィトン・エルメス・シャネル・ロレックスが定番になるだろう。
要は、ボロボロで商品価値がほぼゼロに近くても、ある程度の金額になるということが、本当の意味での「ブランド力」というのは、このブログでもお伝えしてきた次第である。
業者は、ビジネスブログやネットメディアで告知する場合、その買取価格は、ほとんど教えてくれないものである。
また、高額査定、高価買取を謳い、どの程度の相場価格なのか、一般の我々には正直分からないものである。
ヴィトンに限らず、最近は多くの個人でも、オークションなどのネット取引などや査定サービスを使えば、相場価格は比較的分かるものである。
この機会に、あなたの自宅に眠っているブランド品を整理する年末のチャンスを逃してはならない。