基本データ:ルイ・ヴィトン モノグラム モンソー ビジネスバッグ 2way ショルダー
- 型番:M51185
- 製造年:2000年
- 素材:モノグラム
- 性別:ユニセックス
- サイズ:約 26.0cm × 21.0cm × 7.0cm
- ハンドル:約 21.0cm
- ショルダー:約 106cm~120cm(調節可能)
- 付属品:ショルダー/保存箱・布袋/正規店修理領収保証書/部品等
- 開口部:S字型ロック開閉式
- 外部:オープンポケット×1
- 内部:ファスナーポケット×1
自分用のレストア品として違うモデルにしようと考えていたが、正規店の技術の高さから修理し売却しようと考えた
親族である家に行ったときのこと。断捨離の依頼で、ブランド品やその他様々な品物のリストの作成と査定の代行を頼まれたときの話である。
倉庫を整理中に、比較的状態の良さそうなヴィトンのビジネスバッグをみつけ、綺麗に見えるだろうけど、内装が劣化して使えなくなり、そのまま放置していたので、もう必要ないという。
非常にもったない話であり、再利用できると思った私は、どうするかと対応を聞いてみたが、あっさりと「使えないからそれあげるよ」と言われ、若干拍子抜けをしたが、持って帰ってきて、倉庫で劣化が進行しないように、養生して保管していた。
当初は、自分でレストアしてまったく違うモデルとして、自分専用として使用しようと考えていた。
外装部分が比較的綺麗で、ハンドル部分の傷みと内装についての経年劣化がかなり進行していた症状をみて、前に同じようなモデルの修理をしたことがあった。
その際、正規店の修理が意外と安価で、しかも非常に質の良い修理をすることを知っていたことで、正規店に修理に出し、その後売却しようと方針を改めた次第である。
では、さっそく相場及び買取査定から売却までの簡単な流れなどを記しておきたい。
「オークファン」を使って落札相場データを収集し、過去約 10 年間で、新品に近いモデルの落札相場を見ていこう。
取引数も少なく稀少で、価格に関しては下落基調であるが、未使用レベルは高額
オークファンで、取引上位の価格を見ていくと、 約 165,000 円が上限で売れているようである。それから徐々にだが取引額が下落している。
一方下記は、旧オークデータ (2018.06.30終了) で、ヴィトンのハンドバックの相場を見ると、比較的安定した相場なので、買取査定して売却するのは、比較的取り組みやすい相場である。
また、価格を調べていく過程で大事なポイントは、モデル全体の平均取引価格を知ることが重要である。
ルイ・ヴィトン モノグラム モンソーに関して分析を進めると、比較的マイナーモデルながら、定番のデザイン、カタチであるため、人気不人気関係なく、その使用状態で大きく変わる。
やはり取引上位に来るのは、未使用品や美品中心に取引されており、ヴィトンのモデルの中では、比較的リーズナブルなモデルに属してくる。
約 10 年間の平均価格帯は、約 100,000円前後なので、査定額を考えていくと、状態の良いモデルで、約 80,000~90,000円前後が買取査定額になってくることが、大よそ分かってくる。
今回は、内装が劣化して使用できないモデルの買取相場が、約 10,000~20,000 円前後と考えると、リペア金額次第で、どれだけ利益が得られるかが、同時に業者のコストの構造がわかってくる。
リセールバリューに関して言うと、約 50~60 %前後取れれば、まずまずの結果が得られそうなことが、データを見ると明らかになってくる。
ただ今回は、使用不可の処分品を譲ってもらったので、買取して仕入れたコストは、まったく掛かっていないのは、業者よりも比較的有利といえる。
ビジネスバッグの定番設計、機能的なスタイルと効果抜群のモノグラム・パターン
次に、同モデルのデザインや機能面の簡単な説明をしておきたい。ルイ・ヴィトン モノグラム モンソーの大きな特徴は、ビジネスバッグやショルダーバッグとして定番の設計であること。
また、欧州ブランドに多くみられる「体型が合わないサイズ」ではなく、東洋人にも、ピッタリフィットすることが最大のメリットであろう。
ただ、比較的小柄の女性の場合、もうワンサイズ小さなモデルを購入することを勧める。モデル全体に施されたモノグラムは、一目でルイ・ヴィトンと認識できる定番のパターンである。
大きなフラップが特徴的で、ヴィトン定番のデザインである「S字型ロック開閉」が中央に配されることで、一体感のある引き締まったモデルにみえる。
