超高額プレミアムアルバム:日本郵趣協会出版社「ボストーク 中国切手アルバム」
中国切手の未使用同然の相場は、比較的良い相場を現在でも形成している。高騰している種類の大半が、文化大革命時及び 77年に終結宣言がなされた社会的騒乱前後までである。
国内のオークション市場で、過去から付けた価格が、適正である条件を前提にすれば、驚異的で高いリセールバリューであり、書いている 2018 年現在でも高額を維持している。
当たり前の話であるが、中国切手は、主に中国人相手にのみが高額に取引しており、投機目的の対象として、切手は利用されている。
ちなみに他の国の切手アルバムは、思ったほどの価格を付けておらず、中国切手のみが高騰している状態である。
その高騰している中国切手相場においては、大半の人々は見たこともなくほとんど知らず、噂やネットでの数少ない情報のみで記載される程度である。
そこで今回は、個人的に保有していた日本郵趣協会出版社から出ている「ボストーク」と言われるアルバムの中から特に高額だったコレクションを簡単にではあるが取り上げておきたい。
特に高額なのは 1960~1980 年前後の最も稀少性の高い時期
オークファンで過去の高額落札相場を見ていくと、アルバムの中で初期の巻が最も高額であり、1960~1980 年前後の切手収集を禁止されていた時期のアルバムが高額である。
親族が収集を始めた時期は、1970年前後だったので、流石に超高額の60年代の切手はなかったが、70年代、80年代と継続的に収集していたので、ほぼ全種類揃っている稀少性の高い状態であった。
現在でも、その稀少性の高さから相場は安定しており、比較的額面通りに買取、販売されているようである。
相場の平均価格は、約 1,055,000 円前後の記録が多数見られることから、今回は初期の巻にも近いので、比較的高額買取が期待できそうである。
また当時、安定成長期の日本で、主に収集したことも稀少性を上げる要因であり、偽物と疑われるということもないので、そのような意味合いからも、大きく査定額が下がることもなさそうである。
私も含めそうだが、結果的に分かったわけだが、収集していた当時の人々は、これほど高騰するとは思ってはいなかったであろう。
当時の高度成長経済期からバブル経済期の日本人の大半は、切手などを時系列、各国ごとに計画的に集めず、自分が好きな切手やバブル時代に発行された流通量の多い日本の切手を主に収集していた。
各国の政治状況を読み、手に入りずらい流通量が少ない稀少な切手ばかり収集していた祖父や親父の先見の明には驚かされる次第である。
株や不動産もそうだが、皆が投げ売りをはじめたり、バブル崩壊時など不安定な時期や誰も注目しない時期に安く仕入れ、大量にコレクションしていく親族の手法は、個人的にも、株式投資などで役立っている。
革1 現代京劇「智取威虎山」1970年 買取相場:9,000~11,500円
革3 パリ・コミューン100周年 1970年 買取相場:13,500~17,000円
革4 中国共産党50周年 1971年 買取相場:14,000~17,000円
革9 毛主席の題字発表30周年 1972年 買取相場:4,500~7,000円 / 革7 船シリーズ 1972年 買取相場:6,500~8,500円
革10 鉄人・王進喜 1972年 買取相場:2,500~3,300円
革14 オオパンダ2次 1973年 買取相場:3,800~4,800円
革17 新機械 1974年 買取相場:19,000~24,000円
J25 全国科学大会組 1978年 買取相場:26,000~32,000円
T28 徐悲鴻 (奔馬) 1978年 買取相場:3,000~3,800円
T28 徐悲鴻 (奔馬) 1978年 買取相場:30,000~37,000円
J41 31回 リチオーネ国際切手展加刷 小型シート 1979年 2圓 買取相場:45,000円
J45 中華人民共和国成立30周年 1989年 買取相場:3,600~4,500円
J59 中華人民共和国展覧会(米国)1980年 買取相場:70,000~82,000円
T41 少年たちよ、子供の時から科学を愛そう 1979年 買取相場:90,000~115,000円
T37 雲南のツバキ 1979年 買取相場:12,000~14,000円
T54 蓮の花 1980年 買取相場:3,000~3,600円
