基本データ : ルイ・ヴィトン マヒナ ガラテア PM ノワール M93814
- 開閉形式 :ファスナー開閉式
- 型番 :M93814
- 内側 :ファスナーポケット×1,オープンポケット×2
- 素材 :マヒナ・レザー
- カラ― :ノワール
- 付属品 :パドロックキー×2・クロシェット・ポワニエ・純正保存袋
- サイズ :約 W 33.0cm × H 20.0cm × D 19.0cm
- ショルダー全長 :約 54.0cm
- 参考国内定価 (当時) :約 259,000円 ~ 287,000前後
マヒナ / 市場に初めて投入されたソフトレザーライン
今回は、ヴィトンから投入された高級ソフトレザーラインである マヒナライン、 ガラテア PM ノワール ついてである。同ラインは、07年にヴィトンから市場に投入されたソフトレザーラインである。
すべてのアイテムに穿孔されたモノグラム・パターンが特徴的であり、上品でフェミニンなイメージを醸成するように計算されたパターンである。
マヒナ・ラインは、マオリ族の言葉で「月の女神」を意味する「マヒナ」に由来して名付けられ、関連モデルの名前には、「ステラやセレネ」なども存在し、星や女神などの名前から取られたモデルもみられる。
知名度の低さ、数も少なく、持つユーザーを選ぶ事から、高価格の割に リーズナブル な相場
では、さっそく「オークファン」を使って落札相場データを収集し、過去落札されたモデルの新品に近いモデルの最高落札相場付近を見ていこう。
この場合 約 158,000 円程度が最高価格で売れるようである。それから徐々にだが取引額が下落している。
価格を調べていく過程で大事なポイントは、モデル全体の平均取引価格を知ることが重要である。
天然革ラインは、比較的知る人も少なく、保有している人も少ない事から、ブランドをよく知る人向けであることがわかってくる。
また、一見するとルイヴィトンと分からないというところも、価格があまり上がらない要因でもある。
中古モデルを購入するユーザーの大半は、初めてブランドを持つ人も多く、入門モデルとは言い難いからだ。
知人に依頼され、買取査定に出してみたが、約12万円の査定結果であったが、元々新品価格で、約 25 万円以上するモデルを購入している。
つまり、リセールについては、約46 % 以下にしかなっておらず、平均的なリーセルである約 50~60 % 程度には程遠かった。
逆に考えると、二次市場に出されるモデルには、数は少ないが良質なモデルと出会える事もあり、それが比較的リーズナブルに購入できる隠れたカテゴリーという事はあまり知られていない。
上質で高精度な技術を用いたレザーモデルで通常モデルよりも高級ラインを狙う
マヒナ・ラインに使われているレザーは、生後 6 ヶ月以内の子牛のレザーを使用しているという。
レザーの部類とすれば、最高級のカーフと言えるであろう。特徴的なのが、非常に柔らかい事であり、肌触りは非常に良くきめ細やかである。
高価なレザー面であることから、いつものようにプリント加工とするわけにはいかず、ヴィトンは、贅沢に穿孔されたモノグラム・パターンを柄として選んだ。
技術的には難しい航空関連用に開発された高精度のパンチング加工技術を持ってきている。モノグラム・パターンを正確に表現しレザーを感じてもらう為の最大限の知恵と配慮であろう。
染色に関しては、非常に洗練されており、滑らかで美しい光沢を放っている。より自然に近いレザーなので、逆に持つ方が神経を使う。
質感に関しては、ワンランク以上の「上位モデル」と位置づけられ、明らかに入門者向けのモデルではない。
使う用途及び顧客は限られており、最後発ラインで海外の市場価格は、約 3,400ドルという驚異的な価格設定は、ある一定以上の富裕層にターゲットは絞られている。
ルイ・ヴィトン マヒナ ガラテア PM ノワールバッグ
次に同モデルのデザインや機能面の簡単な説明をしておきたい。ガラテア PM は、遠目から外装を見ると、非常に魅力的なバッグになることを計算されたかのようなフォルムである。
このブラックに統一された「ルイ・ヴィトン マヒーナ レザー ガラテア PM」は、光沢の美しいブラックのチョコレート・トリムが施され、外装デザインとして、穿孔されたモノグラム・パターンが全面に施されている。
両側面に織り込まれた柔軟性の高いプリーツと、楕円のロール状トップハンドルがデザインされており、上品な女性の為に持たれる事を想定して、優雅な表情を演出することに成功している。
通常のソフトレザーモデルは、重くなりがちであるが、同モデルは、金具を極力使用していないため、非常に軽く 数多くのレザーモデルの中でも抜群の軽量を誇る。
内装は、比較的ゆったりとした作りで、大きく収納力もあり、表面はベルベットのような柔らかな短めの毛羽でなめらかな手触りである。
内装側面のポケット収納面は、硬質なレザーにファスナーが取り付けられ、下部にヴィトンのロゴが配される。定番のパターンが踏襲されている。
開閉面は、ダブルジップ式の開閉なので、すべて開き切る開口面は、大きく取られており、機能面での使い心地の良さは非常に高い。
ただ、完璧な作りと品質であるが、一点弱点を言えば、中が空では自立が難しく、綺麗なデザイン・シルエットを保つことができない点である。
全体的に、すべてを上質に仕上げてきていて隙のないモデルであるが、軽量さと優雅さを重視した金具などを極力使わないデザインの唯一の欠点であろう。
ふっくらとしたシルエットを保つためには、比較的荷物を必要とする。このあたりの弱点は、どのラグジュアリーブランドでも見られ、自立できず型崩れしてしまい、情けない佇まいに陥りやすい弱点は否めないであろう。
数は少ないが魅力的な天然革モデルがあり、知る人は少ないが リーズナブル に手に入れやすい
Reference:Aucdata
上記は、「オークデータ 」でルイ・ヴィトンの天然革ラインのカテゴリーで、約 5 年間の総落札額及び平均落札額である。
総落札額は、約 3 年ほどは、約 200~500万円を上下している落札額であるが、ここ約 2 年ほどは、約 400~700万円を上下しており、徐々にではあるが、総額が上がってきている。
二次市場に出される数は、ここ数年間は数も少なく一定ではなく、比較的高額モデルを購入できる経済力のあるユーザー層が主な相場にみえる。
また、平均落札額は、 約 70,000~90,000 円付近を上下しているが、大きな上昇もみられ、平均でも非常に高い。
あまり取引されるカテゴリーではないが、天然革カテゴリーのモデルは、数は少ないが、魅力的で稀少なモデルが出される事もあり、見逃せないカテゴリーであることは間違いはない。