上部ハンドル面は、手になじみやすい滑らかなレザーが使われ、長期間の持ち運びで疲れにくいハンドルとなっている。
ハンドル側面部には、ショルダーベルトを装着する金具が配されており、ショルダーバッグとして、肩から下げることもできる。ビジネスからカジュアルまで幅広く持ち運びをサポートし優雅な表情を演出することに成功している。
最近作られる通常のレザーモデルは、軽量化が図られているが、同モデルは、大きなロックが前面にあることから、多少の重量がある。
また内装は、シンプルな作りで、大きく収納力もあり、内部には大きく深めのファスナーポケットのみ装備されている。個人的に言うと、装備が若干少ないが、用途から考えるとコレで十分であろう。
フラップを開けると、すべて開き切る開口面なので、取り出しにおいては便利である。ただ、開閉収納する際に、ロックを開閉する必要があり、手間となりやすく、瞬時の収納には適さない。
また、弱点を上げるとすれば、横長の収納となるので、なんでも放り込むことができるが、同時に中で荷物がぐちゃぐちゃになりやすい。
上手く内部で、機能的な間仕切りなどがあれば、綺麗に収納できると思うが、シンプルに内部ポケットがひとつだけである。
用途としては、書類などを入れるには最適なので、ビジネス面であればまったく問題がないのだが、カジュアルな生活シーンで、細々したモノを入れる場合、少し不便である。
内装素材は、ヴィトン特有の湿気に弱いところがあり、今回修理に出した面も、よく経年劣化する箇所である。
上記の写真で、劣化したポケット面の部品であるが、製作におけるカバンの精度が元々高いが、逆に湿気を逃がすところがなくなりべたつきが出るのが古いヴィトンモデルの共通する弱点である。
この場合、軽く内部を薄紙などで養生し、湿気を取る市販の乾燥剤などを一緒に入れておくと良いだろう。
今回の修理については、ハンドルの一部交換とショルダー及び内部ファスナーポケット面の全面取り換えを行った。修理費用は、約 29,000円前後であり、約 30,000円以内に収まったのはよかった。
もう少し高い修理費用を請求されると思っていたが、意外とリーズナブルで、完璧な修理を行ってくれたヴィトンの正規修理技術の高さを改めて痛感した次第である。
ブランド企業の値上げ、中古品が減少すればするほど、価格が上昇する安定した相場
上記は、「旧オークデータ (2018.06.30終了) 」で、ルイ・ヴィトン モノグラム ハンドバッグのカテゴリーで、約 5 年間の総落札数及び平均落札額である。
総落札数は、約 5 年ほど、約 1,500~2,000件を上下している総数であったが、最近は、約 1,500件を切る数字となってきている。
同時に、平均落札額は上昇傾向となっており、約 5 年以上、25,000円を天井ラインで、安定した相場を形成していたが、需要と供給の関係からか、約 30,000円を突破する勢いである。
また、その安定の高さから、ブランド企業の値上げ改定、ヴィトンの人気高騰から、全体的にさらに高額になっているのも要因であろう。そして、ヴィトンの底堅いブランド力が見えてくる。
さて、今回の買取査定とどれだけの利益が出たか簡単に記しておきたいと思う。同モデルは、使用できない処分品を引き取ってきたので、仕入れ的には実質ゼロである。
今回はヴィトンの正規修理に出したので、約 29,000円掛かった。買取査定については、約 89,000円の査定額で引き取ってもらったので、約 60,000円の利益が出た。
業者は、約 110,000円以上を付けて販売するとの事で、あとで聞いた話では、店頭で即売れたそうである。最終的な価格は教えてくれなかったが、それ以上で販売したのであろう。
当初は、レストアしようと思っていたモデルが、思わぬ利益が出たことは、一重にブランド力を持っているからである。
ブランドの強さの証明とは、中古モデルとなっても、大金を掛けて欲しいと思うかどうかで、強さが客観的に把握できると思っている。
ブランドも含め、価値のある中古モデルは、人気投票と同じであり、状態の良いモノを一定の割合で割引して買えることは、非常に魅力的に映るであろう。
高級ブランドを購入する際に、ルイ・ヴィトンは、入門となるブランドの代表である。初めてブランドを保有したいと思う人にとっては、最適といっても過言ではなく、扱いやすく優れたブランドというのは、いまだに変わることはない。