T54 蓮の花 1980年 買取相場:14,000~18,000円
T69 紅楼夢 1981年 買取相場:11,000~14,000円
T46 年賀切手(申) 1980年 極美品 買取相場:170,000円
T46 年賀切手(申) 1980年 極美品 買取相場:170,000 円(裏表)
T44 斉白石作品選小型シート 2園 買取相場:23,000円
T29 工芸美術小型シート 3園 買取相場:23,000円
番外:紀6 開国1周年記念 東北貼用 5種完 買取相場:4,800円
高度成長とバブルを謳歌する中国人に過去の預かり品を返す感覚に近い
昨今の中国経済の急激な成長により、富裕層や業者が投資及び投機、コレクション目的として切手が使われている。
日本には、まだ多数の中国切手が存在し、国内で購入し、中国へ出張する際の政府関係者のお土産なんて言うのも業者から聞いた事がある。
当時の中国では、切手は外貨獲得の手段として、主に観光客向けに販売され、中国人自体の切手収集を禁止していたのが大きい。
中国国内で自国の切手を保有している人間が極端に少なく、50~60年代から日本で切手収集のブームが始まり、中国に外貨を落としながら、中国の切手が日本に大量に流入したのである。
中国が高度成長期に入ると、株・不動産・美術品・切手・洋酒と日本のバブル時代と同じ投資パターンを繰り返しているのである。
上記データは、旧オークデータ (2018.06.30終了) より確認することができるが、中国切手のキーワードを用いて、ここ90日の取引を眺めていこう。
突出しているデータは、主にボストーク関連または、大量出品者による放出品が考えられる。最高落札額近辺をみていくと、数十万円単位の取引が毎日のように行われている。
投機筋が値を釣り上げ、高騰する相場を作っている。流通量が少なすぎると値が釣り上がらないが、値を釣り上げやすい少ないが適度な流通量である切手は、美術品以上に頻繁に取引されているのである。
現在では偽物も多く、注意が必要である。転売をするのには、うってつけの中国切手であるが、個人的にもたまたま保有していたわけであって、昔から保有している人以外、手を出さない方が無難である。
偽物は印刷の質が悪い事、色合い、毛並みの厚さ、字体、目打ちなど相違があるようだが、実のところハッキリとした真贋は分からない。個人的に偽物と比較したことがないからだ。
保有している「赤猿の件」は前回述べたが、2 枚程度をまずは売却して、約三十万円以上となったので、その後、仕事の合間をぬって、ボストーク関連を調査しながら、1ページ単位ごとの概算を行い、すべてのページの合計概算額を算出。
3冊程度保有していたが、第二巻の初期から第三巻・歯抜けの第四巻初期までを時系列にまとめ綺麗に整理した。
文化大革命から、日中平和友好条約前後、80年初期までの中国切手を多数保有し、その時代のモノは、高額であったが、後の新しい切手については、高い査定額とならず、おまけ程度といった次第である。
約 100 ページ以上のボストークすべての状態をチェックして、問題がなさそうなので、1ページごとの写真を撮り、各社の公表買取額のデータをまとめて業者さん何社か査定を出してみた。結果は下記である。
買取査定額を見ていくと、実のところ切手買取専門店の査定額が低い結果となった。必ずしも専門店が高価買取をしているわけではなく、在庫量や単純に買取金が不足していることも考えられる。
概算買取価格の約 1,023,500 円には届かず、買取査定額の約 996,000円で買い取ってもらい、今回も切手買取専門業者をすべて断り、知人から紹介された買取業者にお願いした次第である。
ちなみに、オークション落札価格や店頭販売価格は、概算で最低でも約 1,160,000~1,200,000円前後となる。
どんなに高く買い取っても、せいぜい約 700,000~800,000 円程度で、約 1,000,000 円前後で買い取ってくれないであろう。融通が利く優れた業者であれば可能であり、そのような業者と長く付き合うべきである。
今回は、高度成長とバブルを謳歌する中国人に、過去の預かり品を返す感覚に近い取引であり、購入した中国人には、長くコレクションを楽しんでもらいたい。
買取相場参照:中国切手買取屋は中国切手を高価買取します
買取相場参照:中国切手買取価格表 |有馬堂
買取相場参照:中国切手こんな高い 中国切手を高額買取してもらう方法 | 買取役立ちブログ